【政治】閣内不一致、また露見 朝鮮学校の無償化2010年2月27日 朝刊 高校授業料無償化の対象に朝鮮学校を含めるかどうかをめぐり、閣内の見解が定まらない。すでに高校無償化法案の国会審議が始まっているのに、閣内の意見が分かれているのは異例で、野党の追及を浴びるのは確実だ。 朝鮮学校は学校教育に類する教育を行う各種学校の一つ。無償化法案は各種学校も対象としているが、「高等学校の課程に類する」と文部科学省令で定めた場合に限っている。 鳩山由紀夫首相は26日、記者団に「日本人と国交のある国の方々が優先されることは、それほど無理のない話だ」と、朝鮮学校を対象外とすることに理解を示した。同時に「結論は出ていない」とも述べた。 対象外にするよう求めているのは、中井洽拉致問題担当相。26日の記者会見でも北朝鮮による日本人拉致問題を挙げ「制裁措置をやっている国の国民だ」と強調した。 これに対し、福島瑞穂少子化担当相は記者会見で「無償化は子どもの学ぶ権利を保障する制度だ。できる限り多くの子どもたちを応援すべきだ」と反論。拉致問題に関しては「大人たちがどうかという問題と子どもたちは別だ」と述べた。 直接の担当ではない2人の閣僚が全く反対の私見を披歴した形で、閣内の意見調整不足がまた露呈した。 担当の川端達夫文科相は記者会見で「高校と同等とみなせるかどうかの判断基準と、基準の確認方法を定め、客観的に決めたい」と説明。首相は「国交がない国だから、どういう教科内容かも調べようがない」と判断の難しさを指摘した。 (関口克己)
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