2010.2.3 05:00
トヨタ自動車は、欧米や中国での大規模リコール(無償回収・修理)の原因となったアクセルペダルについて、米電子部品メーカーのCTSを製造元として特定した。リコールに際して不具合部品の詳細を伏せる自動車メーカーが多いなか、サプライヤーであるCTSの名が表に出るのは異例。不具合の責任を問われることを懸念するCTS側からは、ペダルそのものではなく、トヨタ車の環境条件に原因を求める声が上がっている。
◆「スケープゴート」
調査会社IHSグローバル・インサイトのアナリスト、レベッカ・リンドランド氏は、今回CTSの名前が特定されたことについて、「同社が責任追及の矢面に立たされたのは明らか。スケープゴートにされたようだ」と指摘する。一方のトヨタ側は、不具合の責任の所在に関していかなる協議も行っていないとコメント。リコールのために生産を停止している北米5工場の稼働再開と販売店への代替部品の供給が現時点での最優先課題だと強調した。
CTSは先週から、トヨタの修繕案に基づいたペダルの生産を開始。各工場への出荷を進めている。先週発表した声明でCTSは、今回の不具合と同社のペダルとは一切関連がないとの認識を示した。CTSがトヨタ車への部品供給を開始したのは2005年からなのに対し、「意図しない突然の加速」はそれ以前の1999年からトヨタ車の不具合として報告されていたというのがその根拠だ。