2010-02-27 鳩山首相と小沢幹事長は「捨て石」に
_ [てっちん]鳩山首相と小沢幹事長は「捨て石」に
「政治とカネ」問題で鳩山政権が苦しんでいる。今月初めの共同通信社の世論調査でも、支持率41・4%に比べて不支持率は45・1%とじり貧状態に陥っている。先週日曜日(21日)に行われた長崎県知事選では、自民・公明両党が支援した無所属新人の前副知事中村法道氏が、民主・社民・国民新が推薦する無所属新人で元農林水産省改革推進室長の橋本剛氏を大差で破った。同日の東京都町田市長選でも民主・社民・国民新など推薦の無所属新人候補が自民系の現職に大差で敗れた。
この二つの選挙結果を見れば、鳩山首相の政治資金虚偽記載と、小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体の土地購入をめぐる収支報告書虚偽事件が影響したのは明かだ。内閣支持率がジリジリと下がり、地方選挙で次々と敗北してゆく。こんな鳩山政権を見ていると、なんだか自民党の麻生前政権の末期に似てきているような気がして仕方がない。きのう(26日)の衆院予算委員会で鳩山首相は政治とカネの問題について「反省して、しっかり立ち直る」と強調したが、そう言うわけにはいかないような気がする。
これは私見だが、国民の多くはもう少し民主党に政権をになわせてみたいと思っているに違いない。なぜかというと、自民党はまだまだ反省が足りないと思っているはずだ。だが、鳩山首相や小沢幹事長など民主党のスキャンダルが次々と暴かれる。政権党だからやはり厳しい態度で臨まなくてはならないとは思うが、一方で検察庁を頂上にした官僚組織の反撃に遭っているような気がしないでもない。
夏には天下分け目の決戦とも言える参院選が行われる。民主が勝てば、当分の間、民主政権が続くだろう。自民が勝てば、また政局は荒れるだろうし、最後には自民が政権を取り戻すようになるのではないだろうか。そうなれば、また自民と官僚が組んで国民が知らなくてならない重要な問題にふたをしてしまうだろう。そうなってはなんのための政権交代か分からなくなる。
鳩山首相と小沢幹事長は5月の普天間移設問題を片づけたら、即刻辞任すべきだと思う。菅財務相が首相になり、岡田外相が幹事長になって民主党は出直すべきだ。昨年、小沢氏は首相が目の先にぶら下がったのに代表を辞任した。そして再び人気を取り戻した民主党は衆院選で勝った。鳩山首相と小沢幹事長はもう一度党のために「捨て石」になってもらいたい。そして、自民に負けない政権党となって、本当の意味での2大政党時代の幕を開けてほしい。