白菊
2006/04/23 (Sun) 00:11
昔なまはんかで風流ぶる女がいた 男がその近くに住んで
いたが女には余り関心を示さなかった
女は歌を詠む人だったので 男がだうするかと思って
菊の花の衰へかかり紅色がかったものを折って男のもとへ
歌を添へて送った
男はこの歌の意味が分からないふりをして返歌を詠んだ
むかし なま心ある女ありけり 男 近うありけり
女 歌よむ人なりければ心見むとて菊の花のうつろ
へるを折りて男のもとへやる
くれなゐに にほふはいづら白雪の
枝もとををに降るかとも見ゆ
男しらずよみによみける
くれなゐに にほふがうへの白菊は
おりける人の袖かとも見ゆ
美しい紅色はどこにあるのでせう この菊は枝も撓む
ばかりに白雪が降り積っているやうに真っ白に見えますよ
(あなたは色好みだと聞きますが一向にそれらしき節も
ありませんねぇ)
紅色を隠すかのやうな白菊は これを折ったあなたの
袖の重ねの色に見えますね
白い上着の袖口から赤い下重ねが見えますよ
下にあなたの好色の心があるのでは?
からかひには からかひで返事
所詮 田舎物 とても業平には勝てません