1959年6月にうるま市の宮森小学校で起きたジェット機墜落事故と、2004年8月の沖縄国際大学の米軍ヘリ墜落事故をテーマにした写真・パネル展が25日から、宜野湾市の同大学13号館3階で開かれる。27日まで。主催は同大学の非常勤講師・石川朋子さんが担当する「平和学ゼミ」の学生12人。二つの事故の写真や映像、関係者が作成した資料などを展示し、学生たちが調査の中で感じた「言葉にできない思い」を伝える。
ゼミ生たちは昨年4月から二つの墜落事故の体験者やその家族などを訪ね、聞き取り調査に取り組んできた。霜越綾香さん(総合文化学部2年)は「いろいろな人の話を聞くうちに、言葉にできないもやもやとした思いが生まれた。事故を振り返り、沖縄で“今”起きている問題と向き合うためにも、展示会を開く必要があると思った」と説明する。
調査では宮森小の墜落事故で息子を亡くした女性の話など、過去の悲惨な事実に触れた。沖国大ヘリ事故については、昨年8月に大学で開かれた抗議集会に参加し、参加者に話を聞いた。一方、多くの県民が参加し、米軍人と交流する基地内のフェスティバルも見学した。棚原俊樹さん(同)は「基地被害を訴える一方で、米軍との交流も生まれている。調査では、沖縄が抱える問題の複雑さを強く感じた」と語った。調査について3月中に報告書をまとめる予定だ。
写真・パネル展は入場無料。初日の25日は、午後3時から入場できる。同3時半からは大学本館前にあるヘリ墜落事故現場で、オープニングセレモニーも行われる。
(琉球新報)
2010年2月24日