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mizumizu4329の日記 [全888件]

徹底的に否定された、ロシアの正統なる芸術性 
[ Figure Skating(2009-2010) ]  

<続き>

ジャッジの見つけた「透明で客観的なシステムの穴」とは何か? 結局はこういうことだ。主観点である加点と演技構成点で勝たせるようにする。エレメンツの加点は少しずつ積み重ねることで大きな差にできるから、勝たせたい選手にたとえ1つぐらいミスが出ても、保険になる。演技構成点の「揺れ」は、エレメンツの完成度を高めようとしている選手の努力を一瞬で水泡に帰すことができるほどの「幅」をもたせることができるのだ。

それをヨーロッパ選手権の直後ではなく、わざわざ反ロシア感情の強い北米のバンクーバーに来て、さらにIOC副会長という政治的後ろ盾を確かなものにしたところで言う。完全にドイツ陣営の「作戦」だと思う。

ロシアを落としたがっているのはわかっている。ロシアペアのコーチは誰あろう、ソルトレイクで悪者にされたロシアのペア、ベレズナヤ・シハルリドゼ組のコーチだったタマラ・モスクビナ。

あのときのロシアペアに対する北米メディアのネガティブキャンペーンは、すさまじかった。ジャンプの着氷でグラッとする映像だけを切り取って繰り返し流し、「ミスがあったのに1位。サレー・ペルティエ組(カナダ)はノーミスなのに2位。不正だ」と騒ぎ立てた。

だから、タマラコーチが、フリーを鉄壁ノーミスで行かせるために、川口・スミルノフに4回転スロージャンプの回避を指示したのは当然の判断だと思う。五輪で大事なのは、なにがなんでもノーミスでクリーンに演技をすること。反ロシア感情の強い北米では、ただでさえロシア選手は不利。だから、「下げる」理由をジャッジに与えないことが大切なのだ。

それは川口選手も理屈ではわかっていたはずだ。だが、Mizumizuが以前指摘した選手のこころの問題。川口選手は「4回転を跳びたくて、投げてもらえるペアに転向した」とまで言っていた。なぜ日本選手がここまでジャンプにこだわるのか、恐らくロシア人コーチには理解できないだろう。本番前の朝の公式練習では4回転を降りていたという。選手にとっては回避する理由はないのだ。

結果は悪いほうに出てしまった。つまり、回避してレベルを落としたハズのスロージャンプで失敗。次でも失敗。4位にいたドイツペアにもミスはあったのだが、こちらのほうが順位をあげて銅メダル。ロシアペアは総合で4位に落ちた。

試合後の川口選手のインタビューには、4回転ジャンプを回避したことに対する抑え切れない無念さがにじんでいた。演技に入る前も、なかなかコーチのそばを離れなかった川口選手は、必死に気持ちを切り替えようとしていたのだろう。だが、安全策でいったはずのところでミスが出て、さらに「取り返さなければいけない次」でミスをする。これが一番悪いパターンだ。回避して失敗し、さらにメダルを逃す。「失敗してしまった自分」と「本当は挑戦したかった自分」の折り合いがつかず、選手は長く苦しむことになる。

五輪での3位と4位の最終順位自体に間違いはなかったように思う。ドイツペアにもミスはあったが、ロシアペアのミスのほうが演技の流れを止めてしまう深刻なものだった。川口選手が一瞬、手首を押さえるシーンもあった。

だが、驚くのはフリーの演技構成点。この2組の直前のヨーロッパ選手権と五輪の点を比べてみると・・・

ショート (左の数字が技術点、右の数字が演技構成点)

ロシアペア ヨーロッパ:41.44+32.48=73.92

      五輪 42.24+33.72=75.96

ドイツペア ヨーロッパ:40.92+33.2=74.12

      五輪:40.92+33.24=74.16

と、まるで、ヨーロッパ選手権の点をそのままスライドしたような出し方だ。

ところが・・・

フリー

ロシアペア ヨーロッパ:69.31+69.92=139.23

      五輪 57.13+64.48(転倒によるマイナス1)=120.61

ドイツペア ヨーロッパ:66.88+70.72=137.60

      五輪:65.08+70.56=135.64

フリーでの川口ペアは技術点の低下の「ついで」に、ドイツペアより6点以上も低い点をつけられた。ドイツペアと同等レベルの演技構成点をもらっていたヨーロッパ選手権に比べると5点以上下がってしまったことになる。これで川口ペアはフリーだけの順位は7位まで落ちてしまった。そんなに悪かったか? 信じられない。

ジャンプの失敗があったから? だが、そのほかのエレメンツ、たとえば優勝の中国ペアにミスの出たペアスピンなどは、川口ペアは素晴らしかったのだ。ペアスピンの王道である、「2人の距離が非常に近く、ぴたりと回転を合わせて回る」というスタイルで見せてくれた。回る2人の距離が近いということは、回転のタイミングがずれると相手にケガをさせることになる。非常にリスキーなのだ。優勝の中国ペアは、これ以上ないぐらい遠い距離で回り、スピンのタイミングのズレをわかりにくくしようとしていたのに対し、ロシアペアは堂々と近い距離で回り、タイミングをピタリと合わせた。

「これぞペアのスピンの王道かつ見本」の例を見せよう。どちらもロシアペア。1994年のリレハンメルオリンピックだ。

1位になった ゴルデーワ&グリンコフ

2位になった ミシュクチョノフ&ドミトリエフ(コーチはタマラさん)

1位のペアは、もう最初の滑り出しからユニゾンが奇跡。ここまでピタリとすべてのモーションを合わせられるペアは、彼ら以降見たことがない。絵に描いたような美男美女だから、機械仕掛けの人形が見えないレールの上を滑っているようにさえ見える。

ここではスピンの話なので、1:42あたりから始まるスピンを見て欲しい。実はこのペアはここで失敗している。回っている間にタイミングがずれてしまい、1:48あたりで2人の回転がバラバラになった。ところが1:53あたりでスピンから出るときには、タイミングを合わせてきれいに同時にスケーティングに戻っている。つまり、これがペアのスピンの技術なのだ。回転速度がズレでミスが出ても、途中から合わせてくる。そして、最後にはピタリ。

川口選手は、このペアスピンの王道をしっかりと継承している。ビデオをとった方は見て欲しいのだが、さかんにパートナーのほうを見て、回転を彼女のほうが合わせようとしているのがわかる。2人の間隔も狭い。なのに点を見ると、こうしたロシアペアの努力はほとんど評価されていないのだ。

「かつてあった、これぞペアという、素晴らしいスピン」をもう1つ見てみよう。ミシュクチョノフ&ドミトリエフのスピンはゴルデーワ組よりさらに見事。1:37ぐらいから始まるのだが、2人の距離が狭く、軸足を替えたあとで、さらに距離を縮めている。ゴルデーワ&グリンコフのようなミスもなかった。解説の五十嵐さんも演技が終わったあとにこのスピンを褒めている。彼の解説がすべてを語っているので、追加することはない。

バンクーバーでの川口ペアと申雪・趙宏博ペアのフリーのスピンの点を見ると、点差はほとんどない。

このエレメンツの得点を見て、Mizumizuは心底ガッカリしたのだ。

エレメンツでミスしてもなぜかたいして点が下がらない(GOEで減点されない)選手がいる・・・この「不思議な現象」は、シングルでも顕著だと思う(誰のどんなエレメンツかは、あえて言わないが)。だから、あとから各選手のエレメンツの「出来栄え」を見て、それに与えられた点を見比べると、明らかに劣っているのに点が高かったり、悪くないのに低かったりといった矛盾が見えてくる。

だが、それが意図的なのか、あるいは人間が見る以上起こりうるものなのか、明確にはわからないのだ。

そこにあるのは、「限りなく恣意的に見える得点」だけ。加点や演技構成点には、こうした「疑い」が付きまとう。だからこそ、加点割合をもっと抑制するなり、演技構成点を5つのコンポーネンツでなく3つにするなり、主観による操作をできる限りしにくいよう抑制するべきだのだ。客観性を柱にした新採点システムを続けるならそれしかない。逆に、ジャッジの主観を重んじるなら、こんなわけわらない点を「匿名」の裏で積み増しして、結果意味不明の銀河点が出てくるようなシステムではなく、ジャッジの顔が見える旧採点システムに戻すべきだ。

ペアの採点に話を戻すと、1位の中国ペアの演技構成点が72.4点なのに対し、ロシアペアは64.48点。「例によって」8点近くの差をつけられている。

そして、最終順位の点数を見ると

1位 216.57点 (中国)

2位 213.31点 (中国)

3位 210.60点 (ドイツ)

4位 194.77点 (ロシア)

5位 193.34点

と3位と4位の間にクッキリ「仕分け」ラインがある。その下はまた、団子状態。

解説のカナダ在住日本人スペシャリスト天野氏は、ロシアペアの点が低かったことについて、「(4回転を回避したことで)攻め切れなかった」と説明した。要するに後付けの辻褄合わせだ。技術点が下がると、演技構成点も下がるという傾向は以前はあった。だが、それはどの選手に対してもだった。今は、フリーでコケようがミスろうが、高い演技構成点をキープして出してもらえる選手と、ミスると待ってましたとばかりに演技構成点も下げられてしまう選手がいる。前者のタイプの側にはつまり、ジャッジが「ついていて」、後者のタイプの側にはジャッジが「いない」のだ。

