JR西日本の人気車両500系新幹線が28日、「のぞみ」としての最終運転を迎えた。東京-新大阪間では見納めとあって、東京駅ホームには1500人の鉄道ファンらが詰めかけ、別れを惜しんだ。
前日のチリ大地震による津波の影響が心配されたが、無事にラストランを迎えた500系。午後0時13分、東京駅17番線ホームに上り「のぞみ」6号(16両編成)が到着すると、カメラを持った鈴なりのファンらが盛んにシャッターを切っていた。17分後の0時半、東海道区間最後の「のぞみ」下り29号として定刻通り博多に向け発車。ファンらは「ありがとう!」「(こだま号として)頑張れよ」などと声をかけ見送っていた。
JR西日本が開発した500系電車は、1997年3月から新大阪-博多間で運転開始。当時世界最高時速300キロの営業運転を実現し、同年11月からはJR東海にも乗り入れ、東京-博多間で「のぞみ」として運用してきた。15メートルに及ぶ鋭くとがった先頭の形状と丸みを帯びた車体、翼形パンタグラフを採用するなど、時速300キロの高速化に対応した独特のデザインで、鉄道ファンや子供たちに人気がある車両。すべての車両が電動車で16両編成9本、144両が製造された。
「のぞみ」としての使命を終えた500系は、8両編成に短縮し、新大阪-博多間の「こだま」専用として運用される。【松田嘉徳】
2010年2月