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「特捜なめるな」署名迫る 厚労省文書偽造事件 '10/3/4

 厚生労働省の文書偽造事件で、虚偽有印公文書作成・同行使罪に問われた元同省局長村木厚子むらき・あつこ被告(54)=休職中=の公判が3日、大阪地裁(横田信之よこた・のぶゆき裁判長)であり、元同省課長補佐(61)=退職=が村木被告の関与を否定し「記憶になかったが、検事から『特捜なめるなよ』と何度も言われ、やむなく供述調書に署名した」と証言した。

 この事件の公判では出廷した証人が次々と調書の内容を否定。村木被告は大阪地検特捜部に逮捕されて以来、一貫して無罪を主張している。

 元課長補佐は村木被告の隣の席に座っていた当時の部下。捜査段階では、実体のない「りんの会」を障害者団体と認める証明書の発行について「『民主党参院議員の石井一氏から紹介を受けた案件だ』と村木被告から説明を受けた」とする調書に署名していた。

 この日の尋問では「記憶にないと一貫して言い続けたが、検事から『1泊でも2泊でもしていくか』と大声で言われた」と取り調べの状況を批判。「ほかの同僚が認めているとも言われ、署名した」と振り返った。

 さらに「凜の会側がわたしの名刺を持っていたとも言われたが、最近の検察側との打ち合わせで、存在しないことが分かった」と打ち明けた。

 取り調べを担当した検事をめぐっては、村木被告の上司(58)の取り調べでも存在しない電話の交信記録があるように装っていたことが判明。この検事は3月中旬の公判に証人として出廷する。

 弁護側は元課長補佐の証人尋問に先立ち、元同省係長上村勉かみむら・つとむ被告(40)=休職中=の「被疑者ノート」を証拠請求。検察側は証拠として同意するかどうかの意見を留保した。

 公判は4日もあり、石井氏が証人として出廷する。




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