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nytolaの日記

2010-02-28

科学史上最悪のスキャンダル

23:36

こちらはMixiの日記に12/5に載せたものです。

−− 科学史上最悪のスキャンダル −−

先月、イギリスのある著名な科学者の千通を越すe-mailや研究データ・プログラムが何者かによってリークされ、欧米のメディアを駆け巡っています。リークされた情報が発端となり地球温暖化を巡る世界規模の不正が暴かれ、イギリスとアメリカの議会も重い腰を上げ調査に乗り出しました。誰が名付けたのか、事件は“Climategate”と呼ばれています。

リークされたメールは、地球温暖化研究の世界的権威Philip Jones教授のもの、彼はイギリスのEast Anglia大学・気象研究所(CRU)所長です。問題となっているメールは欧米の新聞などで読むことができますが、要点を挙げると、

・CRUが行っている世界各地の気温観測の結果を多数の科学者で不正操作し、温暖化を演出していた。

・40人以上の著名な科学者学会誌の査読班を作って主要ジャーナルを乗っ取り、温暖化を否定する論文を却下していた。

イギリス気象庁BBCを味方に付け、IPCCすらコントロールしていた。

Foxニュースでは“温暖化に否定的な研究者の博士号を取り消すよう大学に圧力をかけていた”とも報じていましたが、やりたい放題だったようです。Climategateで最も深刻なのが、データ不正。CRUの観測結果は国連IPCC地球温暖化を示す最も重要なデータとして採用されていますが、Jones教授のメールによると、

“MikeがNatureに載せた論文で使ったトリックを使い、私は1961年以降の平均気温の温度低下を隠した。”

MikeとはPennsylvania州立大学のMichel Mann教授、Al Gore元副大統領の盟友でIPCCの超大物、20世紀の急激な温暖化論文に発表し世界中の注目を浴びた男です。メディアの追及に対し、渦中のMann教授は、

“トリックとはうまい方法という意味で、不正を行ったわけではない”

と弁明していますが、調査しようにもCRUの原データは消去されてしまった模様。データの消去自体、情報公開法への重大な違反ですが、幸か不幸かClimategateで流出したプログラムから彼らがどんな“トリック”を使ったのか知ることが出来ます。

 yrloc=[1400,findgen(19)*5.+1904]

 valadj=[0.,0.,0.,0.,0.,-0.1,-0.25,-0.3,0.,-0.1,0.3,0.8,1.2,1.7,2.5,2.6,2.6,2.6,2.6,2.6]*0.75

これは20世紀の気温をグラフ化する際、CRUの副所長(Keith Briffa教授)が使ったスクリプトの核心部分。1行目で1904〜94年を5年ずつに区切り、各区間の気温(実測値)に2行目の数字を加算しています。即ち1904〜24年は加算なし、1929〜49年は(温暖期なので)温度を引いて低く見せ、その後は徐々に気温を底上げし1979年以降は1.95度(2.6×0.75)も下駄を履かせてます。20世紀に気温が急激に上昇したのは二酸化炭素のせいではなく、イギリスの片田舎の密室で行われた歪曲のため。この部分を取り除くと、過去100年間で地球は寧ろ寒冷化していたそうで。

不正は他にも次々と見つかっています。現在よりずっと気温の高かった中世温暖期を“なかったこと”にしていたり、大昔の気温を見積もる際に暑かった年を統計から外したり・・・

IPCCではCRUの“急激な温暖化”ばかり注目されていますが、氷床コアや木の年輪、衛星を使った測定では有意な温暖化は観測されておらず、特に二酸化炭素による温室効果の一番の証拠となる“10 km上空の温度上昇”は気球観測によって明確に否定されています。アメリカ航空宇宙局NASA)の気温観測は地球温暖化を支持していますが、後述するようにNASAもデータ不正が発覚しており信用に値しません(NASAは単純なミスだと主張)。

