2010.2.26 05:00
経済産業省が25日にまとめた国内外企業へのアンケート調査で、国内への企業誘致に関し、日本の「立地競争力」が急速に低下していることが明らかになった。
海外企業のアジア地域本社の立地先は、2007年度調査では日本がトップだったが、今回の09年度調査では中国に取って代わられた。また、日本企業でも、生産機能の海外移転を検討中の会社数が、今後も国内拠点を維持するとした会社数を上回り、国内の地盤沈下ぶりが浮き彫りになった。
今回まとめたのは、経産省が行った「欧米アジアの外国企業の対日投資関心度調査」と、「日本の産業競争力に関するアンケート調査」の概要だ。
海外企業180社を対象に、日本、中国、インド、韓国、香港、シンガポールの6カ国・地域について、立地先魅力度を聞いたところ、09年度調査では、中国が地域本社や製造、研究開発(R&D)、金融など全7分野でトップを独占した。
日本は07年度時点は地域本社、R&Dでトップだったが、09年度は地域本社で香港、シンガポールにも抜かれて4位に転落した。R&Dは2位に後退し、3位のインドとほぼ同等の評価だった。
一方で、日本企業283社の調査では、生産機能の海外移転を検討中(決定を含む)が90社、R&Dも30社が移転を検討し、国内拠点を維持すると答えた企業は84社にとどまった。