チリ地震で死者３００人超す、バチェレ大統領「２００万人以上が影響」

２７日、チリ地震被災地のコンセプシオンで、がれきの下から生存者を救出する作業員（ＡＰ＝共同）

　南米チリ中部で２７日未明（日本時間同午後）に発生したマグニチュード（Ｍ）８・８のチリ大地震で、チリ国営テレビは同日、災害対策当局者の話として国内の死者が３００人を超えたと報じた。震源地付近のビオビオ州だけで約４０万人が被災、全土で住宅約５０万戸が深刻な被害を受けた。バチェレ大統領は「２００万人以上が影響を受けた」と表明。死傷者数はさらに増える恐れがある。

　在チリ日本大使館は２８日、在留邦人１１９７人（昨年１０月時点）の大半と連絡を取り、いずれも無事であることを確認したことを明らかにした。

　ロイター通信によるとビオビオ州の州都コンセプシオンではほぼ真っ暗闇の中、数百人が屋外のテントなどで夜を過ごした。地元テレビによると１５階建ての建物など多数が倒壊。トア同州知事は州内の死者が６０人に上る可能性があると述べた。一部住民は食料品などを略奪。近郊の町では刑務所から２０９人の受刑者が脱獄した。

　日本大使館はコンセプシオンに住む邦人３８人についても順次安否確認を進めている。岡田克也外相によると、このうち約半数の無事を確認した。

　バチェレ大統領は２７日、国民向けにテレビで演説。「政府は正常化に向けて全力を尽くす。復興は簡単ではないが、私たちは乗り越えられる。チリよ、がんばろう」と訴えた。

　大統領は、今後３日間にわたり市民が多数集まるような行事を全土で中止し、近く予定されていた学校の新学期開始も延期すると発表。国民に燃料や水の節約を求めた。

　ＡＰ通信によると、Ｍ５以上の余震が１００回以上観測された。ロイター通信によると、世界一の生産量を誇るチリ国営銅公社（コデルコ）は、銅山２カ所の操業を停止した。
（共同）

（2010年2月28日18時31分  スポーツ報知）

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