実際のところClimategateは氷山の一角に過ぎず、世界中で“魔女狩り”が始まっています。例えば次のグラフは、ニュージーランドの気温変化。


f:id:nytola:20100301132719j:image


グラフ(上)はニュージーランド水圏大気研究所が発表していたもので、20世紀に急激に温暖化していますが、別の科学者がデータを再調査したところCRUと同種の不正が見つかり、実際の気温変化はグラフ(下)だったというわけ。

そして下のグラフは、Global Historical Climatology Network(GHCN)が公開している世界各地の気温データのうち、オーストラリアの気温観測ステーションの一つ。GHCNの気温データはIPCCでも公式採用されていますが、オーストラリア科学者が消されずに残っていた現地の観測ステーションの生データを調べたところ、GHCNで公表されている“100年間で1.2℃の温暖化(赤線)”どころか、本当は0.7℃も寒冷化(青線)していたことが分かり。

何者かがデータに細工したようです。


f:id:nytola:20100301132809j:image


GHCNは南極の平均気温を算出する際にも顕著な温暖化を示す一つの観測ステーションのデータだけを採用し、温暖化を否定する他のステーションのデータは破棄していたそうで。

疑惑はアメリカにも飛び火し、Obama政権の科学技術顧問John HoldrenはCRUの不正への関与が疑われていますし 、天下のNASAも気温データの操作が指摘され訴訟に発展しそうです。NASAは過去のアメリカの気温を不当に低く改竄したり 、昨年、『観測史上、最も暑い10月だった』と発表した際は、10月の気温データに9月のものを混ぜていたことが発覚しています。

またアメリカ海洋大気圏局(NOAA)は全米各地に気温観測ステーションを設置していますが、市民が調査を行ったところ、大平原や荒野に設置されているはずのステーションがいつの間にかアスファルトの駐車場やエアコンの排熱口の近くに移動されており(下の写真)、全米のステーションのなんと89%が不適切な場所に置かれていたそうで。


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アメリカが急激に温暖化したのは、観測ステーションを熱源の近くに移動させたから!?

NASAもNOAAも、原データの公開を一切拒否しています。もはや個人レベルの捏造ではなく、研究機関・業界がグルになって不正を働いているとしか思えません。出るわ出るわで、IPCCは“国際ペテン師学会”と名前を変えるべきかも。

同僚の一人は、

“Intergovernmental Panel of Cons and Criminals にすれば、IPCCのままで済む”

と、きっついアメリカンジョーク。温暖化の恐怖を散々煽ってきた学会リベラル派の政治家はClimategateの火消しに躍起になっていますが、今回は揉み消すには話が大きくなりすぎたかもしれません。Copenhagenの会議は始まったものの、京都議定書IPCCが最大の拠り所としたCRUの観測結果はもはや極めて疑わしく、世界のあちこちで不正が見つかっている状況で、二酸化炭素削減を話し合う意味はあるのでしょうか?

East Anglia大学はCRUの温暖化観測で注目され20億円以上の研究費を獲得していますし、NASAに至っては温暖化研究で年間1千億円もの予算が下りています。Climategateは、良心の呵責に耐え切れなくなった内部の科学者がリークしたのではないかと噂されていますが、人生を棒に振ると知っていて、彼(彼女?)はどんな思いで告発に踏み切ったのでしょう・・・

イギリス・アメリカの議会は調査を開始しましたが、今度こそ真実を明らかにしてもらいたいものです。

−− 地球温暖化とは何だったのか −−

大気中の二酸化炭素濃度と地球温暖化の間に相関があることは古くから知られており、Al Goreの映画でも強調されていましたが、実際はどうなのでしょう?

次の図は昨年の日本物理学会誌(vol.62)に掲載されたグラフで、寒冷期が終わり地球が温暖化した1970年代以降の二酸化炭素濃度と世界平均気温の変化を比較しています。


f:id:nytola:20100301133119j:image


確かに相関はありますが、よく見てみると気温変化(赤)が二酸化炭素の濃度変化(黒)に1年くらい先行していることが分かります。従って、二酸化炭素が地球の温暖化を引き起こしたのではなく、因果関係はその逆で、

