このブログについて

まず最初に。
ここは腐女子のブログです。ご注意下さい。

銀盤萌えが止まらず身悶えしています。


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テーマ : フィギュアスケート
ジャンル : スポーツ

これは最後の恋 ランビ+プル(ジュベランビベース)

「ひどい顔をしているね」
 練習の合間にリンクサイドで束の間の休憩を取っていたころ突然かけられた声に、ステファンは少しだけ肩を震わせると声のした方をゆっくりと振り返った。先には、見慣れたブロンドとブルーアイズが在った。ロシアのエフゲニー・プルシェンコである。ロシアの皇帝とも呼ばれている彼は、競技中の時とは違い終始リラックスした様子で柔らかく微笑んでいた。そして、悠然とした足取りでステファンの元にやって来る。断りもなく当然のようにステファンの隣に並んだ彼に、しかしそれが少しも嫌味にも傲慢にも感じられないのは、ひとえに彼のユーモアに富んだキャラクターのせいなのだろうと思った。ステファンの口元にも自然に笑みが浮かぶ。
「昨夜あまり眠れなかったのかい」
「…そんなにひどい顔してますか」
「ああ、ひどいね。せっかくのハンサムが台無しだ」
 冗談めかしてウインクしてくる彼に、ステファンは少しだけ笑った。が、うまく笑うことが出来たのかはわからなかった。彼の云うとおりに昨夜はほとんど寝ていないからである。

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世界で一番遠い言葉(ジュベランビ)

携帯が鳴らされたのは、深夜に程近い時刻だった。

 ステファンは其の日、完璧とは云えないが其れでも概ね満足のいく演技でフリーを締めくくることが出来てなかなかの上機嫌で与えられた部屋へと戻った。手元には燦然と輝く銀メダルが在った。もちろん一番欲しかった色のメダルではなかったが、自身の此処最近の調子とを量りにかけてみれば銀メダルでも上出来であろうと思われた。ステファンは銀メダルに軽くキスをすると其れをテーブルの上へそおっとした手つきで置いた。其れから手早くシャワーを済ませ、軽く食事をしてから良く冷えたシャンパンを呷る。最高に贅沢な時間だった。ああ、僕はなんて幸せなんだろう!僕を生んでくださって心より感謝しますママン、そして神様!アルコールの所為か其れとも競技を終えたばかりという高揚からか自分のテンションが平常時の1.5倍くらいは高いことはわかっていたが、しかし競技を終えた直後に少しくらい馬鹿になるのはどうか許して欲しいとステファンは誰にともなく言い訳する。天に祈るようなポーズを捧げてからグラスの中身をすべて飲み干すと、空にしたばかりのグラスに再度シャンパンを注いだ。段々とグラスの中身に液体が満ち始めるのを楽しそうに眺めるステファンは本当に上機嫌だった。そして其の上機嫌のわけが、満足のいく演技、銀色のメダル、美味しいシャンパン、其れらだけのおかげではないことは心の底のどこかで本当はわかっていた。ぴたりと、ステファンの動きが止まる。グラスの中身はまだ半分ほどしか満たされてはいなかった。不意にテーブルの上に置かれた銀メダルを見詰めて、一番欲しかった色のメダルを、一番高い表彰台に立った男のことを脳裏に思い浮かべる。すっかりと端正な青年へと変貌を遂げたくせに、中身はまだプライマリーのような少年のように子供っぽさも残るもフランス人のことを。

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死亡までのカウントダウン(ヤグプル)

アリョーシャ、俺を呼ぶ声は疾うに成人した男のものだとはっきりとわかるほど低いものだったのに、どこか甘さも含んでいた。其れはまるで子が親に甘えるようであったし、飼い犬が主人に甘えるようでもあったし、そして女が男に甘えるようでもあった。人を毒つかせる甘さだった。例えるならば、鼓膜から脳を直接犯すような、そんな感じだと思った。ああ、まったくもって始末に負えないとはまさに此の男のことを云うのだろう。こいつの此の声が曲者なんだと俺が無視していると、アリョーシャ、アリョーシャ、アリョーシャ、…アレクセイ・ヤグージン、と声の主は段々と不機嫌になっていく。其れでも俺はあいつを無視した。無視し続けた。云っておくが、俺が悪いわけじゃないぞ。俺がひどい男だからとか、そんなわけでもない。俺にはあいつを無視せざる得ない確固たる理由が在ったのだ。
 アリョーシャ、幾度目かの呼びかけにも反応しなかった俺に飽きたのかあいつはぶうっと頬を膨らませ本格的な不機嫌モードに入ってしまったらしく、ソファの上ででっけークマのぬいぐるみを抱きとめながらぷいっとそっぽを向いてしまった。(俺は正直あいつにおまえはいったい幾つなんだと云ってやりたかった、)(俺の記憶が正しければあいつは今23のはずである、しかし其れにしては言動も行動もあまりにも子供っぽすぎるのではないかと思えてきて仕方なかった、)(第一ファンから貰った腰の辺りにまで届きそうなでかさを誇るクマのぬいぐるみといまだに夜一緒に寝ている23歳の男の存在なんて信じられるか?)そしてあいつは其の話題のクマのぬいぐるみに向かって「…ねぇクマアリョーシャってばひどいんだよぼくの話をまったく聞いてくれないのねぇひどいよねぼくがアリョーシャアリョーシャアリョーシャってなんども彼のことを呼んでいるのにさ金メダリストのこの僕がだよねぇクマひどいよねねぇ、」などと愚痴を零している。(23歳の男がだ!ああまったく世も末だ!こんな男が五輪の金メダリストだなんて!)

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