ジャッジは五輪ペアでは明らかにロシア側におらず、ドイツ側にいたのだ。こうしてロシアは、メダルなしに終わり、最強の伝統を誇ったペア王国は崩壊した。

アイスダンスもそうだ。ロシアのカップルは、なんだかんだ足を引っ張られ、粗探しをされ、結局銅メダル。金と銀を北米で分け合うという出来すぎの結果。

<続く>




最終更新日時 2010年3月4日 0時11分11秒
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2010年3月3日

理想主義は常に政治力に屈服する 
[ Figure Skating(2009-2010) ]  

<続き>

ステップのレベル認定緩和(?)の前哨戦はカナダの国内大会だったと思う。なんとチャンのステップ全部にレベル4とすんげ〜(笑)加点。すると、ジャンプがダメな選手でも、かなり点をかさ上げできることがわかった。その一方で、4回転2種類を決めたレイノルズ選手は、フリーの演技構成点で、チャンに27.68点もの差(繰り返しますが、演技構成点だけの差ですよ)をつけられて総合3位に落ち、オリンピックにいけなかったのだ。

http://www.skatecanada.ca/en/events_results/events/cdns10/results/sd2.pdf

フリーで演技構成点が1位と2位の選手で27.68点。これは「異常」に見えないだろうか? Mizumizuにはそう見える。だが、別に「不当」ではない。「不当」の根拠はどこにもないからだ。慣習的な感覚から見れば、まったく異常に見えるが、それだってちゃんとルールにのっとって出された点。ファンや関係者が、それぞれの主観で「妥当だ」とか「この点は出すぎ(あるいはこの点は低すぎ)」などと主張しても、ただの水掛け論になってしまうのは、明確な基準が何もないからだ。

感覚的な「妥当」感は、これまでの点で出方からの推測とその選手に対する自分の好みが加味され、自分の主観で納得できる範囲の点なら「妥当」、それを逸脱した点なら「不当」になる。点が高いか低いかの議論がかみ合わないのは、当然のことだ。こうやって今シーズン、どんどん演技構成点は発狂していった。そのきっかけになったのは、明らかにロスのキム選手の演技構成点だ。

このカナダの国内大会のあまりの採点に噛み付いたのも、ストイコだった。そのとおりだと思う。自国の国内大会の採点を元選手が批判するなど、普通はありえない。同等の技術点を取っても、スケートの技術と表現力を評価する演技構成点で25点だ30点だと差をつけられるのなら、試合などやる前必要はない。やらなくても勝負は決まっているのではないか?

ロシアも同様の手段で対抗した。プルシェンコの国内大会の点は、これまた発狂花火と言っていい。あっちこっちでやりたい放題。勝たせたい選手をどこまでも上げる。エゴ丸出し。新採点システムの柱だった、「客観性」は一体どこに行ったのか。

オリンピックでも、基本的にこの手法は使われたと思う。「これでは競技会でなくて、リサイタル」、ストイコはそう切り捨てた。

それはペアの試合でもう明らかだった。優勝したのは、中国の申雪・趙宏博ペア。中国ペア史上最初にして最高のペア(だとMizumizuは思っている)だが、これまで厚いロシアの壁に阻まれ金メダルがない。

長く活躍した悲運のペアに金メダルを・・・というムードは、もうショートからアリアリだった。滑走順が早かったのにもかかわらず、素晴らしい演技をして歴代最高得点。旧採点時代ほどではないにせよ、「絶対評価」の今でも滑走順が早いと点が出にくいという、これまでなんとなくあった慣習的な傾向をあっさりと覆す。これも事前「仕分け」の効果だろう。断っておくが、申雪・趙宏博ペアのショートの演技は、このうえないほど素晴らしいものだった。

さて、問題のフリー。申雪・趙宏博ペアの「アダージョ」は例によってカナダのローリ・ニコルの振付。しっとりとした雰囲気は素晴らしく、芸術性の高いプログラムだった。投げ技も目を見張る凄さだし、独創的なデススパイラルも見せるが、なんといっても滑りの美しさが際立っていた。だが、ミスも目立った。非常に悪かったのはペアスピンの回転が、2人で相当バラバラになってしまったこと、それにリフトの途中でバランスを崩し、途中で降りてきてしまったことだ。ペアの華であるスピンとリフトでの失敗は、はっきり言って相当に痛い。だが、例によって演技構成点が高く出て、そのまま逃げ切った。

逆に2位になった(同じく)中国ペアはエレメンツは完璧にこなしたのに、逆転できなかった。ミスのないペアが勝つという競技会の基本からするとこの結果はどうかと思うし、申雪・趙宏博ペアのようにスピンがあれほど乱れて、リフトが途中で崩壊してしまうなど、五輪王者にはふさわしくない演技だ。もちろん2人の滑りはなめらかで、独特な世界を醸し出していたのは確かだ。表現力では、2位のペアを寄せ付けないものがあったと思う。だが、「滑りがきれい」で「独特の世界」を楽しむなら、それこそまさにアイスダンスを見ればいい。

そもそも新採点システムが導入されるきっかけになったのは、ノーミスだったカナダペアを、ジャンプの着氷で少しガタッとなったロシアペアが破り、それが「裏取引によるものだ」という告発がなされたからだった(後にそう言い出したフランス審判は自分の発言を撤回したにもかかわらず、真相解明はなされないまま、メディアの報道で「不正があった」ことになってしまった)。

ところがその結果、導入された採点システムでは何が起こっているのか? ノーミス(に見える)選手が明らかなミスをした選手に勝てない。「表現力とエレメンツの質の評価」が、勝敗にあまりに大きく影響する。それでは、まさに「リサイタル」ではないだろうか?

さらに悪いのは、旧採点法ならば、ショートで2位以下でも、フリーの出来次第で逆転が可能だったのが、今の事前仕分けによる採点では、「ショートで点差をつけて、フリーが悪くても逃げ切り」のパターンがあまりに増えてしまったことがある。旧採点システムでもショートは大事だった。ショートで4位と出遅れると、自力の優勝がなくなり、自分がフリーで1位をとっても、ショート1位が3位まで落ちなければ優勝できない。だが少なくともショートで2位の選手は、フリーで自分が1位になれば逆転できた。

ショートでメダル候補を「仕分け」して、優勝候補にあからさまに高得点を与え、フリーではミスが出ても演技構成点を高くして順位をキープさせる今季のやり方では、旧採点のような「誰の目にもわかりやすい」逆転優勝劇が非常に出にくくなった。その分、ショートに強くフリーでミスが出やすい選手(キム選手も高橋選手も、基本的にはこのタイプ)には有利だ。フリーの演技構成点で救ってもらえることがほぼわかっているなら、余裕をもって演技もできる。

ショート2位の選手がフリーで1位になっても、ショートの点差で逃げ切られてしまうという試合が目に見えて増えてきたのはここ最近だ。逆に勝たせたい(とジャッジが思っているであろう)選手が2位にいて(だいたいその場合は、トップとの点差はわずかだ)、フリーで多少ミスが出ても、演技構成点をより高く出すことで、逆転させることもできる。これはまともに客観性(基礎点)を重視していた数年前では考えられないことだ。以前はフリーの点が大きい分、基礎点の高いジャンプを組んだ選手が大逆転をすることもあったが、上位の選手間では、今はそういうエキサイティングな大逆転は起こらない。同じシステムなのに、ここまで操作性を高め、元来の目的を歪めてしまったのは、本当に信じられないことだ。

結局のところ、主観のからむ採点競技での絶対評価というシステムは、理想主義的すぎた。ジャッジには思惑がある。それを一切廃して(あるものをないことにして)、選手間の比較ではなく、絶対評価で点をつけるなど不可能なのだ。明確な「完成形」のモデルがどこにもないのに、「完成度」が高ければ加点をしたり、演技構成点を高くしてもいいという話は、そもそも矛盾している。

さらに演技審判がどんな点をつけたのかを秘匿としたこと(「ジャッジの匿名性」という話がこれだ。参加したジャッジの名前は公表されているが、誰が誰にどんな点をつけたのかは秘密になっている)が、さらにファンからの信頼を失わせる結果になったと思う。

 

ペアの採点では、もう1つ「異変」があった。それは3位に入ったドイツペアと4位に落ちたロシアペア(女性が日本人の川口選手)。この2組のペアは直前のヨーロッパ選手権では、順位が逆だった。

 

技術で優れている中国ペアとヨーロッパ勢がどういうふうにメダルを分け合うことになるのか? 