『地球の気候変動が大気二酸化炭素の濃度変化を引き起こしている。』

日本物理学会誌の記事にも書かれていましたが、海水中には大量の二酸化炭素が溶解しており、気温の上昇に伴って海水中の二酸化炭素大気中に放出されたと理解すべきでしょう。ソーダを温めると炭酸が抜けるのと同じ原理です。

そもそも人間起源の二酸化炭素排出量は、自然界全体の僅か2〜3%にしか過ぎません。二酸化炭素が増えると濃度に比例して森林・海洋への吸収も増加するため、

産業革命以降、人類が排出した二酸化炭素大気中に蓄積されて…』

というIPCCの主張は間違い。正しくは“炭素循環”で考える必要があり、濃度に関わらず毎年30%の二酸化炭素が自然界に吸収されるため、1年前に排出された二酸化炭素は49%(0.7×0.7)、10年前に排出された二酸化炭素に至っては現在では2%(0.7×0.7×0.7…)しか大気中に残っていません。従って人間が排出を続けても大気中の二酸化炭素の総量は無限に増え続けるわけではなく、年間排出量の高々2年分に収束します(等比級数の和)。

それでは、地球の気候変動を引き起こしているのは何なのでしょう?

答えは、空を見上げると見つかります。

f:id:nytola:20100301133233j:image


上の図はOregon大学のグループの論文、過去100年間の日射量と北極の気温変化をプロットしたものですが、非常に良く一致しています。

『地球の気候変動の主因は太陽活動である』

その結論を、私も支持します。

地球温暖化とは、一部の科学者が研究費を取るため“二酸化炭素で地球が温暖化している”と言い出し、環境団体や原発推進派が乗っかり、マスコミが恐怖を煽り、政治家が宣伝に利用して既成事実化された。それに環境技術で先行するヨーロッパ各国、権力を強化したい国連、そして排出量取引で大金を手にする途上国が飛び付いた。一番損したのは日本で、“排出枠”とやらを購入するのにチェコウクライナに数百億円もプレゼントしてますし、京都議定書を遵守するため今後5年間の排出量取引で最大1.7兆円もの富が日本から流出する。ストーリーは筋書き通りに進みましたが、この10年間、地球は寒冷化してしまった・・・

二酸化炭素による地球温暖化は科学的根拠に乏しい』

アメリカでは“Oregon Petition”に3万人を越す科学者署名していますし、私も同僚たちと共にサインしました。

“王様は裸だ!”

そろそろ叫ぶ時ではないでしょうか。

※地球の気候変動の原因には諸説あり、宇宙線による雲生成などが有力な説として注目されています。ただ、少なくとも太陽活動(黒点数)と地球の気温との相関は断定できると思います。

科学史上最悪のスキャンダルの続き

18:24

こちらはMixiの日記・掲示板に1/27に載せたものですが、転載します。

--

昨年、地球温暖化を巡る不正・捏造疑惑である“Climategate事件”について書いたところ、友人から早く続きを書けとせっつかれています。科学に携わる者として科学不信につながることを日記にするのは大変気が重いのですが、真実を解明し今後の教訓にする必要があるとの思いから、再びペンを執ることを決めました。前編はCalifornia大の友人が以下のBlogに要約し載せてくれました。

http://www.chem-station.com/blog/2009/12/-climategate.html


昨年11月に勃発したClimategateで地球温暖化を巡るデータ不正・捏造は世間の知るところとなりましたが[1]、今年に入ってClimategateは下火になるどころかあちこちに飛び火しています。イギリスのTimesが先週、

ヒマラヤの氷河が2035年までに溶けてなくなる可能性が高い』

という国連IPCCの報告が一人のインド人の根拠のない憶測だったことをすっぱ抜きましたが[2]、今週は、

温暖化台風や洪水等の自然災害が多発する』

というIPCCの警告に科学的根拠がなかったことを、またまたイギリスのTimesがすっぱ抜いて話題になっています[3]。IPCCはこのウソに2008年の段階で気付いていながら、訂正せずにずっと黙っていたそうで、極めて悪質。また、IPCCの代表執筆者の一人だったJohn Christy教授(Alabama大学)は、IPCC地球温暖化の恐怖を煽るため科学を平気で歪曲していたことをCNNニュースで告発していましたし、IPCCは“国際ペテン師学会”と改名すべきかもしれません。

