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中国人観光客が日本で「大量買い」をする理由

　国外への自由旅行の本は出版されてはいるが、中国人が日本に個人旅行するのはまだまだ一般的ではなく、団体旅行がメインである。

　日本に訪れる典型的な団体旅行には2つある。ひとつは旅行会社が募集をかけるパッケージツアー、もうひとつは政府や企業などの団体が研修を目的に、旅行会社によるオーダーメイドで訪れる旅行だ。

どれだけ多くの場所で
記念写真を撮ったかを競う

　前者に関しては、東京、大阪、加えて最近は北海道の数日のツアーから、日本全土や日韓セットで1週間という強行ツアーまで様々なメニューが用意されている。特に春節前には旅行会社のツアー広告が新聞紙面を賑わわせる。

　値段は日本円にして5万円～15万円程度。日本旅行以外では東南アジア1週間やヨーロッパ10カ国1週間などの、さらに強行軍のツアーもある。

家電量販店も中国人消費者の呼び込みに躍起だ

　多くの中国人はモノの善し悪しを「コストパフォーマンス」「お買い得度」「盛りだくさん」で測るが、旅行もしかりだ。今は旅行の質や濃さよりも、「どれだけ多くの場所に行き記念写真を撮ったか」にこだわる消費者が多数派だ。

　後者の団体研修に関しては、特に官公庁に多いと話にきく。たとえばある都市の二酸化炭素削減を担当する役所が、日本で似たようなことをしている役所をピックアップし、この日本でのミーティングを含めた日本旅行プランを旅行会社に組んでもらう。

　そのオーダーメイドのツアーでは、東京での買い物に、京都の寺社巡り、箱根や北海道での温泉、新幹線に一駅だけ試乗が、お約束のように含まれる。

　日韓旅行の部署のある旅行会社でも、実際に現地を訪れたことのあるスタッフがいる旅行社は少ない。スタッフはオーダーメイドツアーを求められれば、中国のＷＥＢサイト上にある別の日本（日韓）ツアーの内容をコピーし、若干アレンジした上で顧客に提示するのが一般的である。