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JAL経営合理化でバスケ部廃部

 廃部発表の記者会見に臨む日本航空バスケットボール部の(左から)岩村裕美主将、荒順一監督ら=東京都渋谷区の岸記念体育会館
 廃部発表の記者会見に臨む日本航空バスケットボール部の(左から)岩村裕美主将、荒順一監督ら=東京都渋谷区の岸記念体育会館

 経営破綻(はたん)し再建中の日本航空は2日、女子の国内トップリーグ、Wリーグに所属するバスケットボール部「JALラビッツ」を、10月開幕の2010〜11年シーズン限りで廃部にすると発表した。ラビッツは選手に現役の客室乗務員(CA)がいることでも知られ、08年には女優の石原さとみの主演で公開された映画「フライング☆ラビッツ」の題材となった。経営合理化策の一環で、バスケ界の名門が姿を消す。

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 来季で廃部の決定は2日朝に決定し、その後選手たちに告げられたという。東京都内で記者会見した荒順一監督は「与えられた1年で会社に恩返しをしないといけない」と語った。

 Wリーグ1チーム運営に必要な費用は、年間1億円弱の人件費と、地方開催の試合ごとにかかる約100万円の遠征費とされる。ラビッツは全国各地で年間20回ほどのバスケット教室を開催。「運営費に見合う営業効果は出してきた」(渡辺智・バスケットボール部部長)が、政府主導で再建を進め、世間からも厳しい目を向けられる中、存続はかなわなかった。

 来季はチームの運営経費を約20%カットし、選手数も今季の16人から12人に減らす。チーム全体で譲渡先を探すのかなど各選手やWリーグと協議した上で決めるという。

 今季のラビッツはレギュラーリーグ4位で4季ぶりにプレーオフに進出。得点王にも輝いた岩村裕美主将は「正直残念な気持ちもあるけど、あと1年できることに感謝したい。バスケットと客室乗務員という二つのことをやらせてもらい、やってきたことを誇りに思う」と前向きに語った。

 日本航空は、兼子勲元社長が2005年まで日本バスケットボール協会会長を務めるなど、バスケット界とのつながりが強かった。1967年に同好会として始まった部は、会社の創業30周年の81年に「JALラビッツ」として活動を本格化。85年にWリーグの前身となる日本リーグ1部に初昇格。2000年以降は強豪の一角を担い、Wリーグでは準優勝が3度ある。05年の全日本総合選手権では優勝した。

(2010年3月4日)
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