実際のところIPCCの報告書は科学的な裏付けのない“温暖化の証拠”で溢れており、第二・第三の“ヒマラヤ”になりそうな事例を挙げると、

地球温暖化が原因とされるツバル水没は、防波堤の役目を果たしてきたサンゴ礁がゴミ廃棄で壊滅したことが原因であること[4]。

北極の氷の減少は地球温暖化ではなく海流(熱塩循環)の周期的な変化が原因であるとNASAのジェット推進研究所(JPL)のチームが突き止めており[5]、チームの予測通り2007年を境に海氷面積は増加に転じたこと[6]。

キリマンジャロの氷河の消失は130年前の気候変動による降雪量の減少が引き起こしたのであり[7]、温暖化が直接の原因でないことをタンザニア気象局も認めていること[8]。

アマゾン熱帯雨林の40%がなくなる、アフリカ農業が壊滅的な打撃を受ける・・・

IPCCが実しやかに捏造した話は他にもたくさんあります。最近はリベラルメディアCNNですら、

“本当に地球が温暖化しているのか再調査する必要がある”

と懐疑的な姿勢に転じていますけど、私に言わせると、気付くのが遅い。


f:id:nytola:20100301082039j:image


上のグラフは地球平均気温の変化を表したもので(20世紀平均からの偏差)、ピンクはHadley CRUT(イギリス気象局とEast Anglia大学・気象ユニット)、青はUAH MSU(Alabama大学)の公表しているもの、共にIPCCの最重要指標です。グラフからここ10年、地球気温は低下の一途を辿ったことが分かりますが、昨冬に続いて今年もアメリカやヨーロッパアジアは記録的な大寒波に襲われており、大量の死者も出しています。IPCCの発表を信じると、

『地球は20世紀に0.6℃温暖化した』

そうですから、ここ10年で0.3℃の寒冷化は確かに急激な気候変動だったわけです。尤も、『20世紀に0.6℃温暖化』も、これから述べるように大ウソであった可能性が極めて高いです・・・

Climatagete事件で真っ先に炎上したのはイギリスのEast Anglia大学・気象ユニット(CRU)でしたが、本当の震源地は、Harryというプログラマー(学生?)の書いたメモ[9]を発端に明らかになりました。Harry君はCRUで世界中の気温観測ステーションのデータを整理していたようですが、Climategateで流出したメモによると、

“何てこった!(CRUの)データベースには何百というダミーのステーションが登録されている。しかも同じステーションのデータがあちこちに何度もコピーされている。こいつは糞ったれだ!”

彼はきっと、見てはいけない物を見てしまったのでしょう。CRUの使っていた気温データの多くはアメリカ海洋大気圏局(NOAA)から提供された物だったため、疑惑の目は必然的にNOAAに向けられましたが、蓋を開けてみるとNOAAこそ地球温暖化詐欺の巨大な震源地だったわけで・・・

NOAAは世界中の6,000基もの気温観測ステーションを使って(ステーション自体は13,000基存在)、地球の気温データベースを作成しており、NOAAのデーターベース(GHCN)はCRUやNASA・GISS(米国航空宇宙局Goddard宇宙飛行センター)など世界中の研究機関が利用しています。ところがメディアでも報道されているように、NOAAは温暖化を示す一部のステーションのデータだけを公表し、温暖化を示さない大多数のデータは破棄していたことが発覚。


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上の図(青線)はNOAAの公表している世界の気温のデータ数(=統計に入れられているステーション数)ですが、1980年以降、急激に減少しています。温暖化を示しているステーションだけを選別したのですから、地球気温はステーション数に反比例して急上昇しています(ピンク)。

詳細に調べてみると、1963年にアメリカでは1,850基の気温観測ステーションが稼動していましたが、80年代以降、データとして利用されるステーションはどんどん減り、2007年には僅か136基のみが稼動している状態でした。生き残ったステーションも都市化・温暖化の起きている地域に極端に集中しており、例えばCalifornia州はSan Francisco空港と、Los Angelesのダウンタウンとビーチに設置された合計4基のステーションだけ、Hawaii州に至っては飛行場に設置されたたった1基のステーションしか使われていません。


