「交響情人夢(タオホンツェンヤンモン)」と書かれた香港版タイトルの看板前に2人が現れると、「ムキャー!!」と、悲鳴にも似た歓声がわき上がった。
香港初訪問となる上野は、あまりの熱気に戸惑いながらも、「樹里ちゃん、可愛い」という日本語の声援や、「野田妹(イエティン、ムイ=香港での上野の愛称)大好き」と書かれたプラカードにニッコリ。「まさか、ここまでのだめが浸透しているなんて。しかも、こんなに身近に私たちのことを感じてくれてたんだ」と大感激だ。
日本国内興収40億円の実績を土産に、満を持してアジア進出を果たす「のだめ−」。中でも、先陣を切る香港は、07年夏の同テレビシリーズ放送以来、2人の非公式ファンクラブができるなど大きな人気を誇る。
それだけにプレミアが行われた香港最大級の会場、スターホールの1600席のチケットは、わずか15分で完売。空港や同日昼のファンイベントにも追っかけファンが殺到した。2人は合間を縫って現地30媒体の取材も。まさに香港の街は、のだめフィーバーだ。
熱い歓迎を受けた上野は「やっぱり映画は国境を越えられる」と大興奮。今後は、マカオ、台湾、シンガポール、韓国、ブルネイ、マレーシアと“アジア制覇”に向け公開が続くことに「この勢いで作品の魅力が伝わっていけば」。さらに、ロケ地・欧州の凱旋上映にも期待を寄せる。
上野は「(フランスやオーストリアなどで)お世話になったスタッフにも見てもらいたい」、玉木も「撮影地での公開は僕らの夢」と、それぞれの熱い思いを明かした。
製作サイドは、欧州だけでなく北米も合わせた“世界進出”にも意欲。
香港での大成功は、2人にとって、夢の架け橋への大きな一歩となったようだった。(古田 貴士)