トヨタ・リコール問題と豊田家
2010年03月01日12時59分 / 提供:チャンネルナックルズ
トヨタ・リコールはアメリカの雇用にさえ、影響を与えると言う。2、3年前にビッグ3を崩し、「世界一の企業」とさえ称する人までいたのに、一挙に奈落の底に落とされた感がある。
僕が前に勤めていた出版社は、徹底的にエンタメ色を排除し海外情勢、国内政治、国内企業、経営、社会情勢に絞った雑誌作りをしていた。僕は次長だったのでデスク的役割であるが、当然記事も担当する。社会情勢と政治の企画が多かった気がするが、たまに企業モノも担当した。JTや日産。そしてトヨタである。
恐らくオーナーは僕の事を、スキャンダル的な事に長けている編集者と思っていたのだろうか、よく「○○のスキャンダルについて書けないか」という話題を振ってきた。例えば「三菱東京UFJの三和時代の不正融資について云々」。
その中でよく言っていたのが「トヨタについて書けないか」である。オーナーのそれは、むしろ怨念に近いものがあり、時間があれば「三菱東京UFJ」「トヨタ」について喋った。
この人と会社を立ち上げたI元編集長は企業の本を何冊も出しており、企業記事に関してはオーソリティーだった。この人が 言っていた言葉があるそうだ。
「企業記事を書くという事は人を書く事」
といった趣旨のものだという。オーナーから聞いたので記憶違いだったら申し訳ない。もしかしたら、オーナーの師匠M氏の言葉だったかも知れない。
そしてよく、当時副社長だった豊田章男氏の事を「バカ殿」と言っていた。
果たしてそうだろうか。その根拠は色々あるだろうが、一つは「記者会見の時、裸足で革靴」で臨んだ、というもの。これがオーナーの琴線に触れたらしい。
僕は何人かの経済記者、自動車ジャーナリストの話を聞いた。説得力があるな、と感じたのは情報源は明かせないが、豊田家と親密な関係にあった元役員の言葉。
「章男さんは章一郎さんは勿論、張さん、奥田さん、渡辺さんらには到底及ばない。だがトヨタの中では『課長級』くらいの能力はある」というものだった。
ある意味、誉め言葉でもあり屈辱的な表現でもある。トヨタの課長ならかなりの能力ではあるが、世界有数の企業の経営としては、いかがなものかと苦言を呈せられたようなものだ。
だから僕は公聴会のニュースを見て、「あそこに座って涙を流しているのは五十歳を少し過ぎた課長さんが槍玉に挙がっているんだな」と見ている。
だからといってトヨタに同情はしないものの、やっぱり体質を変えないとダメでしょ、と思う。トヨタのマスコミ支配の傲慢さは、以前から記者の間で囁かれていたからだ。
ある日、僕は名古屋の毎日新聞社に知り合いの記者を訪ねた事がある。駅前に「トヨタ・毎日ビル」(正確な名称でないかも知れません)があり、その中だと言う。
ビルを見てビックリした。物凄く綺麗で新しい高層ビルである。「竹橋の毎日新聞本社よりデカイな…」。
ところがビルの中に入り、記者に聞いて見ると毎日新聞のフロアはその中のワンフロアだけで、しかも一部だと言う。「トヨタ・毎日ビル」は大げさですよ、とその記者は苦笑いしていた。 なので「じゃ、益々、トヨタの批判記事は書けませんね」と言うとその記者は苦笑いのまま曖昧にうなずいた。
トヨタの態度はその頃、この高層ビルのように傲慢だった。スズキを見習え、と言いたくもなる(苦笑)。
豪腕と言われた奥田元社長も豊田家の威光には逆らえない(かった)。ここ数年のトヨタの社長人事は全て章男社長に禅譲するものだったのは、ここで僕ごときが言うまでもない。
「課長」が社長になってしまったトヨタの悲劇。公聴会を見ていてふと、そんな感想を抱いた次第である。
(文=編集部•久田将義)
僕が前に勤めていた出版社は、徹底的にエンタメ色を排除し海外情勢、国内政治、国内企業、経営、社会情勢に絞った雑誌作りをしていた。僕は次長だったのでデスク的役割であるが、当然記事も担当する。社会情勢と政治の企画が多かった気がするが、たまに企業モノも担当した。JTや日産。そしてトヨタである。
恐らくオーナーは僕の事を、スキャンダル的な事に長けている編集者と思っていたのだろうか、よく「○○のスキャンダルについて書けないか」という話題を振ってきた。例えば「三菱東京UFJの三和時代の不正融資について云々」。
その中でよく言っていたのが「トヨタについて書けないか」である。オーナーのそれは、むしろ怨念に近いものがあり、時間があれば「三菱東京UFJ」「トヨタ」について喋った。
この人と会社を立ち上げたI元編集長は企業の本を何冊も出しており、企業記事に関してはオーソリティーだった。この人が 言っていた言葉があるそうだ。
「企業記事を書くという事は人を書く事」
といった趣旨のものだという。オーナーから聞いたので記憶違いだったら申し訳ない。もしかしたら、オーナーの師匠M氏の言葉だったかも知れない。
そしてよく、当時副社長だった豊田章男氏の事を「バカ殿」と言っていた。
果たしてそうだろうか。その根拠は色々あるだろうが、一つは「記者会見の時、裸足で革靴」で臨んだ、というもの。これがオーナーの琴線に触れたらしい。
僕は何人かの経済記者、自動車ジャーナリストの話を聞いた。説得力があるな、と感じたのは情報源は明かせないが、豊田家と親密な関係にあった元役員の言葉。
「章男さんは章一郎さんは勿論、張さん、奥田さん、渡辺さんらには到底及ばない。だがトヨタの中では『課長級』くらいの能力はある」というものだった。
ある意味、誉め言葉でもあり屈辱的な表現でもある。トヨタの課長ならかなりの能力ではあるが、世界有数の企業の経営としては、いかがなものかと苦言を呈せられたようなものだ。
だから僕は公聴会のニュースを見て、「あそこに座って涙を流しているのは五十歳を少し過ぎた課長さんが槍玉に挙がっているんだな」と見ている。
だからといってトヨタに同情はしないものの、やっぱり体質を変えないとダメでしょ、と思う。トヨタのマスコミ支配の傲慢さは、以前から記者の間で囁かれていたからだ。
ある日、僕は名古屋の毎日新聞社に知り合いの記者を訪ねた事がある。駅前に「トヨタ・毎日ビル」(正確な名称でないかも知れません)があり、その中だと言う。
ビルを見てビックリした。物凄く綺麗で新しい高層ビルである。「竹橋の毎日新聞本社よりデカイな…」。
ところがビルの中に入り、記者に聞いて見ると毎日新聞のフロアはその中のワンフロアだけで、しかも一部だと言う。「トヨタ・毎日ビル」は大げさですよ、とその記者は苦笑いしていた。 なので「じゃ、益々、トヨタの批判記事は書けませんね」と言うとその記者は苦笑いのまま曖昧にうなずいた。
トヨタの態度はその頃、この高層ビルのように傲慢だった。スズキを見習え、と言いたくもなる(苦笑)。
豪腕と言われた奥田元社長も豊田家の威光には逆らえない(かった)。ここ数年のトヨタの社長人事は全て章男社長に禅譲するものだったのは、ここで僕ごときが言うまでもない。
「課長」が社長になってしまったトヨタの悲劇。公聴会を見ていてふと、そんな感想を抱いた次第である。
(文=編集部•久田将義)
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