占守島の日本軍戦車展示へ 終戦後の悲劇、サハリンで【ウラジオストク共同】太平洋戦争で日本の降伏後にソ連軍と日本軍が交戦し、双方に多数の死傷者が出た千島列島最北端のシュムシュ島(占守島)に残る旧日本軍の戦車を、ロシア極東サハリン州が「歴史的な文化遺産」として今年9月を目標に州都ユジノサハリンスクの州立郷土史博物館で展示する計画を立てていることが27日、分かった。 シュムシュ島では日本が降伏後の1945年8月18日未明、ソ連軍が上陸し奇襲攻撃。武装解除を進めていた日本軍守備隊と戦闘になり、日本側の調査などによると、5日後の停戦協定までに日本側約350人、ソ連側約3千人が死亡し、「終戦後の悲劇の島」として知られる。 ソ連側は招集直後の若年兵で構成した部隊だったため、島での訓練を重ねていた日本側よりも多くの犠牲者が出たという。 サハリン州によると、シュムシュ島には現在、10両以上の旧日本軍戦車が残るが、保存状態が良い1両を今年6月にサハリン州へ移送する予定。同州文化局のサベリエワ文化遺産保護部長は「シュムシュ島に残る戦車は文化遺産。日本にも残っていない型式で、展示を決めた」と話している。 【共同通信】
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