ダメな”システム屋”にだまされるな!
2010年2月25日
このような書籍を読みました。なかなか興味深い書籍です。
読んだ感想ですが、私が懸念していることが見事に書かれており、欧米に負け続け、インド・中国に負けつつある日本のシステム業界のことが書かれておりました。
特に面白かったのが、以下の部分ですね。
IT以前の問題と言って何もしない人の「ガミガミ屋」の部分。
「そんなことはできない。」
「そんな期間ではできない。」
「そんなコストではできない。」
「どうしてもっと早く知らせてくれないのか。」
というところで、『相手をするほうはうんざりです』と著者が書かれている部分ですね。
まったく同感です。できないばかり言って解決策を考えない人が、この業界には多すぎます。
”ニセモノ”コンサルタントの部分。
「アメリカのGEではこうしています。」
「トヨタ自動車ではこう考えました。」
という権威あるいは伝説に頼って仕事をしている人が多いというところで、
『この種の”ニセモノ”をコンサルタントというべきではない』と著者が書かれている部分は、爆笑してしまいました。
社会人としての責任感に欠けるネット系”システム屋”の部分。
インターネット・モバイル系のサイト構築企業は、増え続ける需要に対して供給が追いつかず、名もない企業でも簡単に受注が取れる状況にあり、そのような企業に勤めている人には、旧来のシステム開発会社が古い技術を使ってシステム開発しているのに、自分たちより給料が高いと見下しているとのこと。
当社もWebに特化しておりますが、私は業務系システム開発の方が経験が多く、現在のWebシステムの制作会社のいい加減な業務分析しか出来ない若者には、嫌気がさしていますので、まったく同感です。
経験が少ない会社に発注し、後で痛い目にあっているクライアントを何社もみております。
そういえば、サーバがSPAMメールの踏み台にされている会社さんもありましたね。
勉強こそが”システム屋”の生き残る道
この部分でも、私が社会人になってから続けていることでして、書籍で勉強したり、いろんな人から情報を得たりする努力(勉強)をしないシステム屋が多いのも、実は驚いております。
休日も勉強している正真正銘のコンサルタントがいると書かれていますが、私も釣りに行かない休日は最低でも4時間は書籍を読んだり、ネットから情報を収集して勉強しております。
この書籍で、日本のシステム業界が人月単位の人身売買と偽装請負満載の状況と、安価にシステムを構築しないといけない現状が理解できたと思いますが、結局のところ、自社で経営方針などを解決しないとやっていけないでしょうね。
当社では、システム開発の請負はしますが、常駐したり、派遣したりはしません。
偽装請負の匂いがプンプンする案件も紹介して頂くのですが、絶対に人売り商売はしないと決めております。
また、見積を出してと言われる時に、よく言われることなのですが、人月いくらですか?と聞かれます?
当社は、人月いくらでは絶対に見積提示しません。
何故かというと、その人の原価はありますが、これまでの経験やノウハウを提供するのに、月単価での労働時間で計算してはならないと考えているからです。
会社、特にソフトウェア開発をしている”システム屋”は、この先、多くが淘汰されるでしょう。
それは、勉強をせず、人を売り者にしている”いい加減な経営者”がいる会社と、Web業界に代表される”経験が少ない人員だけ”の会社でしょうね。