バンクーバー五輪が開催中に、ドイツペアはヨーロッパ選手権でのジャッジングを批判することで、ロシアに圧力をかけてきた。

同じドイツ人がIOCの副会長に再選された日(2010年2月13日 国際オリンピック委員会(IOC)は12日、バンクーバーで総会を開き、ドイツのトーマス・バッハ副会長と南アフリカのサム・ラムザミー理事を再選した)を見はからって出された、ドイツペアとそのコーチの発言記事。

http://de.eurosport.yahoo.com/12022010/30/steuer-kritisiert-preisrichter-laquo-schlupfloecher-raquo.html

Steuer kritisiert Preisrichter: «Schlupflöcher»

シュトイヤー(ドイツペアのコーチ)、ジャッジの採点には「穴」があると批判

Dennoch finden die Preisrichter nach Steuers Ansicht Wege, «den einen oder anderen zu bevorteilen». Bei der Europameisterschaft in Tallinn, als sein Chemnitzer Paar nur Silber hinter den Russen Yuko Kawaguchi/Alexander Smirnow gewonnen hatte, «waren sie nicht auf unserer Seite». Bei der Europameisterschaft in Tallinn, als sein Chemnitzer Paar nur Silber hinter den Russen Yuko Kawaguchi/Alexander Smirnow gewonnen hatte, «waren sie nicht auf unserer Seite».

(透明で客観性の高い採点システムにしようと改正を繰り返してきたにも)かかわらず、シュトイヤーによれば、ジャッジは、「誰か、あるいは別の誰かを有利にする」方法を見つけたという。タリンでのヨーロッパ選手権で、ドイツペアがロシアペアに負けたとき、「(ジャッジは)我々の側にいなかった」

<続く>




最終更新日時 2010年3月3日 17時10分51秒
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2010年3月2日

演技構成点が信頼できない、これだけのワケ
[ Figure Skating(2009-2010) ]  

 <続き>

高橋選手の演技構成点が高いのは、彼が優れているからだとしても、それを見抜く目のあるはずのジャッジがなぜ、一流のスケーターがこぞって賞賛する小塚選手のスケート技術(カナダのブラウニングもストイコも、小塚選手のスケート技術は世界トップだと褒めまくっている)に異様に低い点を与えるのか理解できない。

あるいは、あれほど深く、激しく、スピードのあるエッジ遣いで、ビビッドな踊りを披露し、観客を魅了できる鈴木選手が何度試合をしても、演技構成点が(他の選手に比べて)低いのかも理解できない。出てきた低い点をみて、「鈴木選手は去年の世界での実績がないから演技構成点が出てこない」と辻褄合わせをする人もいるが、それだったら、高橋選手は? 昨シーズンはケガで実績ゼロ。2季前はワールド4位。3期前のワールド銀メダリスト。フィギュアの世界で3季前の実績がモノを言うというのは、聞いたことがない。

プログラムの良し悪しで点が決まるという人もいる。だが、それだったらウィアー選手はキム選手と似たテイストのプログラムを作ったのに、演技構成点が伸びてこないのはなぜなのか? この2人のショートは「娼」性を前面に出しているという意味で共通しているし、キム選手のフリーは「ヨナ自身(振付のウィルソン)」だというが、ウィアーのフリーの「無性の堕天使」だって、ジョニー自身ではないか? ウィルソンは、キム・ヨナ方式で、ジョニー・ウィアーのプログラムを作ったのだ。よく見れば運動量の少ない躍動感に欠けるプログラムだが、キメのポーズの美しさや、全身を大きく使ったしなやかな動き(あまり速くはないが)など、共通する点が多い。

ウィアー選手は高橋選手のようには踊れないかもしれないが、それを言うなら、キム選手も鈴木選手のように生き生きと跳ねるような踊りができる選手ではない。EXを見たが、滑りのなめらかさとストロークの気持ちのよい伸び、ところどころで入る腕の動きは、一瞬ハッを胸を突かれるような美しさがあるのだが、動的な躍動感に欠けるため、すぐに飽きがきてしまう。滑りは確かにきれいだが、エッジ遣いでもっと見せることのできるハズのフィギュアスケートの表現としては、多少物足りないものがあるのも確かだ。これはチャン選手にも通ずる欠点で、チャン選手の動きも、難しいことをしなやかにやってしまう点は素晴らしいのだが、それがパターン化している。2人とも氷上表現の「繰り返し」および「1つのモーションあるいはポージングの派生パターン」が多いのだ。キム選手を好まない人は、たいてい、「彼女の動きは、いつも同じに見える」という。それはそれで的を射ている。

キム選手・高橋選手の表現力の評価が高く、ウィアー選手・鈴木選手の表現力の評価は低い理由には、まったく一貫性が感じられない。だから、ジャッジが正しく選手の能力を判断しているとは、とても思えないのだ。ただ、小塚選手・鈴木選手・ウィアー選手は強豪国の3番手に「仕分けされている」から演技構成点が出ないと考えれば、妙にスッキリ理解できる。

ジャンプ構成を落としてきれいにまとめる。皆がこの路線で来ると、基礎点が横並びになり、結局はジャッジ団が勝たせたい選手を勝たせるように主観点で恣意的な順位操作がより容易にできるようになる。

トリプルアクセル2つに、トリプルルッツ2つと同レベルのジャンプ構成できて、すべてきれいに着氷しながら、五輪王者になったライザェック選手と6位に沈んだウィアー選手の結果の違いを見れば、それがよくわかるではないか?

五輪では、ジャンプをすべてクリーンに降りられる選手はほとんどいない。ウィアー選手は、ジャンプをほぼすべてクリーンに降りたと言ってもいい。個性にあった魅力的なプログラムも作った。なのにジャッジは、ほぼ同じことをやったライザチェックに五輪王者の座を与え、ウィアーにはメダルを与えなかった。これは列強による「ポーランド分割計画」ならぬ、ISUによる「メダル分配計画」の結果のように見える。北米・ヨーロッパ・日本にメダルは1つずつ。「打倒プルシェンコの一番手」に祀り上げられていたチャンが沈んだ分、ライザチェックはトクをしたかもしれない。あるいは女子にロシェットがいる分、何かしらの力学が働いたのかもしれない。女子のほうは、キム・ヨナ、ロシェット、浅田真央(浅田選手がショートで自爆したら、安藤美姫のフリーのエレメンツの加点や演技構成点を少し上げればいい)。

こうした構図が透けて見えたのは、ウィアー選手が4回転で自爆しなかったせいだ。ショートで同じジャンプをやっても点がのびない場合、選手もコーチも高難度のジャンプで勝負をかけたがる。だが、ガリーナコーチは冷静だった。ウィアー選手は4回転ができないわけではないが、回転不足のまま降りてきてしまいがちだ。タフなほうではないので、大技を入れると後半のジャンプでミスが連鎖することが多い。なので、「五輪ではクリーンなジャンプを降りた選手が勝つ」という従来のセオリーにしたがった。ウィアー選手は見事にそれをやり遂げた。それなのに・・・

だが、それだからこそ、コーエンやストイコが声をあげてくれたのだ。チャンにまで抜かれるという低い点に本人が誰より不本意だったと思うが、ウィアー選手は微笑みながら、ファンに落ち着くよう仕草で語りかけた。だいたいこうなることを予想していたのだと思う。それでも不満そうな顔をしないところが、立派ではないか。

逆のことをやって、問題の所在をわかりにくくしているのが小塚選手だ。4回転を降りたのは快挙だ。だが、点は? 小塚選手の転倒はトリプルアクセル1回。チャン選手は2回(4回転はなし)。なのに、10点も差をつけられた。ありえないと思うのだが? ジャンプで転倒すると、印象が悪くなり演技構成点も下がるという人もいる。だが本当のことろ何が問題なのか、小塚選手が毎回毎回ジャンプで律儀に自爆する限り見えてこない。

プルシェンコのコーチ・ミーシンは、五輪前に「歴代の五輪王者は天上にいる。今のジャッジは地の底に悪魔とともにいる」という意味の発言をした。実に素晴らしい詩人ではないか。アイロニーに富んだこの表現は、日本女子にとっても当てはまる言葉だ。それを誰も言わないだけで。

「プルシェンコには金メダルをやらないぞ」工作も実に露骨だったと思う。

Mizumizuはかねがね、この操作感アリアリになっていく採点の裏にあるのは、「ジャッジの研修会」だと思っていた。今のルールは明らかに、ある特定のトップ選手がもっている強さを過大に評価し、その弱さを過小に評価するようにできている。キム選手が研修会で「お手本」として使われたと、韓国紙が自慢したことがあったが、現役の選手の演技をお手本としてジャッジの研修会に使うなど不適切だと思う。過去の優れた選手の演技をお手本にすべきだろう。

今回の男子の試合後に出た記事。

 

http://www.sponichi.co.jp/sports/news/2010/02/20/19.html

今大会では開幕前から「休んでいた選手がいきなり優勝していいのか」というムードが漂い「演技点を出し過ぎた悪い例」という審判の研修用DVDには当初、トリノ五輪でのプルシェンコの映像が入っていた。ロシア側の抗議で最終的には削除されたが、この日の演技点は82・80点。ライサチェクと同じで日本の高橋(84・50点)を下回っている数字に、ロシア側は違和感を抱いた。

 

「演技点を出しすぎた例」がトリノのプルシェンコとは笑わせる。それを言うなら、ロスのキム選手の演技構成点だろう。今季の「わけわからない高得点」の原点は、あの試合なのだから。しかも、文句を言われるとすぐ引っ込める。なんとポリシーなきジャッジ研修であることか。

 

プルシェンコとライザチェックの演技構成点に差をつけられなかったのは、事前の「プルシェンコは演技構成点で落とすぞ」計画が、ロシア側からのクレームで阻まれたせいだろう。こういうことをしておいて、プルシェンコの演技構成点を低くしたら、ロシアはこのDVDを根拠にまちがいなく噛み付いてくる。

