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【茨城】

『高校無償化 朝鮮学校も対象に』 水戸で校長と保護者訴え

2010年3月3日

「生徒の学習権を侵害されないよう公正な判断を」と訴える崔校長=県庁で

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 政府が四月から実施しようとしている高校授業料の無償化をめぐり、茨城朝鮮初中高級学校(水戸市)は二日、朝鮮学校を支援の対象に含めるよう求める談話を発表した。署名活動や政府への請願も検討している。 (高橋淳)

 政府内には教育課程が確認できないとの理由から、朝鮮学校を支援の対象から除外する考えが浮上している。

 県庁で会見した崔(チェ)寅泰(インテ)校長(58)は談話を読み上げ「朝鮮学校の除外は不当な民族差別、人権侵害」と主張した。朝鮮学校の授業科目が朝鮮史など一部を除いて日本の学校と同じで、県の監督下にあることも説明した。

 日本の高校に当たる同校高級部に四月から次女を通わせる母親の徐聖姫(ソソンヒ)さん(46)も会見に同席し「教育は公平であってほしい。不景気で苦労している保護者もいる」と訴えた。

 同校には小一〜高三までの九十一人が在籍し、うち高級部には四十九人がいる。朝鮮学校がない東北や隣県から入学している生徒も多く、高級部の生徒の大半は寮生活を送っている。授業料は月額一万七千円で、ほかに食費などがかかる。

 全国には高級部のある朝鮮学校が十校あり、茨城と同様に対象に含めるよう求める動きが広がっている。

 

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