「ノーザントラスト・オープン」2日目が先ほど開始。石川遼がどこまで上位争いに食い込めるかが楽しみではあるのですが、先日から続いているPing Eye 2ウェッジ問題で新たな展開がありました。
先週の大会でPing Eye 2ウェッジを使ったとして「いかさま」呼ばわりされていたフィル・ミケルソン。彼が20年前以上のウェッジを使ったのにはもっと深い理由があったようです。
これには小生、1本取られました。完全にツラれました。
【PingEye2問題関連】
・マッキロイ提言「グリーン硬くしてラフ伸ばせばいいんじゃない・・・」
・ストリッカー「こんなことで騒いでいる場合ではない」
・ピン会長「現実的な解決策、前向きに話し合ってもいい」
・ピン会長、「現実的な解決策、前向きに話し合ってもいい」
・PGAツアー、「Ping Eye 2使用の批判は不適切」
・シンクのぼやき「俺も使っちゃおうかなぁ~・・・」
・ミケルソンのクラブセッティング(PingEye2ウェッジ入り)
・ミケルソン、名誉棄損で訴訟?!
・今田竜二、「『いんちき』ではない、でも・・・」
・マッキャロン「ミケルソンの使用は『いんちき』」
・Ping Eye2ウェッジ使用を巡る賛否両論
photo: zimbio.com
ノーザントラスト・オープン開幕前夜。先週使用していたとして波紋を呼んだPing Eye 2ウェッジを今週から使わないことを表明したのです。
その理由は次の通り。
「(今週は)あのウェッジは使わない。言いたかったことは伝わったはず。それでも、もし運営(施行)団体が話し合ってこの抜け穴を修復できないのであれば、そしてもし他の選手たちが使うの止めてしまい圧力がかからなくなったら、俺は再びあのウェッジをバッグに入れて使うことになるだろう」
このコメントだけでは分かりにくいかもしれません。
そもそも、なぜミケルソンはPing Eye 2のウェッジを使っていたのか・・・。それはウェッジのスピン性でのアドバンテージを得るためではなかったのです。この日、ミケルソンはピン社でもPGAツアーでもなく、今回の溝ルールを安易に作り上げてしまったUSGAに向けていました。
ミケルソン曰く、以前に新規定に沿ったウェッジを使っても良いかお伺いをたてたところ、USGA側は「今回の新ルールの趣旨にそぐわない」として使用を認めなかったそうなのです。
「俺はこのルールができた経緯に対しても、実質一人の男がルールに何て書いてあるかは関係なく独断と偏見で使用の可否を決めている工程に対しても怒りを感じている。これは絶対に変えなければならない」
と憤慨しています。
そこでミケルソンが取ったアクションは、あえて許可されているPing Eye 2ウェッジを使うことで今回の新ルールの問題点を表ざたにして、世間の注目を浴びさせて変えるための圧力をかけたのです。
通常、ストライキは何かを買わない、使わないことで自己の意思表示をしますが、今回のミケルソンはあえてPing Eye 2ウェッジを使うことで、その問題に焦点を当てて権力のある者たちを動かそうとしていたのです。ウェッジの溝の深さより、今回のルールが大きな抜け穴があるにも関わらず通ってしまったことの方がはるかに大きな問題である、そう訴えかけているのです。
そして、これだけ話題になれば使い始める選手が増えてくる。現に、最初はディーン・ウィルソンとジョン・デイリーだったのが、今ではハンター・メイハン、そしてあのフレッド・カプルスも今週の大会では使っています。彼が言う「他の選手たち」にミケルソンと同じ意志があるかは不明ですが、使用している選手が増えていることでゴルフ界に問題提示をしていることは事実です。
あぁ、深い!ミケルソン、なかなかの役者ですね。頭も切れますね。
更に、先週、「いかさま」と呼ばれたスコット・マッキャロンと対面し、今回の件について話し合ったそうです。その場でマッキャロンは自分の発言に対して反省していることを明らかにし、ミケルソンに謝罪をしたそうです。
「みんな過ちは犯すし、あとで後悔してしまうようなことを口走ってしまうこともある。俺もそういった経験は何度もある。面と向かって、目を見て謝罪するのはそう簡単にできるものでもない。彼(マッキャロン)の勇気ある行動に感謝している」
と、マッキャロンと完全に仲直りした様子。
同僚から「いかさま」と呼ばれ、それに対して訴訟を起こす可能性も示唆していたミケルソン。ゴルファーとしての「モラル」を疑われてもグッとこらえてゴルフ界のために悪役になっていたと思うと、男の中の男、(見方を変えれば)ニッポン男児的な男気まで感じてしまいます。
でもこの大会初日は1オーバースタート。これで3連覇達成したらホンモノのヒーローですよ。
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