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2010-02-26

古典は危険

そもそも世界の古典、聖書とかクルアーンとか論語とかも含めて、いったいどういう立場の人が書いたのかを知らないと危険である。そもそも普遍的なものなんて、具体的な技術にだってそれほど多くはないし、生きる知恵的なものでも、これだけ民族文化が違うのにもかかわらず、共通するようなものだったら、わざわざ読まなくても伝わってるもんだ。でもそういうのって「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」(過剰はよくない)みたいな、もう基本中の基本だったりする(で、日常守りがたいものばかりだったりする)

金持ちか苦労人か

まず、庶民か、王族貴族の出か、ってのは大きいです。孔子モーセは素性がよくわからないけど、どちらかというと成り上がりっぽい。イエスは普通の人みたいだ。でもムハンマドになると結構な家柄である。だいたい苦労人の方が過激な事を言う。 裕福な思想家は結局「世の中はわからん、人生は儚い。でも面白いことはあるし、いい事もある」という厭世的楽観論者が多い。釈迦がその典型だね。ネパールの王子ですからねプラトンは土地持ち貴族だけど、没落気味だからちょっと屈折している、それにくらべるとアリストテレスんちは新興マケドニアの王家番医者だから、基本金持ちですね。二人の思想の違いはあきらかです。プラトンの過激さや宗教性はやはり苦労の故でしょうか。。アリストテレスには余裕のある純粋興味っていうおおらかさを感じますね、その政治傾向にさえ。しかも割と現実的ですな。


余裕がでてくると、落ち着いて現実を見渡せるので、結論を急がなくてもいい、もっといえば結論なんか出なくてもいいという感じになるんだろう。 その反面ある意味訴求力が乏しい。だいたい現在力のある宗教は心身ともに虐げられた人々を土台に広まってきたものだので、基本、単純で過激な教えが基本だ。 そもそも余裕なんかない。生きるか死ぬか、体的にもキツい、心も打ちのめされている。そんな人々に「人生は夢のよう、存在は本質ではない。この世の実体はない」とか言っても、「飯だ、権力だ、この悲惨な自分に対する憎しみをどうにかしろ!」っていう相手にはどうにもならんですよ。もっと端的に「この世はだめ!あの世でOK。そのためにはこれ!」とポンポンポンて速攻でいかんと。


日本の信仰だって、そもそも貴族の「世は儚いね。うるうる。でもいろいろ考えようか」みたいな柔な観念ものよりも、庶民では「この世はだめ!念仏OK!そんでもって浄土!」って感じで大受けするわけですから。ある意味ものすごい単純でパワフルである。


技術エネルギー文明とセックス

おそらく、人類の本質は技術であり、ものすごく大ざっぱに言えば「技術とエネルギーの文明」である。で、それは結局「文明による文明のための文明」であって、人間は結果的に「長寿」=過剰生存してるだけである。だから、技術発展、浸透ともに、事態がめまぐるしく変わる。でも基本、人間の本質は変わらないというか、増えないというか。。生まれて、育って、子供作る作らないで、死ぬ。その繰り返しであろう。成長した体の本質的必然傾向は古今東西変わらず「セックス」である。ようするに生殖。もちろん生殖と関係のない性的快楽という副産物はどうなんだ?ってことになるかもしれないが、その万人に対する「性」の強烈さはこの「必然性」の情動面であって、文明が在る程度それを増幅できたとしても、実際たいしたことがない。またそもそも人間が勝手に本能に想定している生殖」にまつわる母性とか親性の方が文明の産物かもしれず、基本「セックスしたい」だけというのが成長した生体の必然傾向だろう。脳みそなんて完全にそういう下半身の奴隷である。


宗教が未だに生殖まわりで過激なのは、あたりまえといえばあたりまえだ。政治家、セレブ、そして聖職者のセックススキャンダルが古今東西ありあまるほど絶えない。。


それとは無関係に、技術エネルギー文明は自己発展を自己浸透を進めていく。人間の生体の都合なんて基本関係ない。ある意味、セックスとエネルギーというのは矛盾しているのかもしれない。


トロイア戦争の直接の原因はご存知の通り「寝取られ」である。 ヘレネという美女をめぐって、凄まじい戦争になったというお話である(史実ではない。歴史的には諸説あり)。しかしそのまた裏の原因は「増えすぎた人口の調整」である。 いわゆる戦争は自然の人口調整という根拠のない考えの出元がすでにこの古典的な神話にある。ようするに戦争を起こして得する階級がすでに育っていたということだろうか。。技術は生存過剰をもたらし、過剰は格差を生み、特権者は戦争で稼ぎ、セックス問題で破滅する。。てか。

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