原爆投下直後に広島で降った「黒い雨」について爆心地の北7キロから8キロ離れた民家から黒い雨の影響とみられる放射性物質が見つかったことが先月、明らかになりましたが。この地点の被ばく線量が爆心地からおよそ2キロで直接被ばくしたのと同じレベルだった可能性があることがわかりました。
今の広島市安佐南区相田など爆心地の北7キロから8キロ離れた3か所の民家の床下の土から放射性物質を検出したのは、広島大学原爆放射線医学研究所(原医研)の星正治教授らのグループです。
検出した3か所のうち、2か所は国が援護対象にしている大雨地域から外れた場所でした。
この検出を受け、京都大学原子炉実験所の今中哲二助教らのグループが、土に含まれる放射性物質から黒い雨が降った65年前の被ばく線量を計算していましたが、計算の結果、被ばく線量は推定で最大50ミリグレイで、爆心地からおよそ2キロの地点で直接被ばくした被ばく線量と同じレベルである可能性があるということです。
「今まで遠距離の被ばく線量は評価されてなかったが、今回初めて出た。直爆に例えれば2キロの被ばくに相当する形。放射能が遠くまで飛んで落ちたというのはかなり広い地域での被ばくがあったことがわかった」(広島大 原医研 星正治教授)
研究チームでは、黒い雨による広範囲の影響を裏付けるデータとして今後、さらに精度を高め、実態を明らかにしていきたいしています。(3/4 19:13) |