視点・論点
2010年02月08日 (月)視点・論点 「報道の自由と取材源」
一橋大学名誉教授 堀部政男
民主主義社会におきましては、自らが表現したいと考えることを自由に発信できることが当然であると考えられています。このことは、一般的には「表現の自由」、新聞、雑誌、放送などの報道機関の場合には「報道の自由」などと呼ばれています。表現の自由・報道の自由は、伝統的には、国などの公的な機関、公権力がその自由を奪ってはならない、制限してはならないという意味で使われます。私たち市民は、今日では、理念的には、インターネットなどを通して情報を自由に発信し、また受信することができます。また、新聞、雑誌、放送などの報道機関もインターネットを大いに使っています。
このことを保障しているのが、日本では、憲法第21条です。
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2010年02月03日 (水)視点・論点 「アフガニスタン支援国際会議」
日本エネルギー経済研究所理事 田中浩一郎
【導入】
アフガニスタンは、この数年間、タリバンなどの武装勢力によって治安が脅かされ、そのために復興事業の展開もままならず、混迷を続けてきました。ことしはそのアフガニスタンにとって、決定的に重要な年になると言われています。そのアフガニスタンに関して、1月下旬にイギリスでアフガニスタン支援に関する国際会議が開催されました。きょうはこの国際会議での協議と合意を材料に、国際社会のアフガニスタンへの取り組みと、アフガニスタンの今後について考えてみました。
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2010年02月02日 (火)視点・論点 「オバマ大統領の電子政府」
政治アナリスト 横江公美
アメリカの大統領に、バラク・オバマ氏が就任してから1年が経ちました。オバマ大統領は、インターネットの活用によって、選挙のあり方を変えただけではなく、政権運営でもネットを積極的に活用しています。今日は、オバマ大統領がインターネットを使ってどんな政権運営をしているのか、いわゆる電子政府としてのオバマ政権について考えてみましょう。
オバマ大統領が目指す電子政府のキーワードは、「オープン・ガバメント」、開かれた政府と「新しい産業の創設」です。つまり、政治に対する信頼と景気の回復のために、電子政府をつかっているのです。
オバマ大統領は、就任1年目の一般教書演説で、政府が運営するウェブサイトについて触れました。ホワイトハウスのウェブサイトでは、誰が、ホワイトハウスを訪問したかについてまで掲載し、国民に情報を開示していると説明しました。そして、すべての連邦議員は自分の利益につながる予算要求について、ネット上に公開すべきだと主張しました。
このオバマ大統領の一般教書演説自体も、ホワイトハウスのウェブサイトを通じて、生放送で伝えられました。そして、演説が終わるとすぐに、演説の原稿が掲載されました。つまり、アメリカにいなくても、世界中の人がオバマ大統領の一般教書演説を聞き、読むことができるようになったのです。この模様は、いまでも、ウェブサイトにアクセスすれば、動画として見ることができます。
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2010年01月29日 (金)視点・論点 「グーグル vs 中国」
ジャーナリスト 佐々木俊尚
グーグルが、中国政府の要請でこれまで行っていた検索エンジンの検閲を、停止すると発表しました。これはグーグルの電子メールサービスに、中国から大規模なサイバー攻撃を仕掛けられたことからとられた措置です。
グーグルが発表した内容によりますと、昨年12月中旬に中国国内からグーグルに対して非常に洗練された手法を使った大規模なサイバー攻撃が行われました。攻撃のターゲットとなったのは中国の人権活動家が使っているメールアドレスで、2つのIDが乗っ取られてメールのタイトルなどが盗み見られたといいます。またこの同じ時期、グーグルだけでなくアメリカ国内の20社以上の大企業に対しても同様の攻撃が仕掛けられ、ソフト開発企業が社外秘にしている製品の設計図などが狙われたそうです。
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2010年01月28日 (木)視点・論点 「著作権の時代に」
弁護士 福井建策
先日私は「著作権の世紀」という新書を刊行しましたが、その中で「擬似著作権」という言葉を紹介いたしました。
著作権じたいについては、皆さんご存じでしょう。音楽、映画、小説などの著作物について、それを創作した人に与えられる独占管理権のことです。
情報化社会の進展の中で、著作権は今、かつてないほど注目を集めています。
