二所ノ関部屋のマネジャー、大阪の稽古場で自殺
◆ 元三段目力士の猪口嘉幸さん、51歳 ◆
大相撲の元三段目力士で、二所ノ関部屋でマネジャーを務める猪口嘉幸(いのぐち・よしゆき)さんが26日、同部屋が宿舎を構える大阪・茨木市内の稽古場で首をつっているのを発見された。51歳だった。茨木署によると、天井のパイプにひものようなものが掛けられており、自殺とみて詳しい状況を調べている。猪口さんは22日から大阪入りし、3月14日に初日を迎える春場所に向け、土俵づくりなどの準備を進めていた。
◆ 首をつり…遺書は見つかっておらず ◆
猪口さんが変わり果てた姿で発見されたのは26日午前10時すぎだった。二所ノ関部屋の宿舎となっている大阪・茨木市の東本願寺茨木別院の境内にあるプレハブ内で、隣接する幼稚園の送迎バス運転手が、イスにもたれかかって首をつっている男性を発見。茨木署に通報した。男性は二所ノ関部屋のマネジャーで元力士の猪口嘉幸さん。同署は自殺とみて捜査を進めているが、遺書などは見つかっていないという。
猪口さんは春場所(大阪府立体育会館)の準備のため、22日に弟子5人とともに大阪入り。稽古場となるプレハブ内で土俵をつくっていた。発見されたときは灰色のトレーナーに黒のズボン。死亡推定時刻は断定されていないが、午前6時すぎにトイレに行く姿が部屋関係者に確認されている。
猪口さんは福岡県出身で、75年春場所で初土俵を踏み「二丈岳」(にじょうだけ)のしこ名で三段目まで昇進した。93年初場所を最後に引退、その後は二所ノ関部屋のマネジャーを務めてきた。
二所ノ関親方(元関脇金剛)は「3日前に電話があって打ち合わせをしたばかり。春場所前に迷惑をかけて本当に申し訳ない」と話し、午後2時に東京・墨田区の自宅から大阪に向かった。自殺の動機については明らかにされていないが、関係者によると、猪口さんは多額の負債を抱えていたともいわれている。理事選挙で角界を騒がせたばかりの二所ノ関一門にまたしても衝撃が走った。
[ 2010年2月27日付 ]
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