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さくらや全店閉鎖 家電量販店の競争激化のなか、64年の歴史に幕
このニュースのトピックス:企業吸収・合併・提携
家電販売の競争激化により清算が決まった家電量販店「さくらや」は28日、首都圏の全11店舗で最後の営業を終え、64年の歴史に幕を閉じた。25日までに閉鎖した新宿東口駅前店(東京都新宿区)、船橋店(千葉県船橋市)4店は親会社のベスト電器と資本提携しているビックカメラが引き継ぐ。
親会社のベスト電器が今年1月12日に経営再建策の一環として、営業赤字が続いていたさくらやの清算を決定。2月末までに1都3県で展開する「さくらや」全15店を閉める計画を公表していた。
さくらやは昭和21年に創業。池袋や渋谷など首都圏の駅前を中心に出店し、規模を拡大してきた。最盛期には大手カメラ系家電量販店のヨドバシカメラ、ビックカメラと並び「3カメ」と呼ばれた。しかし、店舗の大型化の波に乗り遅れたほか、ヤマダ電機などの郊外型家電量販店の台頭による競争激化で業績が悪化。平成18年には九州地盤のベスト電器の傘下に入り、経営再建を目指したが、その後も業績悪化に歯止めがかからなかった。
家電量販店業界はエコポイント制度効果で薄型テレビなどのデジタル家電の売れ行きが好調だが、店舗間の競争は激しさを増している。景気低迷による雇用・所得不安で先行きも厳しいと予想され、業界内では「今後、業界再編が加速する」(大手家電量販店幹部)との声もあがっている。