暴行騒動の責任を取って引退した元横綱朝青龍(29)=本名ドルゴルスレン・ダグワドルジさん=が24日、滞在先の米・ニューヨークから成田着の航空機で来日した。5日にハワイへ渡ってから19日ぶりに日本に戻ったが、アメリカでの行動や今後についての質問にはノーコメントを貫いた。角界関係者によると、警視庁は暴行騒動の捜査を打ち切ってはおらず、近日中にも事情聴取を受けることになりそうだ。
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白ぶちメガネに黒のスーツ、シャツは第2ボタンまで開いた“ホストスタイル”で元朝青龍が到着ゲートに降り立った。すぐに約50人の報道陣が殺到。ほぼ同時刻にバンクーバーから帰国した五輪日本代表選手団の取材には、約30人しかいなかったことと比べると異様な光景だ。報道陣に目を向けると、騒がしさを楽しむかのように、元朝青龍は笑みを浮かべた。
「アメリカでは何をしていたんですか?」「警察には行かないんですか?」。矢継ぎ早に質問が飛んだが、最後まで口を開かなかった。係員の先導で入国審査などを終え到着ロビーに出てくると、笑顔で手を振りながら空港を後にし、都内の自宅へ向かった。
引退した翌日の今月5日にハワイへ出発。ロサンゼルスを経由して、ニューヨークにたどり着いた。21日の白鵬の挙式、披露宴には出席する気でいたが、相撲協会や宮城野部屋、マネジャーら周囲の説得を受け断念。米国滞在を続け、ようやく日本に舞い戻ってきた。
今後、捜査が終了していない暴行騒動について警視庁から事情聴取を受ける可能性は高い。角界関係者は「警察もゴルフざんまいの報道を見て心証が悪いはず」と指摘する。警視庁も元朝青龍の動向は把握しているとの情報があり“無罪放免”とはいかない状況だ。書類送検などの形で騒動が事件化すれば10月3日の引退相撲を、協会が拒否する可能性もある。