公訴時効の撤廃・停止を求めて結成された「殺人事件被害者遺族の会」(宙(そら)の会)は28日、東京都千代田区の上智大学で結成1周年集会を開いた。法相の諮問機関・法制審議会が殺人罪の時効廃止を答申しているが、遺族は改めて時効廃止への思いを訴えた。集会での決議文は3月中旬、賛同する署名を添えて、千葉景子法相に提出する。
会には現在、22事件の遺族が参加。集会では上智大生殺害事件(96年9月)で次女を失った小林賢二・代表幹事(63)が「答申に基づき、一日も早い法案成立を切に望みます」と決議文を読み上げた。
愛知県豊明市母子殺害事件(04年9月)の遺族、渕村信子さん(71)は「娘と孫3人を一度に亡くした時から心の時計は止まったが、宙の会に入り、その時計が少しずつ動いている感じがする」と涙で言葉を詰まらせた。【山本浩資】
毎日新聞 2010年3月1日 東京朝刊