高木マニア堂

何となく思いついたこと、目についたことをツラツラと…。

084:21世紀の小学生に「てなもんや三度笠」を見せてみた

ノンセクション2010年03月02日 07:57 | フォルダ : 

関連キーワード :テレビおバカ

<2007年5月=東スポ携帯サイトより>


 お笑いとは絶対的に生モノである。特にTVのお笑い番組は、その時々の世相や流行、時代背景、キャラクターの認知度、タレント間のビミョーな上下関係など、さまざまな要素が頭に入っていないと、本当の面白さまでは理解できない。

 よく昔を懐かしがるあまり「現在の俗悪なお笑い番組よりも良質な笑いが~」などと、乱暴にバッサリ斬り捨ててしまう人が多いが、それは単に世代間の好みやズレであって、単純に過去と現在を比較できるモノではあるまい。

 そこで自分の娘(小学校3年&1年生)を実験台に、平成生まれの現代小学生が昔のお笑い番組を視聴した場合、どのような反応を示すか?実験を試みた。

 まず80年代を代表する「オレたちひょうきん族」を見せたところ、タケちゃんマンに登場する明石家さんまの突飛なコスチュームや、西川のりおの破壊的ギャグはウケたが、多くの楽屋ネタは、意味が理解されてなかった。低学年にはやや早いし、楽屋ネタは当時の時代背景やタレントの人間関係を知らないと笑えない
のだから仕方がない。

 70年代を代表する「8時だヨ!全員集合」は予想通りウケた。ドリフターズの5人のキャラ分けは、基礎知識のない幼児にも瞬時に理解できるほど見事に分かりやすく記号化(いかりや長介=絶対的支配者、高木ブー=いじめられるデブなど)されている。また加藤茶や志村けんの身体を張ったギャグやズッコケは、時
代に関係なくウケる。

 そして最後はダメもとで、60年代を代表する「てなもんや三度笠」のDVDを見せた。これはかなり画質も粗いモノクロ作品。しかも現代っ子に食いつきづらい時代劇設定…。そもそも私だってビデオでしか観たことがない古典作だ。ちなみに視聴したのは第268話「月の鰍沢」(1967年6月18日放映=ゲスト・三田明
&西尾三枝子)だ。

 だが意外や意外。京唄子に叱られ、オーバーアクションで「ポテチン」と叫ぶ、鳳啓助のギャグに大笑い。あとは森繁調に歌う時次郎(藤田まこと)に、素っ頓狂なキンキン声で割って入り、頭をハタかれる珍念(白木みのる)のギャグもウケが良いのである。途中、画面下に流れる「おいしい前田のココナッツサブレー」「おやつにバタークラッカー」などのテロップCM(この時代は一社提供番組が通常なので、こういうCMが多かった)に「これは字幕なの? ニュースなの? 」と違和感を感じていたようだが…。

 そして現代小学生が最も、てなもんやに食いついたのは何と「てんぷくトリオ」(三波伸介&戸塚睦夫&伊東四朗)の登場だった。中村雨之丞なる歌舞伎の女形に扮した伊東がオネエ言葉とともに出てくると「あっ伊東四朗さんだ!」と大騒ぎだ。
現代小学生にとって伊東四朗とは、土曜夜の人気番組「脳内エステ・IQサプリ」の司会者であり、ちょっと前までは「伊東家の食卓」のお父さんだったヒーローのような存在だ。

 てんぷくトリオのメンバーである戸塚睦夫が亡くなって34年、三波伸介が亡くなって25年。「てなもんや三度笠」から現代の高視聴率番組までをも、ニンニンとリンクさせてしまう伊東四朗恐るべし…。

 思えば、同じく小学生にも大人気放映中のアニメ「ケロロ軍曹」の新主題歌を小倉優子とともに「ヒジョーにキビシーっ!」と歌っている財津一郎(♪ズンタッタズンタッタと歌いながら登場する謎の写真師・桜富士夫は、赤塚不二夫の漫画に登場しそうな狂人ぶりだ…)と、このギャグも「てなもんや三度笠」がルーツだ。

 60年代と現代は意外なほどつながっているのか…?

投票してね!東スポトピックスランキング

この記事をブックマークする Yahoo!ブックマークに登録 はてなブックマークに追加 Buzzurlにブックマーク livedoorクリップに投稿 newsingに投稿 Choixにブックマーク イザ!にブックマーク twitterでつぶやく

前の記事次の記事

プロフィル

ブログタイトル

高木圭介のプロフィル 昭和44(1969)年6月4日、神奈川県川崎市生まれ。かつてジャイアント馬場さんも暮らした新丸子の街
…続きを読む

 2010年03月 

S M T W T F S
 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31    

フォルダ

最新エントリ

月別アーカイブ

面白キャラ満載!東スポ名物記者図鑑


ブログパーツならブログデコ!!

このページのトップへ