「ふるさときゃらばん」を破綻に追い込んだガソリン税キャンペーン
2010年02月27日10時00分 / 提供:ゲンダイネット
劇団「ふるさときゃらばん」(東京)が、東京地裁に自己破産申請し、破産手続き開始の決定を受けていたことが明らかになった。村おこしやリストラなど社会問題をテーマにしたミュージカル制作で知られた老舗劇団を窮地に追い込んだのは何だったのか――。
創作ミュージカルを全国で上演し、業界では高い知名度を誇った「ふるきゃら」。「親父と嫁さん」は、文化庁芸術祭賞を受賞。「愛・地球博」でも作品を手掛けた。絶頂だった劇団が「転落」のきっかけとなったのはガソリン税(道路特会)に“手を付けた”ことだ。
「『ふるきゃら』は03年ごろから、国交省の委託で『みちぶしん』というミュージカルを制作しました。ツルハシを持った作業着姿の男たちが『道路を造れ。道路を造れ』『道路走って世界を開く。道路は新しい時代をつくる』――と歌う内容です。03年度から2年間で約80回、全国で上演されている。08年の国会で、この委託費に約5億円のガソリン税が支出されていたことが問題視され、大きな収入の柱を失うことになりました」(国交省事情通)
関東地方の劇団主宰者はこう言う。
「劇団の台所事情はよほどの大手でない限り、どこも苦しい。収入は会員の会費や入場料に限られる一方、支出は指導者への謝礼や会場費、音響に照明など莫大です。そのため、行政の補助は大きな魅力に映るのです。しかし、補助をアテにすると劇団の特色を失いかねない。『ふるきゃら』は、社会の矛盾やサラリーマンの悲哀という社会の“ひずみ”をテーマに扱うのがウリです。仮に道路なら、これまでに地域生活や環境をどれだけ破壊したのか――といった内容になるはず。しかし、補助があるため、批判できない。顧客離れの一因は補助金に安易に頼ってしまったことです」
名門劇団を追い込んだ背景には、国交省の浅知恵もあったのだ。
(日刊ゲンダイ2010年2月24日掲載)
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