プルシェンコの演技はジャンプ中心なので、「つなぎ」がよくない。それに対するカナダ側からのバッシングは感情的で、目を覆いたくなるような酷さだった。現役選手や元選手が、この偉大なスケーターをあからさまに誹謗する。

プルシェンコの評判を、できるかぎり事前に落とそうというわけだ。すると不思議なことに、プルシェンコ全盛期には聞かれもしなかった悪評を、一般人まで口にし始めた。今回負けたことでさらに悪口はひどくなった。以前Mizumizuが、「ヤグディンのスケートのほうが、プルシェンコよりはるかに優れている」などと言っても、誰も耳をかさないほど、プルシェンコ信仰はゆるぎないものだったのに。

 

これはちょうど、浅田選手が成績を出せないと、急にファンや関係者が浅田選手をけなし始めるのと同じ現象だ。

Mizumizuブログを過去から読んでいる方なら、実はMizumizuがヤグディン贔屓(もちろん本田選手も)で、プルシェンコのスケートが必ずしも好きでなかったことをご存知だと思う。

あの伸びない、エッジも浅い、直線的なスケーティングや強引な動きなど、今でもプルシェンコは、スケーターとしては必ずしも好きなタイプではない。だが、オリンピックに向けてあれだけウエイトを落とし、実際には練習では転倒もしているというジャンプを決して人前で失敗しない。レベル認定の要件がこれだけ変わったにもかかわらず、スピンやステップのレベルをピシッと揃えてくる。「1日8時間から9時間練習した」と言っていたが、すでにありあまる栄光を手にして、復帰する個人的な理由はほとんどないにもかかわらず(ヘタをしたら全盛期と比べて嘲笑されるだけの結果になる危険性だってある)、あえて復帰をして、しかも強さを見せ付けた。

 

プルシェンコが復帰してきた第一戦、解説の佐野さんは、「だいぶルールが変わりましたから・・・」と言っていた。ステップやスピンのレベルを取れるのか、ということだと思う。だが、元王者は、そこにも死角を見せなかったのだ。日本のエース、高橋選手がステップでレベルを落としたり、スピンでレベルが取れないうえにGOE減点されたりしているときに、だ。

 

すると、不思議なことに、年が明けてからあれほどレベル4が出にくかったステップにレベル4が出始める。だかこの傾向はまだ顕在化しておらず、ヨーロッパ選手権でのステップのレベル認定は、むしろ厳しかったのだ。これまで「3」を取っていた選手が「2」しか取れない。レベル認定も、厳しかったりゆるかったり、本当にわからない。

<続く>




最終更新日時 2010年3月2日 10時55分56秒
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2010年3月1日

「加点」の問題点
[ Figure Skating(2009-2010) ]  

<続き>

キム選手のジャンプの加点に男子でもつかなかった「2」がついたことについて、「流れがいいから」「男子並みだから」といった説明がされるのは、一般の人に質のよさをわかりやすく伝えたいからなのだろうけれど、実際にはGOE加点の要件は一見「客観的に」定められている。

1) 予想外の / 独創的な / 難しい入り

2) 明確ではっきりとしたステップ/フリー・スケーティング動作から直ちにジャンプに入る

3) 空中での姿勢変形 / ディレイド回転のジャンプ

4) 高さおよび距離が十分

5) (四肢を)十分に伸ばした着氷姿勢 / 独創的な出方

6) 入りから出までの流れが十分(ジャンプ・コンビネーション/シークェンスを含む)

7) 開始から終了まで無駄な力が全く無い

8) 音楽構造に要素が合っている

+1は、上の要件のうち 2 項目 に当てはまればよく、+2は 4 項目、 +3は6 項目またはそれ以上。

だが、よく読むとわかるように、「音楽との調和」など、かなりどうにでも判断できる要件も盛り込まれている。何にせよ、加点要件に当てはまるかどうかの判断は、結局は主観で決まるのだ。

キム選手のジャンプに「2」がついたのは、要は上の項目の4項目に当てはまると演技審判(おそらく全員)が判断した、というだけのことだ。ジャッジ団の総意があれば、こういう点が出てくる。

「キム選手のジャンプは飛距離があって流れがあるから加点が出るって聞きました。じゃ、真央ちゃんももっと遠くに跳んで着氷後に流れるようなジャンプをするようにすればいいのに!」などという短絡的な意見には、口がアングリとなってしまう。浅田選手のジャンプはああいう跳び方なのだ。高くあがり、細い軸で、クルクルッと速く回る。コーエン選手もこのタイプだった。抜群の高さと飛距離で滞空時間を稼いでトリプルアクセルを回っていた伊藤みどりと違い、浅田選手はコマのような速い回転力で回る選手。ああいったジャンプを跳ぶ選手は、リピンスキー選手もそうだったが、ローティーンのころはジャンプが得意でも、成長するにしたがって跳べなくなることが多い。浅田選手は19歳の今も、トリプルアクセルを跳んでいる。あの驚異的にすらりとした体形を保っているからこそだと思う。それだけで奇跡なのだ。

「加点要件」に当てはまるか当てはまらないかは、結局はジャッジの主観の問題。浅田選手だって、加点がつくように入り方を工夫するなど、対策を立てている。加点条件1つか2つに当てはめるためにジャンプそのものを作りかえるなど本末転倒な話だし、そもそも不可能だ(こんなアホな説明に、行を割きたくないわ、まったく)。

だが、直せる部分もあると思う。実際に、セカンドにつけるループは、ここにきてだいぶよくなってきた(本番では、心配したとおりの悪い結果になってしまったが。まあ、そういうこともあらぁな)。ルッツはやはり、矯正してほしいと思う。たとえワンシーズンを棒に振っても。トリプルアクセルを跳ばない世界女王・五輪女王は別に不思議ではないが、ルッツを跳ばない女王というのは、(突然のルール改正という汚いやり方はあったにせよ、それを割り引いても)やはり個人的には好ましくないと思っている。ルッツを跳んでこそトリプルアクセルが、トリプルアクセルを跳んでこそ4回転が、「水戸黄門の印籠」になる。

高橋選手のトリプルアクセルに、たとえば1.8点という加点がついたとしたら、それは上の要件の2から3項目にあてはまるから「1」、4から5項目に当てはまるから「2」とつけたジャッジがバラついて(もちろん、「0」にしたジャッジもいるかもしれないが)、計算上1.8点になった、ということ。

だから、「2」という加点が「妥当か・妥当でないか」などという議論も、まったく不毛なのだ。ただ、男子にすらつかない加点を、いきなり(たぶん全員の)ジャッジがこれだけたくさんのジャンプにつけてきたというのは、普通ではないことだと思う。加点というのは、だいたい格式の高い試合になればなるほど、抑制される傾向があったからだ。

加点要件が増えたとはいえ、男子のジャンプへの加点は昨シーズンと比べても、さほどついていない。むしろ、1点以下におさまるようにシーズン中の試合以上に抑制されているように見える。

だから、キム選手への加点には、そこになんらかの意識合わせがあったとは思うが、だからと言ってそれが不正とは言えない。シーズン中からキム選手のジャンプに対する加点は、昨シーズン以上に高くなっていたと思うし、今回のキム選手のジャンプは平均して、「2」を取るに値する高い質のものだったからこそ、そういう加点が出た、とも言える。それが納得できるかどうかは、またまた主観の問題になってしまう。

だが、「男子並みの流れがあるから、加点2がつく」「高さと距離が素晴らしいから、加点2がつく」という説明は、おかしいと思う。前者が要件の(6)番、後者が(4)番に当てはまることは事実だが、どんなに流れのスムースネスが際立っていても、また距離や高さが凄くても、そのこと自体では当てはまる要件の数は増えないからだ。

個人的には、ジャンプの質を判断するGOEは、基礎点をないがしろにするものであってはならないと思っている。だから、もう少しダブルアクセル以上のジャンプの加点・減点の反映割合を少なくするべきだ。そうすれば、ジャッジのさじ加減、もとい主観による判断で大きく点差が開くことはなくなる。

もちろん逆の考えもある。質のいいジャンプこそ、回転数が上のジャンプ以上の価値をもつというもの。キム選手に気前よく与えられる加点は、どちらかといえば、こちらの考えに沿ったものだと解釈もできる。もちろん、それもアリだと思う。だが、個人的には、2回転と3回転は、その考えで行ってもいいが、世界でも跳ぶ人の限られるトリプルアクセルと4回転に関しては、もっとそのジャンプの価値が評価されるべきだと思っている。現行のルールではむしろ逆で、2回転はどんなに質がよくても3回転以下の価値しかもたず、逆にトリプルアクセルや4回転はリスクが高すぎるものになってしまって、ちょっとでもミスるとやらなかったほうがマシというような点になる。「質」重視で行くにしても、現状のこの点はスポーツの精神に反していると思う。

ロスの世界選手権のあともそうだったが、キム選手の演技構成点が「発狂」したあと、辻褄を合わせるように、男子のほうでも、理解不能の花火が上がりだした。今、「男子につかないような加点がキム選手のGOEについた」ことが異常に見えても、男子のほうにも「2」がついてくれば、「異常が常態化し、異常ではなくなる」のだ。

加点に話を戻すと、高橋選手の単独トリプルアクセルや単独トリプルルッツ(特にショートの)などは、「2」がついてもおかしくない質のものだと思う(2、3、4、6に当てはまっていると思う。7を入れてもいいかもしれない。もちろん失敗しなければだが)。彼の欠点は連続ジャンプにしたときのセカンドのジャンプ。飛距離が出ず、小さくなりがちだ。

高橋選手の場合は、やはりジャンプミスをしないようにして技術点での減点をなくせば、世界トップに仕分けされた「表現力」と単独ジャンプやステップへの加点で、もっと点が出ると思う。五輪をみても、技術点で足を引っ張っているのは、明らかに4回転。

皆は、「高橋選手が4回転を決めれば、堂々とプルシェンコを破れる」と思っていると思う。それはそうだが、現状ではそれはかなり難しい。というか、今シーズン4回転に固執することで、高橋選手は点を失い続けているというのが本当のところだ。

シーズン中よりはよかったが、五輪でも後半体力がもたなかった(あれで笑顔で滑っていられるのが凄い・・・)。スケーティングで気になったのは、後半の3+3のジャンプに入る前の滑り。あそこで曲のテンポが速くなる。そこで得意のスムーズな加速で盛り上げて・・・と思ったところが、

アリッ?

