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「救急は名ばかり」大阪地裁言及 妊婦の遺族訴えは棄却

2010年3月1日15時5分

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 奈良県大淀町の町立大淀病院で2006年8月、出産中に意識を失った高崎実香さん(当時32)が19病院から転送を拒否された末に脳内出血で死亡したことをめぐり、夫の晋輔さん(27)=奈良県五條市=ら遺族が町と当時の担当医師(62)に慰謝料など約8800万円の賠償を求めた訴訟で、大阪地裁の大島真一裁判長(島村雅之裁判長代読)は1日、遺族の「診断を誤り、すぐに処置しなかったのが原因」とする訴えを棄却する判決を言い渡した。

 ただ判決は、付言で「もっと早く搬送されれば助かったのではという気持ちは十二分に理解できる」と指摘。そのうえで、日本の救急医療について患者が何時間も待たされる事態があることを挙げ、「救急医療とは名ばかり。命を守ることは国や地方公共団体に課された最も基本的な義務だ」と述べ、救急体制整備に異例の言及をした。

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