第16回 電撃大賞 入賞作品

選考委員奨励賞
しろきつね (埼玉県)
想定電撃文庫作品 「しにがみのバラッド。」


プロフィール
しろきつねと申します。現在、大学に通いつつ、独学でイラストを描き、同人活動を行っています。元来絵を描くことは好きで、高校卒業頃に明確にイラストレーターになりたいと思い、今に至ります。イラスト作成は、一番の趣味で、将来の夢でもあるため、大学やアルバイト関係が多忙になったときでもモチベーション高く取り組めています。イラストとしては華やかで質感ある物が好きなので、表現できるよう試行錯誤を重ねたいと考えています。

受賞者コメント
受賞のご連絡をいただいたときは、手も声も震えるほど驚き、感激しました。このような形で評価していただき、誠にありがとうございます。この度、私は選考に向け、イラストの世界を感じ取れるよう表現することに全力を尽くしてきました。カラーでは、なるべく様々な色を使用し、しかし、各色が干渉しないよう色感や光の調節に気を遣い、モノクロでは迫力や透明感を出すため、明暗の境の表現に気を遣いました。どの作品も微調整の繰り返しでしたが、楽しんで描くことができました。この受賞を心より嬉しく思います。

選考委員選評
天野喜孝
とても完成度が高く、実力を感じさせるイラストで、即戦力として今すぐにも活躍できる方だと思いました。服のやわらかさの表現など、技術の高さを伺えます。ぜひこの魅力を追及していっていただきたいと思います。

出渕裕
テクニックのある方ですね。モノクロはフォーカスをかけてみたり、白黒のメリハリを効かせたり…… と、アプローチの幅があるのも良いと思います。しかし、構図に凝りすぎていたり、描きたいものを詰め込みすぎていたり、また、色合いがややきつすぎるために見ていて疲れる作品になってしまった印象です。空間を使ったりしてメリハリを効かせてみても良かったのでは。さらに言うならば、この方ならではの個性ももっと欲しいですね。

衣谷遊
キャラクターの表情が生き生きしていてとても魅力的です。特に『しにがみのバラッド。』の課題イラストは、奥行き感と花の赤の配置の鮮やかさが目を惹きました。カラーリングがかっこいいと思います。ただし、イラストによって技術力のムラがあるように感じました。この魅力と技術がすべてのイラストに感じられるようになれば、なお良いかと思います。

緒方剛志
キャラクターをとても可愛く描いた作品かと思います。特にカラーのオリジナルイラストで描かれたキャラクターは魅力的でした。ぜひこの路線で突き進んで欲しいと思います。カラーについては背景の3DCGの使い方など、うまくツールを使いこなして見栄え良く仕上げていますね。魅力的にイラストを描くための、描き方の技術を持った方だと思います。

鈴木一智 (取締役・第2編集部 統括編集長)
オールマイティな実力を持った方です。キャラはステロタイプではあるものの、その立たせ方が上手い。動きのある筆致や物語性のある画面構成にコミック作家の資質も感じさせます。背景などCG処理が若干浮いている感じもするので、手描きの作品も見てみたいですね。





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