人の顔写真などの風貌は、著作物ではありませんが、同じように肖像権という権利が認められて、一定程度、本人が独占管理できます。
著作物や人の肖像などの、広く情報に及ぶ権利を、知的財産権といいます。
これらは法的に認められた、正当な権利です。
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2010年01月27日 (水)視点・論点 「子どもの貧困白書から」
立教大学教授 湯澤直美
■本日のテーマは、「子どもの貧困」です。まず、ある国の子ども達の状況を示す数字をご紹介しましょう。その国では、14.2%、およそ7人に1人の子どもが「貧困」という状態のなかで暮らしています。また、そのうち、ひとり親家庭をとりあげてみると54.3%、つまり、2人に1人以上の子どもたちが貧困に該当する状況で暮らしています。その国とは、私たちが生きているこの日本のことです。この相対的貧困率を示す数字は、昨年10月と11月に政府が初めて公表したものです。7人に1人、つまり約300万人の18歳未満の子ども達が貧困にさらされていることが公的に確認されたのです。
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2010年01月26日 (火)視点・論点 「夕張市はいま」
夕張地域史研究資料調査室 青木隆夫
4年前に地域経営の失敗から財政再建団体となった夕張市ですが、
今年は、再建団体として4年目を迎える他に、新しい法制の下で「財政再生団体」への移行も予定されて、地域の再建・再生に向けた取り組みが続けられています。
この3年間は、財政破綻をきっかけとした夕張報道の過熱によって、地域の現実がややも実態と異なるイメージとして定着した感は拭えませんでした。
当初、この問題に対して地域の現状が十分理解されないままにメディアが競い合い、ややも冷静さに欠ける、一面的な夕張報道が続けられたといっても過言ではないような気もいたします。ただ、その時の「夕張」という言葉には、市町村が抱える財政状況にもスポットを当て、地方の自治体運営を敏感ならしめたことは、その後の「夕張ショック」「夕張問題」という表現によく現されているようにも思います。
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2010年01月25日 (月)視点・論点 「日米安保改定50年」
京都大学教授 中西寛
去る1月19日は現在の日米安保条約が署名されて50年目に当たりました。この日を記念して両国政府は「日米同盟は、過去半世紀にわたり、日米両国の安全と繁栄の基盤として機能してき」たと高く評価する共同宣言を発表しました。同じ日、鳩山首相とオバマ大統領もそれぞれ声明を発し、鳩山首相は「日米安保条約に基づく米軍のプレゼンスは、いわば公共財」と述べたのに対し、オバマ大統領も「日本の安全保障に対する米国の関与は揺るがない」と応じました。
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2010年01月22日 (金)視点・論点 「オバマ大統領の1年と今後」
東京大学教授 久保文明
アメリカのオバマ政権は今週1月20日で発足1年を迎えました。本日はこの1年の成果を検討し、今後を展望してみたいと思います。
まず、世論はどのようにオバマ大統領を評価しているかをみてみたいと思います。最新のワシントンポスト=ABCニュースの世論調査によりますと、支持する人53%、支持しない人44%であります。現在、アメリカが「国として悪い方向に向かって進んでいる」と見る人は62%に上っています。これらの動きにつきましては、こちらのパターンをご覧ください。支持率が下がってきた様子がよくみてとれます。また、国の進路について悲観的な見方をする人も、昨年4月を境に増えてきています。
支持率の動きを、人種や支持政党、あるいは年齢に分けてみたのが、こちらのパターンであります。黒人、民主党支持者が依然として強くオバマ大統領を支持しているのに対し、無党派層、白人、高齢者層、そして共和党支持者の支持が落ち込んでいるのがよくわかります。また、アメリカの政治は相変わらず分極化したままのようです。
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2010年01月21日 (木)視点・論点 「オバマ大統領と米国経済」
みずほ総研シニアエコノミスト 小野亮
未曾有の金融危機と景気悪化に直面した、アメリカ国民の期待を一身に受けながら、オバマ大統領が就任してから1年が経ちました。オバマ大統領は、アメリカ経済の建て直しにどのように取り組み、また、どのような課題が残っているのでしょうか。今夜は、オバマ大統領とアメリカ経済というテーマで、お話したいと思います。
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