いつものような気持ちのいいスケーティングの伸びがなく、音楽に遅れていた。スピードにのれなかったことが、連続ジャンプのミスを招いたと思う。高橋選手のジャンプミスは、今季常に4回転を入れることによる体力消耗とリンクしている。

キム選手への点数の与え方から見ても、「スケーティング技術」「ジャンプ」「表現力」に偏りや欠点の少ない高橋選手が非常に有利で、キム選手への加点を正当化しようとしてジャッジが男子にも「2」をつけるなら、その対象にまっさきになりそうなのは、やはり高橋選手の単独ジャンプではないかと思う。

<続く>

しかし・・・こんな個人ブログに1日12万件(1万2000ではなく、12万件・・・)のアクセスとは。みなさん、一体どこからいらっしゃるので?




最終更新日時 2010年3月1日 2時24分32秒
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2010年2月28日

選手は事前に「仕分け」されている
[ Figure Skating(2009-2010) ]  

<続き>

この明らかに「メダリスト候補とそれ以外」に仕分けされた露骨な採点を見ても、公平なジャッジングの結果そうなったと信じ込める人の頭の中は、Mizumizuには理解できない。「こんなに点差があるのは、なぜですか?」「急にどうしてこんなに点がハネ上がるのですか?」と聞かれても、「ジャッジがそうつけたから」としか答えようがない。そんな競技が、スポーツの試合といえるだろうか?

ここ2回の五輪王者の点を見ると

男子 258.47(プルシェンコ)→257.67点(ライザチェック)

とむしろ、下がっているのに対し、

女子 191.34(荒川)→228.56(キム)

とはちゃめちゃに上がっている。技術的にはセカンドに3回転が3つ入るキム選手の基礎点のほうが高いが、この女子だけに起こったトンデモなインフレは、ジャンプの技術の向上だけでは説明がつかない。

浅田選手のプログラムをもっと「明るく」「軽やかなもの」にすればキム選手に勝てたかも、などという意見がまったくアテにならないのは、ウィアー選手のプログラムが評価されないのを見ればわかることだと思う。ショートもフリーもウィアー選手の個性には合っていた。だが、点は出ない。浅田選手が「明るく」「軽やかな」プログラムを作ったら、「キム・ヨナ選手は大人っぽい。浅田選手はまだ子供」などと言われるだけだ。

今回のフリーの演技構成点は、キム選手71.76、浅田選手67.04で、差が4.75。この差が「明るいプログラム」効果でたとえ2点ぐらいに縮まっても、エレメンツの加点の差でキム選手には勝てない。何を作っても、恐らく今の状態では、「表現力はキム選手のが上」評判で固定されているので、キム選手の上には来ない。つまり、プログラムをどうしようと、「下」に仕分けされた現状は変わらず、あとはせいぜい2点かそこら差が縮まるだけのこと。

日本のメディアが日本選手のライバル選手の宣伝にやすやすと手を貸し、「キム選手のプログラムは名作」「チャン選手はスケート技術がナンバーワン」などとさかんに言い立てるのが信じられない。浅田選手の表現力を褒め、チャン選手と同年代のライバルである小塚選手のスケート技術の素晴らしさをもっと強調すべきではないのか? 評判は宣伝で作られるのだ。

浅田選手とキム選手に関しては、ルールと採点で先回りして浅田選手に勝たせないようにしているだけ。ジャッジへの研修や試合を担当するジャッジ団の意識合わせのときに、キム選手のエレメンツにめいっぱい加点がつくよう誘導すればいい。シーズン初めにそれが「固定」されれば、あとはだいたい踏襲されていく。

浅田選手が難度の高いジャンプを入れれば入れるほど、キム選手の加点と演技構成点はインフレする。これまた異常現象としか言いようがない。その結果、わけのわからないフランケンシュタイン世界最高点が生まれる。点なら、もっと伸ばせる。演技構成点の各コンポーネンツを9点台の前半から半ば、そして後半へとあげていけばいいだけだ。ペアではすでにそうなっているし、シングルの世界トップ選手が10点近い演技構成点を取ったところで、おかしくはない。

浅田選手が難度の高いジャンプを導入して、ジャンプの基礎点をあげていくなら、その分演技構成点をインフレさせて点差を広げていけばいい。ストイコも、「ジャンプ1つ分演技構成点で差をつければいいだけ」とアッサリ言っている。そして、「表現力の差」で勝ったことにすればいいだけだ。

加点と演技構成点のつけ方に疑問を呈すべき日本人自らが、「GOEの加点で差がついた。浅田選手はもっとGOEがもらえるようにしないと」などと言う。キム選手は点が出すぎているとまっとうなことを言うタラソワの味方はせず、逆に日本人が、「点が出ないのはタラソワのせい」と内ゲバ状態になる。

なんて愚かなのか? 次のオリンピックは、「プーチンの帝国 ロシア」だ。プルシェンコのルールと採点への怒りは、そのままロシア国民の怒りでもある。だったら、タラソワを通じて浅田選手とロシアの間にあいた窓を絶対に閉じてはダメだ。点が出ないのは、タラソワのせいではない。ルールと採点のせい。日本は一貫してその立場を取り、ロシア側に立たなくては、どっちつかずでフラフラしていたら、次のオリンピックでまた選手ばかりが、対応不可能なルールに対応しなければいけなくなる。

キム選手のジャンプに過剰なまでの加点がつくのが、「男子並み」のスピードと高さ・飛距離をもっているからだとしたら、男子選手のジャンプにキム選手並みの加点がつかないのはなぜなのか? 加点条件は男子も女子も同じ。採点はあくまで絶対評価なのだ(もう形骸化してしまっているが)。男子並みのジャンプを跳ぶ女子が、男子以上の加点をもらう根拠にはならないはずだ。

浅田選手のジャンプに加点がつきにくい理由は、加点条件の変更で説明がつく。去年は「高さもしくは飛距離が素晴らしい」のが加点の条件だった。それが今年は、「高さと飛距離がよい」に変わった。浅田選手のジャンプは、どちらかというと垂直跳びに近い。「高さは素晴らしいが飛距離はない」と見なされれば加点対象にならない。「高さが素晴らしく、飛距離もだいたいよい」ぐらいに見なされれば加点対象にしてもいいだろう。一方でキム選手のジャンプは高さも飛距離もあり、大きな素晴らしいジャンプだ。だから、彼女のジャンプはこの加点条件には間違いなくあてはまる。

これも過去に指摘したが、この異常現象が始まるきっかけとなったのは、昨シーズンの4大陸のフリーだ。あのころまでは、演技構成点で点差をつけていなかった。演技構成点自体は、キム選手より「下」に「仕分け」されていたが、わずかな点差に留めていた。4大陸では浅田選手は絶不調。難度の高いジャンプを跳べなかった。だからダウングレード攻撃はできない。一方のキム選手は絶好調。苦手の3ループも入れると宣言していた。

ところが、キム選手は3ループは失敗。続くルッツからの連続ジャンプがダウングレードされたら、不調で難度の高いジャンプを跳べない(だからダウングレードできない)浅田選手のほうがフリーでは点を出してしまった。これが浅田真央の凄さだ。

そうしたら、次のロス選手権で、いきなりキム選手の演技構成点が「発狂」する。同じことをやっているのに、なぜこうも急に花火みたいに点があがるのか。明らかにおかしい。コストナー選手が、無気力試合で「抗議」するのも当然ではないか? こんな採点をされたら、誰だってヤル気をなくすのが当然だ。

だから、ロスでおかしいものはおかしいと指摘して、説明を求めるべきだったのだ。一度ああした、「高下駄履き」を許せば、いつでもどこでも、同じことをやっていいことになってしまう。だが、日本のスケ連の強化部長は、完敗を認めただけだ。

