田母神氏に出席見合わせ要請　防衛省、統幕学校卒業式で

　防衛省の統合幕僚学校（東京）が５日に開く卒業式に歴代学校長経験者として、歴史認識に関する論文問題で航空幕僚長を更迭された田母神俊雄氏を招待したが、その後、出席を見合わせるよう要請していたことが３日、分かった。

　統幕学校側は一連の問題を踏まえ、田母神氏の出席は「不適切」と判断、招待を事実上撤回したとみられる。一方、出席の意向を示していた同氏は自身のブログで「『（同氏が）出席するのであれば、防衛省関係者は一切卒業式に出席しない』と防衛省が統幕学校に連絡した」と“暴露”し、反発している。

　１佐を中心とする高級幹部が約半年間、防衛政策や自衛隊の統合運用の在り方などを学ぶ「統合高級課程」の卒業式で、歴代学校長経験者を招待するのが慣例という。

　田母神氏は空幕長だった０８年１０月、民間企業主催の懸賞論文で「わが国が侵略国家だったなどというのはまさにぬれぎぬ」と主張。政府見解を否定したとして更迭された。