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Vol.050/■文具■1本のカートリッジで何文字書ける?【万年筆・インク】
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普段なにげなく使っている、カートリッジタイプの万年筆。このカートリッジインク1本でどのくらいの文字が書けるのか、気になったことはないでしょうか。そんな素朴な疑問にお答えするべく、ただひたすらに原稿用紙に文字を書き連ね、カートリッジインク1本でどのくらいの文字が書けるか実験しました。
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JRの駅名がいくつ書けるか挑戦!
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今回の実験に使用する万年筆は「Lamy safari」。ペン先は極細のEFで、カートリッジが満タンの状態からスタートし、インクが切れるまで書き続けます。文字の大きさを均等にするため、200字詰めの原稿用紙を準備。筆記した時間と、文字数をカウントします。
筆記具では書ける距離をメートルやキロなどで表すことが多いのですが、いまひとつピンとこないもの。そこで今回は、JRの駅名がいくつ書けるかにチャレンジ! JR北海道から始まり、東日本、東海、西日本、四国、九州の順に駅名を記していきます。
注射器を使ってカートリッジ内のインク量を調べたところ、Lamy safariのカートリッジには約1.1ccのインクが入っていました。経過時間とともに、インクがどのように減っていくかもポイントです。
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ひたすら駅名を書き連ねる
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実験を開始してから1時間、1,000文字ほど書いたところで、約0.15ccを消費。3時間経過すると0.4cc、5時間では0.85ccと、消費ペースにばらつきが見られました。これは、インクが減ったスペースに入った空気が原因のひとつかもしれません。手で温められたカートリッジ内の空気が膨張し、インクフローに変化をもたらすことがあるのです。
3時間が経過した時点で、文字数は3500を突破。北海道から東日本へ入り、新潟県まできました。5時間が経つころには首都圏を抜けて、JR東海のエリアへ。5,500文字を超え、ペンについているインク確認窓からは、ついにインクが見えなくなりました。
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7時間16分で7,824文字書けた!
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書き始めて6時間が経ったところでJR関西エリアに入り、6,500文字を突破。このあたりになると書き味に変化が現れ出し、7時間経つころには明らかにインクの出る量が少なくなりました。
そして7時間16分書き続けたところで、ピタッとインクが出なくなり、実験終了! 書き終えた53枚の原稿用紙を並べると、その量を改めて実感することができます。ペンだこを作った甲斐もあり、結果は7,824文字と予想よりも多めでした。書いた駅数は2865。それぞれの駅を結んだ総距離は1万6500kmになり、北海道の稚内駅から和歌山県の紀伊駅まで到達することができました。筆記時に妙な力が入っていたためか、終了後に腕は筋肉痛のような状態に。長時間の筆記には、少し重みのあるペンが向いているのかもしれません。
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インクの減り方は、筆記するペン先の細さや周りの温度・湿度、使い切るまでの時間など、状況に応じて変化します。今回の実験は、その一例として考えてください。ちなみに実験で使用した注射器はホームセンターなどで普通に購入できるもの。興味がある方は、愛用の万年筆のインクがどのくらいのペースで減るのか、一度調べてみてはいかがでしょうか。
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