それに対して浅田選手はトリプルアクセル3回という、超高難度プログラムで真っ向勝負に出た。国別ではある程度の結果が出て、念願の200点越え。キム選手に迫った。

すると、またまたキム選手の点は上がってくる。それがフランス大会だ。下駄スケートというのが昔あったことは聞いたが、キム選手の場合は、高下駄スケート。連続ジャンプの組み合わせを替えただけで、ジャンプの難度そのものを上げているわけでもないのに、どんどんエレメンツの「完成度」が高まって、加点がインフレする。浅田選手にとっては、馬の鼻先ににんじんを吊るされているようなものだ。今回の五輪で、キム・ヨナ選手は、またまた「スケートの技術」も急に向上し、「表現力」も急に高まったらしく、演技構成点がついに71点以上という、想像を超えた点が出た。五輪で自己ベストを更新する選手は増えていたが、要はキム・ヨナ選手に対する「再びの発狂花火」の前哨戦だったというわけだ。

上に書いたように、演技構成点は、まだまだ上げることができる。今出ている9点台前半を9点台後半にしていけばいいだけだ。世界最高レベルの選手になら、別に9点台の後半を出したっておかしくない・・・ その一方で、落としたい選手はできるかぎり差をつけて(異常採点にならない程度に)低い点をつける。5つのコンポーネンツの点を足す演技構成点の総得点で、ジャンプ1つ分の差がでても選手にとっては大きな痛手だ。

このまま放置したら、どんなフランケンシュタイン世界最高得点が出てくることやら・・・ こうやって、これまで慣習的にあった「ガラスの天井」を引き上げることで、唯一客観的な基準であった「基礎点」をないがしろにして、主観による順位操作がより容易にできることになった。これもロスの世界選手権で予想したとおりだ。

主観で順位をつけることに反対はしない。旧採点はそうだった。しょせんフィギュアのジャッジができるのは、選手のもっている技術力や表現力を勘案して、優劣をつけることなのだ。今は客観的な基準であるはずの基礎点での勝負をないがしろにするために、加点や演技構成点で極端に点差をつけてくる。主観点の「重さ」をここまでにするなら、ジャッジ団の意識合わせで操作可能な今の方式より、誰がどういう点をつけたか明確だった旧採点方式のほうがよい。

今回の女子、総合得点を見ると、メダリストに仕分けされた3人は200点越え。その下は10点も差があって、それから下は団子状態。

1位 228.56

2位 205.5

3位 202.64

4位 190.15

5位 188.86

6位 187.97

7位 182.49

これを見ると、金メダルはキム選手に仕分けされ、銀と銅に仕分けされていたのが浅田選手とロシェット選手。その下は僅差。

男子は金メダル候補に仕分けされた選手がもう少しいるように見える。その中に入っているのが日本の高橋選手だ。フリーの高橋選手の順位は5位と悪かったが、足を引っ張っている技術点だけ見ると、もっとずっと下で、なんとなんと9位ぐらいまで下がってくる。それでも世界トップに仕分けされた演技構成点でメダルまで来た。高橋選手は、今の主観点で点差をつける採点傾向に、日本人で唯一助けられている選手なのだ。

むしろ高く与えられる演技構成点が、技術点が出ていないという高橋選手の欠点を覆い隠してしまっているのが問題だと思う。4Tはともかく、セカンドにもってきた3回転がダウングレードで2回転扱いなのだから、高橋選手のジャンプ構成には3回転+3回転がないということなのだ。普通、そんな男子選手が五輪でメダルを獲ることはない。もっている表現力を惜しみなく評価されたからこそ、メダルまで来た。

それなのに、日本のメディアは、4回転に挑戦して点を失っている高橋選手を結果だけ見て褒め、4回転を入れずに高橋選手以上の技術点を取った織田選手を「弱気」などと叩いているのだ。

高橋選手の表現力を高く評価するMizumizuにとって、演技構成点世界トップの評価はおかしくは見えない。だが、ウィアー選手のファンで、高橋選手が嫌いなファンにとっては? 「日本がカネ出してジャッジを買収し、高橋選手にメダルを獲らせた」と見えるかもしれないではないか? アメリカからこういう話が出にくいのは、ライザチェック選手に高橋選手と同様の演技構成点が与えられているせいかもしれない。

たとえば、ランビエール選手のような貴族的な雰囲気を嫌う人はあまりいないが、高橋選手の魅力はもう少しダークでバロックだ。こうした個性は、あまり好まない人も出てくる。ウィアー選手はもっと違った意味で、好き嫌いが別れやすい。

<続く>




最終更新日時 2010年2月28日 2時29分33秒
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2010年2月27日

いくら完成度を高めても点がもらえない、ジョニー・ウィアー選手
[ Figure Skating(2009-2010) ]  

<きのうから続く>

ただ、それはそれで個性的な新しい境地を開拓したプログラムだとも言えると思う。あとは、好き嫌い。

一方で、高橋選手は、スケーターとしての魅力を全方位で備えている。ストロークの伸びもあり、エッジも深く、細かで動的なステップも得意で、上半身を含めた身体の動きもピシッと決まり、しかも速い。

リズムやメロディーといった音楽そのものを表現することもできるし、感情表現も得意だ。表現力でも全方位で欠点のないアスリートなのだ。

だから高橋選手が高い演技構成点をもらうのは、Mizumizuには当然に見える。だが、その同じジャッジが、高橋選手と比べても遜色のない小塚選手の「スケートの技術」に、異様に低い点をつけているのをみると、「ジャッジは目が高いから高橋選手を正当に評価している」とは到底思えないのだ。

さて、ウィアー選手と高橋選手のフリーのプロトコルを比べてみると、

ウィアー選手 技術点79.67点+演技構成点77.1=156.77点

高橋選手 技術点73.48点+演技構成点84.5(転倒によるマイナス1)=156.98点

技術点でウィアー選手のほうがはるかに勝っているにもかかわらず、演技構成点で7点もの差がついている。7点といったら、後半にもってくるルッツ1つ分より大きい点差なのだ。

しかも、ウィアー選手は自分の表現できる世界を、めいっぱい表現していたと思う。ケチをつければ、「動いてないプログラム」「ときどき妖艶なポーズを決め、浅いエッジでくるくるしたり、手をひらひらさせたりしてるだけ」(と、Mizumizuには見える)。

高橋選手のほうがナチュラルな感情表現が巧みだったと言えるかもしれない。だが、ウィアー選手が表現しようとしたのは「堕天使」だ。人間ではない。そして、そうした浮世離れしたキャラクターを表現するのに、ウィアー選手ほどふさわしい人はいないのではないか? 睫毛カールまでバッチリのお見事な美貌(あの睫毛カールに彼は、どのくらい時間をかけてるのでせふか??)は、動く少女漫画というか、三次元BLと言うか・・・

ジャンプをノーミスで滑り、表現にも気を配り、他の誰もできない世界を構築したのに、高橋選手と演技構成点で7点もの点差をつけられたら、ウィアー選手は、自分が100%の力を出すのが前提で、しかも高橋選手がもう1回ぐらいコケてくれなければ、勝てないことになる。

主観でしかない演技構成点で差をつけてはいけない。それでは競技会でなくなる。Mizumizuが何度も言っているのは、こういうことが起こるからだ。

この7点という点差が妥当か不当か、不毛な議論でしかないと思う。Mizumizuは高橋選手を評価し、ウィアー選手は評価していない。

ストイコも、「自分はウィアー選手のファンではないが」と言っている。それはそうだろう、男性的な力強さこそ男子フィギュアだと考えているストイコが、ウィアーのようなアンドロギュノス的世界のファンになるわけがない。

だが、ウィアー選手のファンだっているはずだ。特にアジアの女性には多い。ウィアー選手の熱烈なファンで、高橋選手の素晴らしさが理解できない人は、この点差を見て、どう思うか?

「不当すぎる採点だ」

いったい点のでない理由は何?

・ コーチがロシア人で、隣りにカート・ブラウニングが獲れなかった五輪金メダルを獲ったロシアのペトレンコが座っているから?

・ 毛皮を着てチャラチャラしたのが、動物愛護団体に嫌われたから?

・ アイドル気取りでプロモーションビデオを作ったから?

・ 三次元BLの世界はジャッジの感性に合わないから?

・ 日本の小塚選手同様、強豪国の「3番手」に仕分けされているから?

