［ボクシング］名城５・８カサレス戦発表席上でＶ４戦に興毅指名

大阪市内の家電量販店で自身の映像が映るテレビの前でベルトを手にポーズをとる名城

　◆プロボクシング　ＷＢＡ世界スーパーフライ級タイトルマッチ１２回戦　王者・名城信男ＶＳ同級１位ウーゴ・カサレス（５月８日・大阪府立体育会館第一）ＷＢＡ世界スーパーフライ級王者・名城信男（２８、六島＝１３勝８ＫＯ１敗１分け）が、ＷＢＣ世界フライ級王者・亀田興毅（２３）＝亀田＝をＶ４戦の相手に“指名”した。１日、ウーゴ・カサレス（３１、メキシコ＝３０勝２２ＫＯ６敗２分け）と再戦する３度目の防衛戦を５月８日に府立体育会館第一で行うことを大阪・難波の家電量販店「ヤマダ電機」で正式発表。Ｖ３をクリアし、名城をこき下ろしてきた兄弟を踏み台にする。

　宣戦布告だった。会見終了際にマイクを持ち、「亀田くんはよく名前を出されるけど、話は来ない。勝ったらやりますんで」と言い切った。昔から兄弟から挑発を受け、１月には三男の和毅に「おいしい」と言われた。頭にきたからではない。米国進出が難しい現状で「国内なら大きな試合」と、評価を受けること、そして自身の知名度アップをもくろむ。３兄弟の中でも「お兄ちゃんが一番力がある」と興毅の３階級制覇阻止を希望。枝川孝会長も、「勝てば状況次第」とオファーを出す構えを見せた。

　７人の国内王者の中の地味カラーを払しょくすべく、今回は店内での公開会見となった。試合前日計量も同じ「ヤマダ電機」の店舗内で異例の公開形式で行うという。

　９月のカサレス戦はドロー防衛。連続指名試合の難関突破したい理由はもう一つある。後援会関係者の５歳の次男が昨年１１月に新型インフルエンザに感染。その後症状が悪化し、今も意識不明の状態が続く。男の子は名城の大ファンで、病室では入場曲がかけられているという。「勝つ姿を見せて、奇跡を起こしたい」。愚直なファイターが、熱い思いをリングでぶつける。