
2010年度予算案が衆院で可決されたので、年度内成立が確定した。当初、与党内にさまざまな問題を抱えていたので、国会運営は難航するかと思われていた。しかし敵失にも関わらず、「野党馴れ」していない自民党は自らの支持率も下げたあげく、与党国対を容易にしてしまった。問題のある予算をすんなり通してしまったのである。いくら自民党が声高に「亡国予算」であるとか叫んでも、誰の耳にも届かない。スキャンダルまみれの民主党に抵抗する絶好の機会なのに、自民党の分裂の危機がまじかに迫っており、戦う以前の問題として、刃こぼれ(党離脱)のなまくら刀で戦しようとすること自体、無理なのである。しかし問題は自民党の右往左往にだけあるのではない。自民党に戦意喪失させた原因は公明党の動きにあったのだ。

じつは民主党の水面下での小沢工作が実りつつあり、さすがにとろいマスコミも今頃かぎつけた。小沢一郎と創価学会・秋谷栄之助とは細川内閣の時からのつきあいで、そのとき、そのときの趨勢で距離が近かったり、離れたりしながらも縁は深い。ご存知のように小沢は自自公のときでも「公明党」は眼中にない。彼が付き合っているのは「創価学会」の集票能力だけである。もちろん秋谷を通して、池田大作の政権癒着への角度(傾斜度)を測るためである。今回自民党の審議拒否がすぐに腰砕けになったのも、友党・公明党の非協調があったからだ。しかも話は思っているほど、単純ではない。が、秋谷も面従腹背で今日の会長職を得ており、小沢も彼を落とせば池田が落とせるとも思っていない。互いに懐に匕首を忍ばせながら、握手をする丁々発止の長い付き合いである。その小沢は予算通過の前日、わざとマスコミにネタを提供するように、秋谷に会いに行っている。そして翌日、全員出席の国会で予算が確定したのだ。これが自民に対する恫喝だけでなく創価学会、いや池田大作への謀略でなくてなんであろうか。また小沢の”けれん”技が始まった。
公明党の大田代表に刺客を向けて抹殺し、買値を下げようとする小沢と、どうせ選挙協力するなら自分を少しでも高く売ろうとする創価学会との戦いこそが参院選の主戦場である。ゼネコン、マザコン、組合依存はすでに小沢民主の弱点ではない。戦に勝つためには親(「企業団体献金禁止」)も斬り捨てるのが軍師・小沢である。彼の画策に注目するしかない。よくしくじるけれども。ちなみに「民主・七奉行」が束になってかかっても、戦(いくさ)では小沢にかなわない。小沢の計略には凄みがあるのだ。よくも悪くも自民党政権に風穴を開けたのは、細川政権と鳩山政権しかなく、いずれも小沢なくしてはありえなかったのは事実である。
残念ながらそれを一番よく知ってのが、鳩山由起夫である。池田大作の「でぇじん(大臣)」病は野党に転落して限界に達している。それをなだめ、すかし、持ち上げる役目を秋谷にやらせる工作が功を奏するか、陰謀策士・小沢一郎の起死回生の仕掛けが、どうなるか。それが予算の通った後の政治の焦点になりそうだ。
しかし何度策に溺れても、めげない人生はうらやましい限りである。雀百まで踊り忘れず。踊る阿呆に視る阿呆。政治家もマスコミもよく飽きないものだなぁ。
昨日、Kaetzchen 氏のブログを拝見。ブログという世界の多様性に触れて良い勉強になりました。彼のブログに登場する猫に取り付いた蚤の卵の心境を味わいました。