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チャンバラトリオの頭・南方英二さん逝く

 舞台で熱演するチャンバラトリオ。右端が南方英二さん。中央は山根伸介(1979年11月19日、うめだ花月)
 舞台で熱演するチャンバラトリオ。右端が南方英二さん。中央は山根伸介(1979年11月19日、うめだ花月)

 ハリセンと本格的な殺陣を組み合わせた時代劇風コントで人気を得たお笑いグループ「チャンバラトリオ」の南方英二(みなかた・えいじ、本名・楠本喜八郎=くすもと・きはちろう)さんが26日午後8時33分、肝硬変のため大阪府内の病院で死去したことが27日、明らかになった。77歳だった。芸人仲間から「頭(かしら)」と慕われた芸歴50年以上の大ベテラン。先月まで劇場に立ち、最後まで現役を貫いた。

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 ボケ役の顔や頭を「ハリセン」でバシッとたたいて突っ込み、たたかれた方は大げさに痛がる‐。大人気コント「大阪名物ハリセンチョップ」で一世風靡(ふうび)した芸人が逝った。

 所属の吉本興業によると、南方さんは20日に体調不良を訴えて大阪府内の病院で診察を受け、肝硬変と診断。入院はせず自宅で静養していたが、26日に容体が急変し、病院に搬送されて息を引き取った。

 最後の仕事になったのは1月5日から11日まで出演した大阪・京橋花月での舞台。「特に変わった様子はなく、いつも通りにされていました」(劇場関係者)という。

 メンバーの高齢化などもあり、最近は劇場出演は2、3カ月に1回のペースになっていた。しかし、「あれだけのキャリアがあっても舞台では常に全力勝負。後輩の良い見本だった」と関係者は話し、仕事への情熱は一向に衰えていなかった。

 ただ、病院は苦手だったようで「定期的に診察を受けるようなこともなかったし、好きなお酒と芸を楽しんでらっしゃったと思います」と芸人らしく生きた人生だった。

 リーダーの山根伸介(73)は「あと2年で50周年を迎えることになり、『きれいに幕を下ろしたい』と2人で誓った矢先でした」と突然の死を悼んだ。「残った私が若手や吉本の手を借りて、何とか結成50周年をやり遂げますので見守ってください」とコメントした。

 南方さんは故萬屋錦之介さんに師事し、63年に「チャンバラトリオ」を結成。時代劇俳優出身という経歴を生かした本格的な殺陣とハリセンを組み合わせた芸で人気者となり、76年には上方漫才大賞を受賞した。

 俳優としても活躍し、北野武監督作品「ソナチネ」などにも出演した。

 通夜・葬儀は親族のみで営まれる。喪主はめいの楠本勝子(くすもと・かつこ)さん。

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