バグダッド(CNN) 来月7日に連邦議会選を控えるイラクのマリキ首相は26日までに、旧フセイン政権に仕えた軍将校約2万人を再度入隊させる計画を明らかにした。国防省当局者が表明した。
約2万人の中には、イスラム教スンニ派主導だったフセイン時代の与党勢力、バース党の党員もいるとみられる。議会選を前に、シーア派主導の政府の「公正と責任(バース党排除)委員会」は先に、同党を称賛したとして一部候補者の立候補を禁止する決定を下している。
この措置にスンニ派系政党が反発、選挙ボイコットを一時は打ち出していた。軍将校の再入隊計画は立候補禁止措置とは矛盾するもので、少数派クルドの政党などは選挙での集票を狙った露骨な手段とマリキ首相を非難している。
バース党は2003年の米軍事作戦後、米占領当局により解党されている。この結果、多数のスンニ派系バース党党員が政府の職から締め出されてもいた。軍事作戦後に激化した宗派抗争の遠因ともなっており、米国は一部の党員の公職への復帰などをイラク政府に促している。