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アメリカ国外でも、例えば高山性気候で寒冷化の進むボリビアの気温観測ステーションのデータは1990年を境に統計から外されており、それにも拘らず昨年の世界温暖化マップでボリビアは顕著な温暖化を示しています(上図の青い四角)。20年間もステーションが稼動していないのにどのように気温を測定したのか不思議ですが、調べてみるとボリビアの気温は、なんと1,200 km離れたペルーのビーチとアマゾンジャングルに設置されたステーションの物がコピーされていたそうで。カナダの気温観測ステーション数も、600基から2009年には35基にまで不自然に減っていますが、温暖な地域のステーションのデータが寒冷な内陸部にそのままコピーされ使われていて(上図の緑の四角)。プログラマーのHarry君が見つけて驚いたのは、きっとこのことだったのでしょう。

観測ステーションの廃止や測定機器の故障というのならまだ分かりますが、データ上、存在しないはずのステーションには今でも観測員が常駐しNorth CarolinaのNOAA本部へデータを送り続けており(無人の物もあります)、どうやら温暖化を示さないステーションのデータはNOAA内部で蒸発してしまうようです。IPCCの次期レポートには、

地球温暖化で観測データが蒸発する』

と載るのは間違いなさそうですが、因果関係は逆。

他にも、NOAAは数々の不正を行っていたことが指摘されています。前編にも書きましたが、市民が調査を行ったところ、NOAAの気温観測ステーションはエアコンの排熱口の近くやアスファルトの駐車場の上など暑い場所に移動されており、全米のステーションのなんと89%が不適切な場所に置かれていたことが発覚しています[10]。

また、NOAAの公表している気温データ自体、不自然な補正の施されていることが多くの研究者によって指摘されています。NOAAはステーションの原データではなく、標高や天候などローカルな要因を“補正”したものを公表していますが、どのような補正を行っているのか公開していませんし、原データの公開については頑なに拒否していました。この補正が科学的手法だったのか、それとも完全な捏造だったのか、他の科学者は知る由もないわけで。

NOAAの補正に疑問を抱いた研究者らは、幾つかの温度観測ステーションに乗り込んで原データの調査を行ったところ、驚くべきことが分かりました。


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上のグラフはCalifornia州Davis市の温度観測ステーションの原データ(青)と、NOAAが公表している補正後のデータ(赤)。原データでは長期的な寒冷化が見られますが、補正後のデータではなんと顕著な温暖化が現れています。オーストラリアニュージーランドのデータも同じで、見付かった原データはいずれも温暖化を示していませんでした。


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上図はニュージーランドの気温変化、上がGHCN発表(NOAAの補正が施されたもの)、下が生データ。 下図はオーストラリアDarwin空港の近くのステーションのデータ、赤がGHCN発表で、青が生データ。


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(恐らく証拠隠滅のため)原データの多くが既に破棄されており断定はできませんが、どうやら地球温暖化はNOAAの“謎の補正”によって生み出された物であり、どのようなクライテリアで補正を行ったのかNOAAが公表しない限り、本当に地球温暖化が起きていたのか評価出来ません。 NOAAの観測データはCRUやNASA・GISSが発表している地球気温のベースにもなっており、

『200X年は観測史上X番目に暑かった』

というNASAの発表も、もはや全く信用できないわけです。

ではNOAAだけが悪者で、CRUやNASA・GISSは騙されていただけかというと、どうやらそれも違いそうです。Phil Jones教授などCRUの連中は科学ジャーナルの査読プロセス政治力で支配し、温暖化に否定的な論文の掲載を拒否し“懐疑派”の粛清を行っていましたし、イギリス気象局(UK Met Office)と共謀し温暖化に不都合なデータを隠蔽・改竄・破壊していたこともメディアで報じられています。NASA・GISSのJames Hansen所長も“補正”や原データについての情報公開請求を悉く無視していましたから(情報公開法違反で訴訟になっています[11])、結局、みんなNOAAのデータ不正・捏造を知った上で利用していたのでしょう。

