トヨタ叩きは米国の“謀略”
フォードにも多い苦情
(週刊朝日 2010年03月12日号配信掲載) 2010年3月4日(木)配信
だが、こうした米政府の強硬な姿勢に対し、アンフェアだとの声は少なくない。企業の危機管理を専門とする元帝京大学教授の宮崎貞至氏は、今回のトヨタ騒動にまつわる情報を精査し、こう指摘する。
「近年の苦情総件数をみる限り、米国のフォードのほうがトヨタよりも多いとみられる。ここには急加速についてのものも含まれる。また、ゼネラル・モーターズ(GM)やクライスラーにも急加速の報告があり、現に訴訟になっている例もみられる。急加速の問題はトヨタだけでなく、全メーカーに共通する課題です。にもかかわらず、トヨタだけがやり玉に挙げられている。公聴会が開かれたのもトヨタに対してだけ。まるで狙い撃ちで、アンフェアと言う以外にありません」
宮崎氏の発言を裏付けるデータも存在する。
フォード 2806件
トヨタ 2515件
GM 1192件
これは、米運輸省道路交通安全局(NHTSA)のデータで、04〜09年の間、政府に寄せられた苦情件数を示している。トヨタよりフォードへの苦情件数のほうが多いのである。
また、米国で消費者向けに発行されている「コンシューマー・リポート」誌はNHTSAのデータを基に、08年以降の急加速に関するフォードへの苦情件数が結構多いことを指摘している。
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