邪推はできるが、理解はできない。

これが、女子のフリーでキム選手と浅田選手の演技構成点の間に起こったことなのだ。キム選手の演技構成点は、また突然大幅にインフレした。浅田選手の演技構成点も高く出た。だが、その「点差」は、昨シーズンの世界選手権のときと同程度に「固定」されている。すでにそういうふうに「仕分けされている」ということ。

そして、今季の採点の最大の問題点。「加点のマジック」。

これが駆使されるようになったのは、加点をつける条件が増え、加点しやすくなったためだ。表向きは、「質の高いエレメンツを積極的に評価するため」だ。

だが、これが点数操作に使われていることは、今回の男子でプルシェンコが勝てなかったことを見ても、キム選手のフリーの点が、またもや発狂したことを見ても、チャン選手が超常現象上げで入賞したことも、ロシェット選手が、同様のジャンプ構成で来るその他の選手と一線を画してメダリストに「仕分け」されたことを見ても明らかだと思う。

キム選手のセカンドが不足気味の3ルッツ+3トゥループには、「2」などという加点がつくのに、織田選手の素晴らしい着氷の3ルッツ+3トゥループには、加点は0.6点しかついていない。こうやって加点も操作できる。素晴らしくても1に留める。素晴らしければ2にする、というように。

どうも織田選手の加点はシーズン初めは普通につけて、それで「思ったより」点が高く出過ぎるものだから、シーズン後半に抑制して、調整している気がする。昨シーズンもそうだったが、織田選手の点数は、年が明けると下がってくる。あ、もちろん、試合によって出来栄えが違い、判断するジャッジも違うせいですね、はいはい。

エレメンツの完成度を高めれば公平に加点がもらえるなどというのは、お題目にすぎない。加点マジックで上げてもらえるのは、特定の選手だけ。「この加点はなぜついたんですか?」などと解説者に説明を求めてるメディア関係者には笑ってしまう。仕方なく、解説者は、「スピードがある」「高さと幅がある」などと具体的かつ簡潔な説明をしているが、実際には、加点には条件があり、それをいくつ満たしたか(いくつ満たしたとジャッジが判断したか)によって操作できるのだ。

たとえば、チャン選手はステップでグラついたのに、GOEで減点されていない。これも、「満たした加点要件」と「当てはまる減点要件」を勘案して、プラスマイナスゼロだと判断すれば減点しなくていいからで、別にそれ自体は規定違反でもなんでもない。

演技構成点を上げるのは難しいが、努力してプログラムの完成度を高めれば、少しずつ評価してもらえる、というまっとうな話も今は昔。シーズン中、鈴木選手は常にいい演技をしたが、演技構成点はさっぱり上がってこなかった。五輪では上がったが、他の選手に比べて上がったというほどでもない。

演技構成点は、急に上がったり、下がったりする。まったく意味不明だ。理解できない点数は、誰も説明できない。それだけのことをなぜか日本では誰も言おうとせず、意味不明の高得点を「完成度が高いから」で辻褄合わせをしようとするから、ファンの不信を招く。

「完成」の見本がないのに、どうやって完成度を数字化し、それが正しいと証明できるのか。結局のところ主観に頼らざるを得ないものは、バイアスをかけることはいくらでも可能だ。日本女子がこれだけコケにされてるのに、当の日本人が矛盾に目をつぶって辻褄合わせに協力している姿は滑稽ですらある。韓国の態度は逆だ。キム選手がダウングレードされるのはジャッジの判定がおかしいせい。キム選手の点が思ったほど高くでないのも、ジャッジがおかしいせいだと新聞ですぐに叩く。

見た目に完成度が高くて点が出る選手もいるかもしれない。だが、それを言ったら、ウィアー選手のようにめいっぱい完成度を高めても、やっぱり出してもらえない選手だっているのだ。

別にファンを非難する気持ちは毛頭ないのだが、Mizumizuが多少不快に感じるのは、日本のファンのほとんどが、常に、「真央ちゃんとキム・ヨナ」だけを比べて、この点差が妥当か・不当かと、まるで二者択一マークシートの答案の正解を求めるようなメールを送りつけてくることだ。

この2人にはそれぞれの強さと弱さがある。今のルールがキム選手を過剰に評価し、浅田選手の欠点を徹底的にマイナスにしてくるだけだ。ルール策定でそうなっているのだから、ジャッジはそのとおりに採点する。それにジャッジ団は事前に意識合わせをして採点するから、そこで何かしらの調整が行われる。それだけの話だ。

キム選手へのインフレ点は常に異常だとMizumizuは個人的には思っている。ロスの世界選手権のときにそう言ったはずだ。だが、それに対して関係者が声をあげなければ、異常な点を認めたことになってしまう。ロスのあと、日本のスケート連盟の関係者の誰かが声をあげただろうか? ただ浅田選手に、「持っているものはキム・ヨナと変わらない。200点を出せ」と言っただけだ。そしたらどうでもいい国別対抗戦で200点が出た。今回のオリンピックでも200点を越えた。ならば目的を達成したのではないか? 「今回のオリンピックで複数のメダルが欲しい」と強化部長は言っていた。ちゃんと男子1つ、女子1つ分配されたではないか? 日本の要求は通っているのだ。

今は点差が極端に出てくる。全米でアボット選手が出した点は、ライザチェック選手を25点も上回っていた。この点差が「妥当か・不当か」なんてことが言えるだろうか? ただ言えるのは、アボット選手は全米王者、ライザチェック選手はオリンピック王者になったということ。

そして、私見で言えば、男子のオリンピック王者はやはりプルシェンコ以外にはなかったこと。もし、オリンピックのプルシェンコ選手を凌駕する演技をした選手がいたとすれば、それは4回転を決め、すべてのジャンプをクリーンに決め、表現力でも卓越したものを見せた全米のアボット選手の演技以外にないことだ。

オリンピックで4+3を2度も完璧に降りたプルシェンコがライザチェックに負けたとき、採点についてのヒステリックなメールなど、Mizumizuのところには1通も来なかったのだ。

日本選手に関しては、まだ優遇されているほうだと思う。カナダとつながりのあるキム・ヨナ選手、カナダの星ロシェット選手&チャン選手ほどではないが、もっと冷遇されている国の選手はいくらでもいるのに、彼らに対する「不当と思われる採点」に関してだって、日本のファンから1通のメールも来たことはない。

女子シングルの最終順位に関しては、1位、2位には問題はない。だが、3位は別の選手だと思う。ロシェットは確かにいい演技をしたが、その下の選手たちに比べて突出していたということはない。だが、加点と演技構成点のマジックでここまでできる。彼女に失敗がなければ。

プルシェンコは、試合前から「ジャッジは点をアレンジしている」と非難した。そのとおりだと思う。ところが日本では、異常なアレンジ点を見ても、あとから理屈をつけて辻褄を合わせている。変な国だ。おかしいものはおかしいとなぜ言わないのか? 

ロスの世界選手権で、オリンピックで起こることがMizumizuにはハッキリ見えた。案の定チャン選手も「超常現象上げ」で入賞。ジャンプの失敗がなければ、メダルまで行ったかもしれない。ロシェットも突出した部分がないにもかかわらず、3位で銅メダル。上位の2人にもっとミスがあれば、金まで行っていただろう。実際に浅田選手とロシェット選手の差はわずかだった。キム・ヨナ選手は演技構成点、それに今季つけやすくなった加点で浅田選手を圧倒する。加点の条件が増えたといっても、浅田選手に対する加点は別に上がっていない。

いくらでも点は出てくる。ジャッジの総意があれば。「ISUは、勝者と敗者をコントロールしたがっているように見える」と、これまた本当のことを言ったのは、ストイコだ。プルシェンコも同様のことを言っている。 

<続く>





最終更新日時 2010年2月27日 16時8分57秒
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2010年2月26日

祝! 浅田真央、銀メダル
[ Figure Skating(2009-2010) ]  

浅田選手がバンクーバーオリンピックで銀メダル。「祝」の文字が少ないのは、本人にとっても、浅田選手に金を期待していたファンにとっても、不本意なものだっただろうからだ。

だが、よく考えてみて欲しい。浅田選手は作シーズンの世界選手権4位、今シーズンはトリプルアクセルで自爆を繰り返して、ファイナルにも行けなかった。

それを考えるとここまで仕上げてきたのは、りっぱの一言だと思う。後半のミスは、Mizumizuの指摘していた「大技を入れるとはまる失敗のパターン」そのものだった。

まず、これまで不毛なまでにダウングレードされていた後半の3連続。「むしろフリップ単独にしたほうがいい」と書いてきた部分だ。ここは大きな得点源なのだが、ほとんど常に問題があった。4大陸では解決したのだが、本番五輪でまた出てしまった。

最初のフリップジャンプが回転が足りずに、すぐに連続にもっていけなかった。さらに、「いつもなら難なく跳べる3トゥループ」のところで、ブレードが氷に引っかかるという信じられないミス。これは、東京のファイナルでの高橋選手のフリーで、ルッツに入っていくときにブレードのかかとを引っ掛けてしまったのと同じ現象だ。体力を消耗していると起こりやすい。

だが、これはあくまで結果論であって、後半のジャンプを単独フリップとダブルアクセルのシーケンスにしていたら、「構成を替えたときに起こるミス」が出たかもしれない。ジャンプのミスはあったが、全体としてはよい演技だったと思う。

トリプルアクセル2度認定は快挙。ただし、連続にしたときのトリプルアクセルはスローで見たら降りてからブレードが回っているように見えた。全日本のような厳しい基準だったらダウングレードを取られたかも知れない。同様にキム・ヨナ選手の2A+3Tのセカンドの3Tは、トレース痕が渦巻きに近く、あれは回転が不足気味のときに起こる現象だ。もちろん、こちらも取られていない。

キム・ヨナ選手は、プログラムをスカスカにしてジャンプを全部決める作戦が功を奏した。体力不足で後半見劣りがするという、これまでの傾向を克服し、すべてのジャンプをきれいに着氷させた。キム選手のスケーティングの最大の長所である、ストロークの伸びが光った、素晴らしい演技だった。

キム選手のジャンプの強さは、セカンドに3回転をもってこれること。そして、成功率が驚異的なこと。もちろんこの背後には、浅田選手からセカンドの3ループが厳しいダウングレード判定によって「奪われ」、しかもキム選手はダウングレード攻撃に、「なぜか」遭わなかったことがあるかもしれない。だがそれを割り引いても、ジュニア時代からジャンプが難しくなる19歳まで、セカンドに3回転の入る連続ジャンプがこれほど決まる選手はめったにいない。

