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三陸、養殖の被害甚大 漁業関係者が確認急ぐ 東北・津波

漂流し折り重なる養殖いかだ。津波から一夜明け、漁業被害が広がっている=1日午前8時30分ごろ、気仙沼市大島瀬戸

 南米チリの大地震=マグニチュード(M)8.8=で、東北の太平洋沿岸に繰り返し押し寄せたチリ大地震津波から一夜明けた1日朝、全国有数の水産業地域・三陸の各漁港では養殖施設の流出など漁業被害が次第に明らかになり、関係機関が確認に追われた。宮城県塩釜市の離島では水道が断水し、市が復旧作業を急いでいる。JRはほぼ平常運転になったものの、一部で前日の運休の影響が残った。

 宮城県と同県漁協は1日午前までに、気仙沼湾、志津川湾、松島湾の3カ所で養殖施設が流されているのを確認。カキ、ノリ、ワカメ、コンブの養殖いかだとみられる。

 石巻市狐崎浜では1日午前6時、地元漁協の組合員が海に出て調査を開始。阿部和芳支所長(50)は「今季(5月まで)のカキがまだかなり残っていたが、ほぼ全滅だ。来シーズン用の2年ものにも被害が出ている」と来季への影響の広がりを心配した。

 宮城県南三陸町は午前9時すぎ、町役場で対策会議を開き、三浦満夫産業振興課長が「詳細は不明だが、上空からの映像ではワカメ、ギンザケの養殖への影響が大きいようだ」と報告。漁協、漁業者からの情報収集を急ぐことを確認した。

 同町志津川大森のワカメ養殖業三浦保文さん(60)は「見回ってみたところ、養殖いかだのロープが海中で絡み合い、人の手だけでは直せない。ワカメはデリケートだから、出荷できないものがかなり出そうだ」と悔しそうに話した。

 塩釜市・浦戸諸島の野々島、寒風沢島、朴島では28日午後6時半ごろから、138世帯が断水している。津波で海中送水管が破損したのが原因とみられる。
 塩釜市は、断水している島に住む水道局職員らと連絡を取り合いながら、別系統の送水管に切り替える作業を進めており、1日夕の復旧を目指している。

 交通面では、三陸鉄道が始発から運転を再開するなど、徐々に復旧に向かった。JR東北線は、前日の運休の影響で車両の手配がつかず、午前5時47分小牛田発仙台行き上り普通列車1本が運休。気仙沼と離島・大島を結ぶ大島汽船は1日午前6時の始発から平常運航となった。


2010年03月01日月曜日

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