温暖化研究でNOAAは年間4億ドル、NASAに至っては年間13億ドルもの助成金を得ています。 温暖化の警鐘を鳴らすほど得る物も大きいわけで 、IPCCを含め業界の中枢部が金で完全に腐っていたのでは、というのが私の感想です。

地球温暖化がここまで大きく叫ばれるのはもちろん利益を得ている人間がいるからで、ノーベル平和賞のAl Goreは温暖化ファンド原発絡みで1億ドルも荒稼ぎしていましたし、IPCCのRajenda Pachauri議長も温暖化ビジネスで一財産築いており[12]、メディアによって金の流れが明らかにされれば地球温暖化詐欺の構図が自ずと見えてくるのではないでしょうか。

先週の欧州議会ではイギリス選出のGodfrey Bloom議員温暖化詐欺をブラックユーモアで痛烈に批判しており、ニュースを見ていて思わず笑ってしまいました。

http://www.youtube.com/watch?v=2TOFe85cmAE&feature=player_embedded

Obama政権は“グリーン・ニューディール政策”とやらに1,500億ドルもの巨費を注ぎ込もうとしていますし、ヨーロッパ各国も多額の税金温暖化対策に費やしています。日本も産・官・学を挙げて二酸化炭素削減に突っ走ろうとしていますし、CRU、IPCC、NOAA、NASA・GISSなど、温暖化研究の頂点に君臨する研究機関が共謀し世界中を騙していたのは、まるでオペラファルスタッフ』のフィナーレのよう。

“Tutto nel mondo è burla!(世の中すべて冗談さ!)”

Climategateに限らず、科学の世界ではデータ不正・捏造が後を絶ちませんが、それらの多くは個人の不正に過ぎず、今回のClimategateは業界がグルになって悪事を働いていたという点で科学界に与える後遺症は測り知れないでしょう。科学に携わる者としてこれ程の無力感に打ちのめされたことはありませんが、科学の不正は科学によって正すしかないことは認識しているつもりです。

いずれにせよ、今後暫くはFBIとScotland Yardに頑張ってもらうことにして、私はこの辺でペンを置きたいと思います。


References:

[1] S. Mosher and T.W. Fuller, Climategate The Crutape Letters, Amazon Digital Services (2010).

[2] http://www.timesonline.co.uk/tol/news/environment/article6991177.ece

[3] http://www.timesonline.co.uk/tol/news/environment/article7000063.ece

[4] 小林泉, 国際開発ジャーナル2008年8-11月号『水没国家ツバルの真実』.

[5] J. Morison et al., Geophys. Res. Lett. 34 (2007) 07604.

[6] http://www.ijis.iarc.uaf.edu/jp/seaice/extent.htm

[7] T. Mölg et al., Int. J. Climatol. 28 (2008) 881.

[8] http://www.wmo.ch/pages/prog/wcrp/pdf/3.7_Adosi_Resilience_JSC-28_Afr_28.03.2007.pdf

[9] http://www.anenglishmanscastle.com/HARRY_READ_ME.txt

[10] http://scienceandpublicpolicy.org/images/stories/papers/originals/surface_temp.pdf

[11] http://pajamasmedia.com/files/2009/11/DOC112409-001.pdf

[12] http://www.telegraph.co.uk/news/6847227/Questions-over-business-deals-of-UN-climate-change-guru-Dr-Rajendra-Pachauri.html

