2010年3月2日0時2分
2011年以降、日本の家族はどうなっていくのだろうか。
11年7月24日からの地上波放送のデジタル化で、アナログのテレビ受像機では、地上波も衛星放送も受信できなくなる。各テレビ局がデジタル用受像機やチューナーへの買い替えを呼びかけた効果と、エコポイント制度の影響が加わり、液晶デジタル大型テレビなど、デジタル用のテレビがこの不況のなかで売れている。しかし、地上波デジタル化の影響は消費者に意外なところで現れると予想される。
高度成長以降、日本の家庭では、個室化が進んだ。2人用や1人用の子供部屋が日本の住宅では普通の風景になった。さらに、個室にはテレビが置かれ、子供もそれぞれの部屋で好きな番組を見る視聴形態も一般的な状況になりつつある。その結果、居間やお茶の間で家族そろってテレビを見る機会は、オリンピックなどの大きなイベントを除いては、むしろ、珍しい状況となっている。
今、大型テレビが売れていることに注目すると、デジタル用に買い替えが進んでいる多くのテレビ受像機は、恐らく居間用のテレビであろう。逆に、子供部屋をはじめ、個室用のテレビのデジタル化は、あまり進んでいないと予想される。さらに不況が続けば、今後、パソコンテレビも含め個室のテレビをデジタル用に買い替える第2次需要ブームは縮小する。
さて、そのような状況の中で、メディア離れが顕著な若者が、部屋にテレビがないことを理由に大型テレビを見に個室を出て居間に集まる可能性はあるのか。家族だんらんはよみがえるのか。しばらくは、テレビの買い替え状況とともに日本の家族の動向にも注目していきたい。(深呼吸)
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「経済気象台」は、第一線で活躍している経済人、学者など社外筆者の執筆によるものです。