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トヨタ:2月の米新車販売8.7%減 「独り負け」状態に

主要メーカー別米新車販売台数増減率の推移 ※前年同月比
主要メーカー別米新車販売台数増減率の推移 ※前年同月比

 【ワシントン斉藤信宏、米川直己】トヨタ自動車の大規模リコール(回収・無償修理)による経営への影響が顕著になってきた。2日まとまった2月の米新車販売台数は前年同月比8.7%減と、ライバルが軒並み販売を伸ばす中で、「独り負け」状態に陥った。また、2日の上院公聴会では、出席したトヨタ幹部3人が改善策などを説明したが、議会側の疑念はぬぐい切れなかった。問題が長期化すれば、消費者の「トヨタ離れ」がさらに進む可能性もあり、トヨタが苦境から脱する道はまだ見えない。

 米調査会社オートデータが2日まとめた2月の米新車販売台数によると、トヨタの販売台数は前年同月比8.7%減の10万27台と2カ月連続の減少。2月の販売台数としては、98年以来12年ぶりの低水準となった。また、市場シェアは、前月の14.1%から12.8%に下がり、05年7月以来、4年7カ月ぶりの低水準となった。大規模リコールに加えて、対象車となった「カローラ」「カムリ」など主力8車種の販売を一時的に停止したことも販売減少に拍車をかけた。

 業界全体の販売台数は前年同月比13.3%増の78万265台と1月(6.3%増)からの回復基調を継続。昨年11月から4カ月連続の増加となり、市場の底打ちを改めて裏付けた。トヨタの減少分を吸収する形で米自動車大手フォード・モーターが同43.5%増の13万7365台(欧州ブランド車を除く)と4割超の大幅増となり、シェア首位のゼネラル・モーターズ(GM)の14万1438台(同12.7%増)に肉薄した。クライスラーは同0.5%増の8万4449台だった。

 トヨタ以外の日本勢では、ホンダが同12.7%増の8万671台と大幅に伸ばしたほか、日産自動車も同29.4%増の7万189台と5カ月連続増で好調を維持。「スバル」ブランドの富士重工業は同38.3%増の1万8098台と、09年6月以来9カ月連続増だった。また、急成長している韓国・現代自動車も同11.0%増の3万4004台と8カ月連続の増加となった。

 大規模リコールに伴う販売不振に苦しむトヨタは、新車購入者に対し、期間5年のゼロ金利ローンを提供するなど巻き返しに必死だが、需要の早期回復は見込めそうにないのが現実だ。

毎日新聞 2010年3月3日 10時54分(最終更新 3月3日 12時57分)

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