※以下のページで、NASA・GISSが公開している気温観測ステーションを調べることが出来ます。例えば世界地図で日本をクリックすると、日本に点在する観測ステーションの多数が1990年を境に統計から外されていることが分かります。ステーション自体は存在し続けており、(恐らく都市化による温暖化を強調するため)アメリカのステーションと同様の恣意的な選択がなされたわけです。

http://data.giss.nasa.gov/gistemp/station_data/

はれほれはれほれ 2010/03/01 18:00 こんにちは、はれほれと申します。はじめまして。いちおう名ばかりの気象予報士です。(笑)
私もCO2による人為的温暖化説には疑問を持っています。大変興味深い話題をありがとうございます。
ところでnytolaさんはPeterson & Voseの下記論文は読まれたことがおありでしょうか?これを読むとどうやらリアルタイムで入ってくるステーションは3000箇所くらいで残りは数年から数十年経ってからデータに組み込まれているようです。私も英語は不得意でかつ統計学は全く駄目なため理解できない部分も多いので恐縮ですが・・・・。NOAAやNASAがデータをピックアップしているのではなくて速報として入ってくるデータが都市部に集中している印象です。(インフラの整備を考えると納得ですが)まあもし仮にそうだとしも、そんなデータで今年の○月は史上何番目に暖かかったなどという発表には意味がないように思えます。nytolaさんのご意見を伺えれば幸いです。
参考論文
http://www.ncdc.noaa.gov/oa/climate/research/Peterson-Vose-1997.pdf

jackbox5jackbox5 2010/03/01 18:31 初めまして。これと同じ記事を別のホームページで読んだことがあります。クライメートゲートは日本のマスコミはほとんど報道しませんので大変貴重な情報です。
さて以前から質問したかったことがあり急遽アカウントを作りましたので(笑)お返事いただけると嬉しいです。

1:大気中CO2濃度と世界気温偏差のグラフについて。
人為起源のCO2排出が大気中CO2濃度上昇の主因ではないということですが、確かに人間由来のCO2排出は自然界全体の僅か3%に過ぎない言われています。ただBlog中のグラフ(もしくはキーリングの有名なグラフ)から分かるのは、短期間のCO2濃度の変動が海水による吸収・放出であるということで、CO2温暖化説で言われている長期(例えば100年)での濃度上昇が必ずしも海水からの放出とは言えないと思いますがどうでしょうか?

2:CO2温暖化の理論について。
Blogの内容とは直接関係しませんが、程度はともかくCO2が温暖化の原因であることは多くのシミュレーションが支持していました。一方、最近の地球はCO2濃度が上昇しているのに寒冷化が進んでおります。シミュレーションはデタラメだったのでしょうか?

どうかよろしくお願いします。

nytolanytola 2010/03/01 22:01 はれほれさん、こんにちは。
ご指摘のペーパーはJoseph D'AleoとAnthony Wattsのレポートでも参照されており一度斜め読みしたことありますが、もう一度ちゃんと読んでみました。ペーパーが書かれたのは1997年ですが、直近で気温観測ステーション数ががくんと減った理由が論文中のFig.2の説明に小さく書かれてあります。
“because some of GHCN's datasets are retroactive data compilations (データを得るのに時間がかかる)”
仰る通り、リアルタイムで入ってくるのは3つのデータソースだけらしいです(どれだか明記してありません)。
いずれにせよ2008年の段階でも90年頃に大幅に減ったデーターベースの観測ステーション数は全く復活していませんから、GHCNではデータを運ぶのに20年近くかかるようです。恐らく歩いてステーションまで取りに行っているのではないでしょうか?D'AleoとWattsのレポートによると、データを送り続けているステーションは『低緯度で標高が低く都市部』に偏っているとのこと(このレポートはあまりに衝撃的ですから、どなたか日本語に翻訳すべきだと思います)。
NASA・GISSのHPで調べると気象庁が提供している日本の田舎のステーションの大半も1990年以降に止まっていますが(何故か大都市のデータはちゃんと記録されています)、こちらは“Quality Control(品質管理)”で落とされた可能性が高いですね。日本のような未開の国で測定されたデータなんて信用できず・・・そんなわけないですよね。
別の方が指摘していたのですが、大島は90年に統計から外されていますが、93年に何故か復活しています。大島のグラフを見てみると90年以前に対して93年以後は1℃も気温が上昇していますが、何故このような特殊なケースを復活させたのかは謎です。データの連続性という意味で、それこそQuality Controlで落とすべきだと思うのですが。

