2010.2.3 05:00
◆CEOが反論
CTSのキルナニ最高経営責任者(CEO)は同社のペダルの一部について、踏み込んだ後の戻りが遅れる欠陥があることを認めながらも、そうした問題のある製品の報告は北米全体で10件程度にとどまっていると説明した。同CEOは先月28日の電話会議で「今回のリコールの原因となった不具合は、トヨタ車の環境条件がCTS製品本来の仕様の限界を超えていたために引き起こされたものだ」と語っている。
調査会社アドバンスト・リサーチ・ジャパンのマネジングディレクター、遠藤功治氏は「納入された製品の仕様を承認した上で自社モデルに搭載している以上、トヨタにCTSを責めることはできない」と指摘する。米運輸省は、トヨタの提示したペダル修繕案には異議を唱えなかったものの、不具合を引き起こすペダルを搭載した可能性のある他のメーカーに対し、追加のリコールが必要かどうか検討する方針だ。
CTSはトヨタ以外にもホンダ、日産自動車、三菱自動車、クライスラーといったメーカーにペダルを供給している。しかし、キルナニCEOによれば、メーカーごとに製品の設計や仕様は異なっており、他社のモデルでトヨタと共通のペダルを採用しているケースはないという。
創業から114年の歴史を誇るCTSは、世界のアクセルペダル市場で16~20%のシェアをもつといわれる。トヨタのサプライヤーとして3度にわたって同社から表彰されるなど、品質の高さには定評がある。
弁護士のマイケル・ルイス・ケリー氏は、受注した仕様に合わせて製品を製造し、テスト走行などにかかわることも少ないサプライヤー側に不具合の責任を問うのは難しいとの見解を示した。リコール問題で社名を明らかにされて以来、CTSの株価は18%の急落に見舞われている。(ブルームバーグ Jeff Green、Mike Ramsey)