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福岡県汚職:「罪の意識全くない」 添田町議会、町長に進退問う声 /福岡

 ◇擁護の議員や町民も

 県の後期高齢者医療制度を巡る汚職事件で、贈賄罪で起訴された添田町長、山本文男被告(84)は1日、逮捕以来約1カ月ぶりに役場に登庁した。町議会全員協議会では「罪の意識が全くない」「居直るつもりか」などと厳しい声が飛んだが、辞職の意思がないことを改めて示すなど強気の姿勢をみせた。町民らは町長続投に複雑な表情をのぞかせた。【林田雅浩、入江直樹】

 山本被告は雷雨の中、全協直前の午前10時に姿を現し、大勢の報道陣に「何だ、この騒ぎは。ばかばかしい。映画の撮影か?」とつぶやきながら役場3階の議会へ向かった。

 全協では冒頭から「町長を辞める決断をすべきではないか」「要職にある身の道義的、政治的な決断を教えてほしい」などと矢継ぎ早に進退が問われた。

 しかし、山本被告は「町には何一つ心配をかけてない。町民の意思に従います」「町民の声は自然に上がってくる。町民が『お前やめろ』と言えば辞めます」と自らの意思では辞めない姿勢を説明。

 贈賄の起訴内容についても「副知事の就任祝いと、医療制度で町村側に有利に片付けてくれた感謝の念でお金をあげた。それがけしからんということになった」「町村会がやったことは会長の責任と(警察に)言われるから私も『はい』と言った」とまるで他人事のように繰り返した。

 全協後、ある議員は「添田の名前が繰り返し報道され、町民は多大な迷惑を被っている。(進退問題など)町長の話は逃げの決まり文句だ」と憤慨した様子で語った。

 ただ、山本被告を擁護する議員も少なくなく、別の議員は「会長が会のことをすべて把握するのは難しいと思う。金を渡すにしても偉い人が渡すほうがはくがつくと会が考えたのでは? 渡す方よりもらう方がいやらしいと思う」とかばった。

 町民の反応も分かれた。64歳の主婦は「添田が発展した面も考えてもらいたい。全国会長だから大きく取り上げられるが、担がれただけかもしれないでしょう」と話す。一方、71歳の男性は「一事が万事。高級官僚への付け届けを長年させてきた責任もある。判決がどうなろうとここで潔く身を引くべきだ」。また、32歳の女性会社員は「役職を長年やってきた自信が『辞めなくてもいい』という意識になっているのではないか。個人的には権力にしがみつく姿は見たくない」と話した。

〔筑豊版〕

毎日新聞 2010年3月2日 地方版

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