nytolanytola 2010/03/01 23:24 jackbox5さん、こんにちは。
かなり専門的になりますが、出来るだけ分かりやすく答えてみます。

1.
排出されたCO2が海洋や森林に吸収されるまでの時間を“滞留時間”と呼ぶのですが、滞留時間は5年だと言う研究者もいれば200年だと言う人もいます。
滞留時間が重要なのは、滞留時間が5〜15年であれば100年スパンで続いている現在のCO2の増加が人間由来であるとは考えにくく(寧ろ温暖化の結果と考えるべきでしょう)、逆に50〜200年であれば人間が排出したCO2が大気中に蓄積していると考えるのは自然です。昨年、真面目に計算すると5年だという論文をEssenhighが出していましたが、滞留時間は5〜15年という合意が出来つつあるように思います。(Essenhighによると、50〜200年という長い滞留時間は自然界起源のCO2を過小評価しているとのこと。)
CO2と気温の因果関係を調べるには滞留時間と同じ時間スケールで両者を比べる必要があり、(滞留時間5〜15年を信用して)先のグラフを見ると確かに気温変化の方がCO2濃度変化に先行していますから、海水温の上昇に伴ってCO2が大気中に放出されたと考えるのは自然です。もし滞留時間が200年であれば、もっと長い時間スケールで両者を比較する必要があり、話は変わってきます。
下の槌田・近藤氏の論文によると現在の気温では海水からのCO2放出が支配的ですが、0.6℃くらい寒冷化が進めば大気中のCO2濃度の上昇は止まるらしいです。もしそうなれば、CO2人間活動起源説は完全に否定されるでしょう。
http://env01.cool.ne.jp/global_warming/saiban/rep01.pdf

2.
さっき、はれほれさんのHPを見ましたが、この話は彼の方が詳しいのではないかと思います。
答えを先に言うと、『そもそも地球温暖化のモデルが間違っているから』ではないでしょうか。
温室効果とは暖められた地表から赤外線が放射され(黒体放射という現象です)、それが大気によって吸収されて起こります。地球で最も重要な温室効果ガスは水蒸気で赤外線の大部分を吸収しますが、波長8〜14μmの赤外線は吸収されません(大気の窓)。従ってこの波長域を吸収できるかどうかが温室効果ガスの指標となり、CO2は大気の窓に近い15μmに吸収端を持つため、温室効果ガスと言えます。
ところが衛星による観測や理論計算によると、CO2による15μmの吸収は現在のCO2濃度でほぼ飽和しており、これはCO2濃度が上がっても気温上昇はほとんど効かないことを意味しています。例えばCO2濃度を現在の30倍の1万ppmにしても赤外線吸収(=温室効果)は僅か5%ちょっとしか増えませんし、これではCO2による地球温暖化は起きません。
それに対して温暖化論者は“放射平衡モデル”を提唱しています。これは簡単に説明すると、
『CO2に吸収された15μmの赤外線はすぐに放出され、次のCO2によってまた吸収・放出され、何度も吸収・放出を繰り返すうちに赤外線は地表にぶつかり地球が温暖化する』
という考え方。このモデルではCO2の濃度が上がれば上がるほど温暖化に効いてきます(光学的距離が長くなるから、と説明されます)。
ただこのモデルには致命的な間違いがあり、それは、
『CO2に吸収された15μm赤外線は下層大気では再放出されない』
何故かと言いますと、大気中では赤外線を吸収したCO2はすぐに他の分子(N2、O2など)と衝突し、吸収したエネルギーを他の分子に(運動エネルギーとして)渡してしまうからです。15μm赤外線は単純にCO2に吸収され周りの空気を暖めるだけですから、CO2による吸収が飽和している以上、CO2濃度が増えても地球はほとんど温暖化しません。(真空や気圧の極端に低い環境であれば、赤外線は再放出されます。)
放射平衡モデルはシミュレーションしやすいため温室効果の計算に使われますが、物理的にはありえないモデルなわけです。
私は物理屋ですが、この辺の感覚が物理屋と環境屋の違いかな、という気がしています。

難解な説明ですみません、間違っていましたら、どなたか指摘して下さるとありがたいです。