ここから本文です
[PR]

<五輪距離>石田「満足」…スパートで2人かわし5位入賞

2月28日19時16分配信 毎日新聞

 バンクーバー冬季五輪は27日(日本時間28日)、ノルディックスキー距離女子30キロクラシカルを行い、日本の石田正子(JR北海道)が5位に入賞した。距離競技では、男女を通じて日本勢の五輪史上最高成績となった。

 29.2キロ地点で5位を争う集団の7位だった石田が、残り800メートルで持ち味を発揮した。

 まずは最後の下りで1人をかわす。トラックに入るとギアを1段上げて加速。もう1人を抜き去り、4位もとらえようかという猛烈なスパート。そこは約3秒届かなかったが、日本距離界史上に残る快挙となる5位でゴールに入ると、誇らしげに両腕を突き上げた。「今やれることはやった。満足している」。身長161センチの体が何倍も大きく見えた。

 ラストスパートは熱かったが、レース中は冷静だった。1周目でグリップの利かなかった板を即座に交換。20キロでもう一度替えた。5周目で集団がばらけても、飛び出したりしない。ついていけば疲労の原因となる乳酸がたまる。「焦るな」「落ち着け」。何度も自分に言い聞かせ、蓄えた力を最後に爆発させた。

 トリノ五輪は10キロクラシカルで31位に終わる惨敗だった。このころから、日本も遅ればせながら、短距離と長距離の垣根を取り払った練習を行うようになった。短距離の瞬発力や駆け引きの方法、長距離の粘りは、それぞれどちらの種目にも必要な要素。石田は、短距離を得意とする先輩の夏見と走りを磨いた。その結果、「双方が向上した」と岡本英男ヘッドコーチは言う。

 それが実ったのが09年2月の世界選手権。夏見と組んだ団体スプリントで4位に入賞し、10キロクラシカルも8位。続くワールドカップ(W杯)では、この日と同じ30キロクラシカルで初の表彰台となる3位に入った。

 今季は腹筋や背筋などを重点的に鍛え、ポールを押す力を増やした。無駄のない滑りをするため、ポールが板から離れないようにフォームも改善。「ちょっとうまくなったかな」と、リズミカルにはねるような走りが、さらに力強くなった。

 大きな期待を背負って挑んだ2度目の五輪で「日本のクロスカントリーの歴史を塗り替えた」(岡本コーチ)といえる29歳。日本距離陣が五輪でメダルを獲得するという夢に、現実味を帯びさせてくれる大健闘だった。【立松敏幸】

【関連ニュース】
【明快図説 距離】雪上マラソン…クラシカルとフリーの違いは
【五輪距離特集】競技の見どころと最新ニュース、日本代表プロフィルをみる
【写真ハイライト】愛子、長島、高橋、真央に美姫…日本勢の活躍を写真で見る
【明快にわかる図説特集】これであなたもオリンピック通
【観戦に役立つ】バンクーバー五輪:日付別、注目競技とテレビ予定

最終更新:3月1日16時28分

毎日新聞

 

主なニュースサイトで 石田正子 の記事を読む

PR

PR
ブログパーツ

スポーツトピックス

注目の情報


nikkei BPnet for Yahoo!ニュース

nikkei BPnetnikkei BPnetの注目コラムをYahoo!ニュースの読者のために厳選しました。
最新のコラムを読む

PR

注目の商品・サービス

  • プロが使う「情報収集ツール」の活用法
PR