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バンクーバー五輪 女子フィギュア 華の氷上決戦
浅田真央 攻めて銀メダル
(週刊朝日 2010年03月12日号配信掲載) 2010年3月4日(木)配信
夢に描いたオリンピックにて、彼女がトライし、成功したのはショート、フリーで計3度のトリプルアクセル。真央がここまで多くのファンを得たひとつの理由は、この難しいジャンプに挑み続ける姿勢にあるのだろう。男子の4回転にも匹敵する大技に、果敢に挑戦する、常に挑戦する……このアスリートらしい姿に誰もが声援を送りたくなるし、何度もの失敗を越え、見事成功させれば誰もが喝采を送る。
ところが、オリンピックに向かう大事な今シーズン、真央を大いに悩ませたのもまた、トリプルアクセルだった。1試合で3度のアクセルを入れる作戦の最も弱いところは、苦手なショートプログラムからアクセルを跳ばなければならないこと。練習での成功確率は決して低くないのだが、緊張感の高いショートプログラムで決めることはたやすいことではないし、ここで成功するかどうかで、その後の気持ちの流れも一気に変わってしまう。
グランプリシリーズでは2連戦して2戦ともショートプログラムからアクセルを失敗。その流れでフリーも振るわず、グランプリファイナル進出ならず……オリンピックシーズン、真央は苦難のスタートを切ることになってしまった。
1試合で3度のトリプルアクセルを跳ぶこと。それはまずコーチをはじめ、周囲が立てた作戦だった。だからもし真央が大人の作戦に流されるままの選手であったら、シーズン前半の不調をそのまま引きずってしまったかもしれない。
しかし、3度のアクセルに挑むことを最後に決めたのは、他の誰でもなく真央自身だ。自分で「やる!」と決めたからには、最後までやりきる。そんな頑固なところが彼女にはある。
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