このプログラムにこれほどの演技構成点が出るのに、ウィアー選手のフリーに点が出ないのは、本当に不思議だ。つまり、ウィアー選手のプログラムには、キム選手のプログラムと同様の長所と短所があるからだ。要所要所での、ポーズ中心の「ちょっとした踊り(といえるかどうかはともかく)」と感情表現。ジャンプを決めるための運動量の少ない省エネ型の構成。選手自身の個性に合った個性的な味つけ。キム選手のほうが、肩でリズムを捉えることができる分、多少表現に幅があるかもしれないが。あ、ジャッジが違うせいですね、はいはい。

今回のオリンピックは、とにかく点の出方が異常だった。いや、異常というには「正常」の基準がなくてはならない。昨シーズンのロスの選手権で、Mizumizuは、「『パンドラの箱』が開いてしまった以上、異常が常態化し、異常ではなくなる」と書いたが、その通りになった。というより、むしろ予想をはるかに上回る露骨な恣意的採点がなされるようになった。

それ以前に慣習的にあった「正常」の基準がなくなった今シーズン、あちこちで出てくる「わけわからない」高得点は、まさにパンドラの箱があいたあとのカオスの世界。あちこちで上がる「発狂花火」。加点と演技構成点のマジックでどんどん点は上積みできる。

こうした現象を見たときに、ファンの心に沸き起こる感情というのは、だいたい共通している。つまり、「贔屓選手の高得点なら納得できるが、贔屓でない選手の高得点は納得できない」。言い換えると、「好きな選手の高得点なら妥当に見えるが、嫌いな選手の高得点は不当に見える」。

今回の五輪、女子のフリーの演技が進行している間に、解説の八木沼さんが、「いったいどこまで点が出るのか・・・」と驚いていた。これまでの「だいたいの目安」が何の役にも立たない。どうやって出てくる点を説明していいのか、もはや処置なし。

だが、この異変の「前触れ」は、男子のショート、高橋選手の演技で起こったと思う。最初に滑ったのは、4回転+3回転をもってくるプルシェンコ。ノーミスで滑って出てきた点数が90.85点。

金メダルを目指す高橋選手にとっては、ショートでなんとかプルシェンコ選手に「離されない」ことが、目標だったハズだ。高橋選手のジャンプは3回転+3回転。これまでの感覚で言えば、「プルシェンコと5点差以内ぐらいなら・・・」という希望が「なんとなく」あったと思う。

ダウングレードがいかに厳しく、それが選手にとっていかに致命的か知っているファンは、最初の高橋選手の連続ジャンプで、解説の本田コーチが、

「今、一瞬詰まりましたね・・・回転不足、取られないといいのですが(←完全にビビり声)」

と言ったとき、本田コーチの心配がよくわかったハズだ。

ダウングレードに敏感でないファンは、「は? 普通に回って降りてるでしょ? 何を過剰に心配してるの?」と、理解できなかったと思う。

本田武史は、日本が生んだ最高のジャンパーだ。少し回転が足りないときに、着氷がどうなるか体で知っている。高橋選手の連続ジャンプがきれいに流れず、一瞬流れが止まったのを、肉眼で見分けているのはさすがとしか言いようがない。

ショートを終えた高橋選手はガッツポーズ。自分のジャンプが「もしかしてダウングレードかも」とは、まったく気づいていないようだった。(おそらく、フリーでも、ダウングレードを取られたジャンプは、自分では「ちょっと詰まったがちゃんと回った」つもりだったと思う。実際には、あのダウングレードで実質5点近く失い、4回転が決まっていない高橋選手には非常に痛かったのだが。点が意外に低かったことに高橋選手自身が驚いていたのは、ダウングレードされたかもという意識がなかったせいではないか)。

だが、本田コーチとダウングレードについて知識のある担当のアナウンサー、それにルールに詳しいファンは、ショートの得点が出る間、ドキドキだったと思う。

スローで高橋選手の連続ジャンプが大写しになったとき、Mizumizuは頭を抱えてしまった。確かに、ダウングレードを取られるかもしれない降り方だったからだ。

「ブレードのつま先がついたときに少し回っただけなのか、ブレードが降りてから回ったのか?」。前者だと判断されればたぶんセーフ。後者だと見なされればアウト。いや、本当は「4分の1以上の不足」ならダウングレードという規定があるのだが、実際には、たとえばカナダ在住の日本人スペシャリスト天野氏のように、「ダウングレード取りまくり」のジャッジもいるし、そもそも「4分の1」たって、定規を当てて図るわけにもいかないから、所詮は曖昧なのだ。

東京のファイナルまでは、ダウングレード判定は確かに、「やりすぎでは?」というくらい厳しかった。キム選手のショートのセカンドの3回転が「ついに」ダウングレードになったのがいい例だろう。本当のところ、最初のフランス大会のキム選手の3ルッツ+3トゥループの3トゥループのほうが、ずっと不足ジャンプに見えたのだが、あちらはダウングレードされるどころか、GOEでめいっぱい加点がついた。

高橋選手がショートの連続ジャンプでダウングレードを取られるということは、3回転+3回転が3回転+2回転になってしまうということだ。4回転+3回転をもってくる選手もいるなか、3+3で来る高橋選手が3+2ということになれば、その時点で金メダル・・・いや、メダルが消える。

ところが出てきた点は、「驚くぐらい高かった」。プルシェンコ選手とあまりの僅差。佐野稔さんが、「思ったより点が伸びましたね」と言っていたが、本当にそれしかいいようがない。もちろん、日本中大喜び。プロトコルを見れば、別に変ではない。ちゃんと筋は通っている。だが、この点が「変」なのは、選手にはよくわかっていたと思う。

男子のトップジャンパーが、ショートにリスクのある4+3をもってくるのはなぜか? ショートで3+3しかない選手にできるだけ差をつけるためだ。ジュベール選手はその典型で、ショートの4+3でできるだけ差をつけ、フリーで逃げ切るというパターンで勝ってきた。

ところがショートでは、ジャンプ鉄壁・最強のプルシェンコに高橋大輔が迫っている。理解できないこの点の出方が、4回転ジャンパーの動揺を誘って、そのあとの連鎖的な自爆を誘った可能性もあると思う。

高橋選手と対照的に、「ノーミスに見えてるのに、えらく点が出ないトップ選手」がいた。それがウィアー選手だったと思う。

2人のプロトコルを見れば、エレメンツのちょっとした差がトータルの8.15点差になったことがわかる。レベル認定と加点。ウィアー選手はフリップでエッジ違反を取られるので、そこで減点。あとはスピンとステップのレベル認定と加点の差。

だが、ウィアー選手と高橋選手に8点も差が開いたことに、Mizumizuは本当に驚いたのだ。

さらに驚いたのはフリーの点が出たときだった。ウィアー選手の滑走順は、高橋選手の直後。高橋選手の大きなミスは、
1)4Tの転倒。
2)後半の3+3のジャンプがクリーンに流れなかったこと。
3)スピンでグラッとしたこと。

逆に目立ったのは、後半のトリプルアクセルの見事さ。アナウンサーもここが大事なジャンプと知っていて、「決めてくれ!」と思わず力が入っていた。高橋選手を常に救っているのは、このトリプルアクセルの強さだ。実際、見事な放物線を描くジャンプで、完璧に降りてきた。

続くウィアー選手の大きなミスは
1)スピンでカタチが崩れたこと

これだけだ。ジャンプは全部クリーンに決めた。ミスの出やすいトリプルアクセルは前半に固め、そのかわり後半にルッツ+2トゥループの連続ジャンプを2つ入れた。ウィアー選手は連続ジャンプが3つ入らないこともある。連続ジャンプを入れてちょっとでもミスると、むしろ単独のほうが点が出るという、今の変な採点を警戒してのものだと思う。

徹底的にミスなしでまとめるウィアー選手だが、シーズン中も思ったほど点が伸びなかった。もし、ジャンプミスのないクリーンな演技を高く評価するのが、今の採点傾向であるというなら、このウィアー選手の低い得点は説明がつかない。

今回は連続ジャンプを3つにして、彼は彼なりにリスクを取ったのだ。今だから言ってしまうが、ウィアー選手がクリーンに滑り終わったとき、Mizumizuは、「あ〜、高橋選手は負けた。またメダルまでもう一歩の4位か」と内心思ったのだ。

ところが、出てきた点は印象とは違ってえらく低い。なんとトリプルアクセルでコケてるチャンより下? 

信じられない。

ウィアー選手を例に挙げるのは、彼がMizumizuの贔屓の選手ではないからだ。ウィアー選手のもっとも目立つ欠点は、運動量の少なさ。とにかく、省エネでプログラム全体をまとめようとする。エッジも深くなく、スケートも技術もさほど見るべき点がない。棒立ちのままポーズを決めて、「華麗」に手を動かすのだが、以前のようなフリーレッグを高く持ち上げて長くキープするといった、体力を使うがエレガントな雰囲気を出す振付が消えて、キム選手のようなお色気路線になってしまった。



<明日に続く>































最終更新日時 2010年3月1日 2時1分43秒
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