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本

『いんちきおもちゃ大図鑑』に見るアジア各国のガチすぎる「コレジャナイ」度



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『いんちきおもちゃ大図鑑―中国・
香港・台湾・韓国のアヤシイ玩具
(著:いんちき番長、加藤アングラ /
社会評論社刊)

「コレジャナイロボ」という玩具をご存じだろうか。

 親が買ってきた、本物とは微妙に違うロボットの玩具をイメージしたというその商品は、ノスタルジックな感情を呼び起こすアイテムとして、ちょっとしたヒット商品となった。

 自分もコレジャナイロボを見て、「確かにコレジャナイよなぁ」と思ったわけだが、その意味合いとしては「『いんちきおもちゃ』としては、コレではちょっと小奇麗にまとまりすぎてるんジャナイ?」という具合だ。

 僕たちが幼い頃に親から与えられた本当のコレジャナイロボは、もっとフリーダムで、夢いっぱいというにはあまりにグロテスクであり、ロボットの足の裏には「MADE IN CHINA」という、まだ見ぬアジアの底知れなさを感じさせるワードが刻印されている。そんな存在だったはずだ。

 そのアジアに潜む、本場モンのコレジャナイロボを思う存分堪能できるのが、『いんちきおもちゃ大図鑑』である。本書には、和製コレジャナイロボがどこかに置き忘れてしまった、何とも言えないいかがわしさと天然のユルさに満ち満ちた「いんちきおもちゃ」がてんこ盛りだ。

 一例を挙げると、

「一見ドラ○もん。しかし、いきなり顔面が真ん中から左右に割れて、空飛ぶ象ことダ○ボの顔になる」という、一体だれが喜ぶのか分からない、子どもならトラウマ必至の変形ギミックを搭載している人形。「トラン○フォーマーよろしく、電車形態から変形して巨大ロボットに合体する3体の機関車トー○ス」という、悪い冗談にしか思えないロボット。これが中途半端にカッコいいもんだから、なお始末に負えない。

 しまいには「リアルなウルト○マンが、天安門広場前で大量に見かけるような典型的な中国チャリにまたがり、演歌を流しながら疾走する」という、一発強烈なヤツをキメてから企画したとしか思えないレアなおもちゃまで存在する。

 だが、これらこそアジアのおもちゃ工場のおじさん達の、「どう組み合わせたら、ギリギリ怒られない程度に著作権をパスできるだろう」というアジア特有のユルくてちょっぴり後ろ向きな著作権意識と、「ありものの玩具を用いて、どこまで俺のアイデアを盛り込めるか」というおもちゃ職人魂のせめぎ合いが生んだ奇跡のコラボレーションに違いない。

おもちゃ職人A 「このウルト○マンの人形と自転車のおもちゃを使って、どう子どもたちを喜ばせればいいんだ!」
おもちゃ職人B 「待て! ウルト○マンを自転車に乗せて......、演歌を流せば......どうだ?」
おもちゃ職人A「......これなら......、いける!!」

 こうして考えてみると、ちょっとした『プロジェクトX』(NHK)である。いや、全部筆者の妄想だけど。

 おまけに、きっとこんなドラマなんてあるはずもない。なぜなら、どうしようもない投げやり感しか「いんちきおもちゃ」からは感じられないからだ。

 それでも、ついつい本書を何度も開いて「いんちきおもちゃ」を眺めてしまうのは、どこかでその投げやりな感じに救われているからなんだろう。

 何だか殺伐とした雰囲気に包まれている現代日本。日々神経をすり減らし続けている我々に対して、誰と競争するでもなく、適当にでっち上げたやる気のない商品でも、なんとなく市場に流通して、それなりに売りものとして成立している「いんちきおもちゃ」たちは、「別にそんなにがんばらなくてもいいんじゃない。それなりのものでも、それなりに必要とされるっぽいよ」というユルいメッセージを我々に発しているのかもしれない。

 まあ、これも筆者の妄想なんだけど。
(文=有田シュン)


いんちきおもちゃ大図鑑―中国・香港・台湾・韓国のアヤシイ玩具


憎めないんだな


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2009.11.12 木   はてなブックマーク BuzzurlにブックマークBuzzurlにブックマーク livedoor クリップ みんトピに投稿 newsing it! この記事をChoix! 友達に知らせる Twitter