1日に開かれた添田町議会の全員協議会。汚職事件に絡み贈賄罪で起訴された町長の山本文男被告(84)は、町長職の進退について「町民が決めること」と述べるにとどまった。自らの判断を避けた発言などに、町民や町関係者からはさまざまな意見が聞こえた。
「町村のために、と考えた末に起きた事件。一度や二度の過ちでは(町長の)評価は覆らない」。町内の男性(60)はこう擁護し、「来年1月まで待てば任期満了。あわてて選挙をする必要はない」と、辞職による出直し町長選には否定的な見方を示した。また、山本被告と同郷の出身という70歳代の女性も「あれほど優秀な人はおらん。町政もしっかりやっている」と援護した。
一方で農業男性(65)は、山本被告の「(汚職事件の)被害者は私でしょう」との発言に、「本当の被害者は町民。起訴されてなお、辞職しないのはわがままの一言に尽きる」と断言。
町内の商業施設で買い物をしていた、町出身で北九州市在住の男性(65)は「こんなことで古里がクローズアップされて悲しい。辞職しないと聞いて驚いた」と述べ、「これまでの町政運営について、客観的な検証が必要では」と指摘した。
=2010/03/02付 西日本新聞朝刊=