福岡県後期高齢者医療広域連合設立に絡む汚職事件で、贈賄罪で起訴された県町村会長で添田町長の山本文男被告(84)が1日、町議会の全員協議会に出席し、町長職については「町民が決めること」、町村会長職についても「幹部と話し合って方針を決める」と述べ、事件の責任を取って自ら辞職する考えはないことを強調した。2月2日の逮捕後、公の場所に姿を見せるのは初めて。
同協議会で山本被告は「3期目の副知事就任祝いと、広域連合に努力してくれたことへのお礼で100万円を渡した。それがけしからんと言われた」と事件の経緯などを説明。町長職の進退については「町には何の迷惑もかけていない」と主張。議員側が「そういう発言は常識がない」と批判すると、「ありがとうございます」とかわした。
山本被告は協議会後に記者会見し、起訴について「(悪いという認識は)ある」と言及。一方で汚職事件の被害者は誰と思うか、との問いには「私でしょう」と述べた。
起訴状によると山本被告は、同広域連合設立準備委員会の会長だった前県副知事の中島孝之被告(68)=収賄罪で起訴=に2007年8月、広域連合設立に際して町村会側に便宜を受けた見返りに、県町村会前事務局長の笹渕正三被告(80)=贈賄罪で起訴=とともに現金100万円を渡したとされる。
=2010/03/01付 西日本新聞夕刊=