MLB:ヤ軍・朴賛浩、日章旗をめぐるエピソード公開

 朴賛浩(パク・チャンホ)は1994年にドジャースのマイナーリーグからスタートし、今年で米国生活17年目だが、韓国人であるということに高い誇りを持つ選手として有名だ。その朴賛浩が、キム・ヨナをはじめとするバンクーバー冬季五輪での韓国人選手の快挙を契機に、これまで話したことのないエピソードを公開した。

 2006年第1回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の第2ラウンド3回戦で韓国が日本に勝利後、徐在応(ソ・ジェウン)がマウンドに太極旗を立てたシーンは、朴賛浩ばかりでなく、韓国国民を感動させた。

 昨年3月の第2回WBCの際、朴賛浩はフィリーズの春季キャンプに参加していた。朴賛浩は、韓国が決勝戦に進出したことから、自身のロッカーに太極旗を数十枚貼付した。ところが日本に敗戦した翌日、自身のロッカーには太極旗の代わりに日章旗が貼付されていた。朴賛浩は激怒し、日章旗をゴミ箱に破り捨てたという。ロッカールームは険悪なムードとなり、チームメートは朴賛浩のそばに近寄らなかったという。

 朴賛浩は「後で日本人トレーナーがやって来て、“いたずらでやった”と謝罪した。日章旗が問題だったのではなく、日本に敗れたのが腹が立ってやった、と笑って済ませた」と振り返った。

 朴賛浩は「米国に来たばかりのころ、多くの差別を受けた。当時は英語が下手だったこともあって、そうだったのだろうと思う。韓国をアピールし、バカにされたことも多かった。韓国をアピールしたかったが、当時はこれといって自慢するものがなかった。ロッカールームのテレビがサムスン製だったため、それを自慢したりもした。あるときは、ロッカールームの爪切りに“メード・イン・コリア”と書いてあったため、それを持ち歩いてチームメートに自慢したこともある」と語った。

 だが今は、キム・ヨナをはじめ、バンクーバー五輪での韓国人選手の快挙を自慢することが多くなった。

 朴賛浩は本紙とのインタビュー(3月2日付)で、キム・ヨナの競技を見て2度も涙を流したことを打ち明けた。自身のホームページには、「ヨナの涙が植え付けてくれた誇りと勇気」という書き込みを掲載した。朴賛浩は2日(韓国時間)、春季キャンプの練習の様子のほか、バンクーバー五輪フィギュアスケート女子シングルでキム・ヨナの競技を見た感想を綴った。「若い選手がすごいプレッシャーの中で優勝するのを見て、僕自身が恥ずかしく感じた。あるときはプレッシャーを感じることを恨めしく思っていた。今考えると、本当に恥ずかしいこと。どうもキム・ヨナ選手は、わたしたちの願いが大きな力になるということを分かっているようだ」

フロリダ州タンパ=シン・チャンボム記者

スポーツ朝鮮/朝鮮日報日本語版

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