[トヨタ]社長が変革を約束、対応の遅れ陳謝…米公聴会
2010年02月25日13時11分 / 提供:毎日新聞
【ワシントン米川直己、古本陽荘、斉藤信宏】トヨタ自動車の豊田章男社長が24日、米下院監視・政府改革委員会の公聴会で証言した。大規模リコール(回収・無償修理)をめぐる対応の遅れを陳謝し「顧客第一主義を徹底させる」と表明。「自ら指揮を執ってトヨタを変えていく」と強い口調で約束した。質疑は約3時間20分に及んだが、豊田社長は冒頭証言以外は通訳を介して日本語で証言。追及を受けてトップが火だるまになるという事態は何とか回避した。
◇従業員前に涙
「私は(公聴会でも)一人ではなかった。トヨタの仲間が私を支えてくれた」――。米議会議事堂から西に約4キロ離れたナショナルプレスビル。会場に姿を見せた豊田社長を、全米各地から「社長を応援したい」と集まったトヨタ販売店や工場の従業員約200人が拍手で迎えた。
疲労感をにじませていた豊田社長の表情が緩んだ。社員らを前に英語であいさつした豊田社長は、途中から感極まって言葉に詰まり、目に涙を浮かべた。極度の緊張を強いられた公聴会での証言を終えた安心感もあったのだろう。
◇「なぜ米国だけ」
「欧州や日本で見つかった不具合への対応が、なぜ米国だけ遅れたのか」――。
24日午後2時過ぎから始まった公聴会の質疑は、冒頭から波乱含みの展開となった。最初に質問したタウンズ委員長は、トヨタによるリコールの遅れを厳しくただした。
米国内だけで230万台をリコールしたアクセルペダルが戻りにくくなる欠陥は、実は08年に欧州で見つかり、すでに対策が取られていた。「米国の市場と顧客を軽んじているのではないか」(カンジョルスキー議員)との発言は、「トヨタの米国軽視」への議員らの強い懸念を映したものだった。豊田社長は「業容拡大の速度が速すぎて、人材の育成が追いつかなかった」と体制の不備を率直に認め、「苦情になる前の顧客の声が本社に伝わるような体制を必ず整える」と答えた。
◇欠陥疑惑否定
さらに意図せぬ急加速の原因として電子制御スロットルシステム(ETCS)の欠陥に関する質問が出ると「我々の社内での厳しい調査でも米当局の調査でも不具合は見つかっていない。設計上の問題はないと確信している」と述べ、否定した。
公聴会では、北米トヨタで見つかった「限定的リコールで1億ドル以上の経費が節約できた」と記した内部文書が見つかったことで、マイカ議員が「これまでに私が出合った最も恥知らずな文書の一つだ」と発言したり、「質問に答えていない」や「イエスかノーかで答えてほしい」と豊田社長が厳しく追及される一幕もあり、議会のトヨタ不信の根深さをうかがわせた。
◇追及姿勢緩む
今回のリコール問題が起きるまでは、米国では17万2000人もの雇用を維持し、地道に現地に溶け込む努力をしてきたトヨタに対する評価は高かった。公聴会後にタウンズ委員長が「豊田社長は、来る必要がないにもかかわらず、自ら進んで証言に来た。そのことは印象的だ」と述べるなど、これまでのトヨタの実績を背景に、トップ自らが説明をしたことを評価する声も出始めている。
しかし、今回の公聴会でトヨタ批判が沈静化に向かうかどうかは不透明だ。アイサ筆頭理事が「多くの約束をしてくれたことは評価する」と皮肉をこめてコメントしたように、米でのトヨタに対する懐疑的な見方が、今回の公聴会で完全に取り除かれたわけではないためだ。
◇従業員前に涙
「私は(公聴会でも)一人ではなかった。トヨタの仲間が私を支えてくれた」――。米議会議事堂から西に約4キロ離れたナショナルプレスビル。会場に姿を見せた豊田社長を、全米各地から「社長を応援したい」と集まったトヨタ販売店や工場の従業員約200人が拍手で迎えた。
疲労感をにじませていた豊田社長の表情が緩んだ。社員らを前に英語であいさつした豊田社長は、途中から感極まって言葉に詰まり、目に涙を浮かべた。極度の緊張を強いられた公聴会での証言を終えた安心感もあったのだろう。
◇「なぜ米国だけ」
「欧州や日本で見つかった不具合への対応が、なぜ米国だけ遅れたのか」――。
24日午後2時過ぎから始まった公聴会の質疑は、冒頭から波乱含みの展開となった。最初に質問したタウンズ委員長は、トヨタによるリコールの遅れを厳しくただした。
米国内だけで230万台をリコールしたアクセルペダルが戻りにくくなる欠陥は、実は08年に欧州で見つかり、すでに対策が取られていた。「米国の市場と顧客を軽んじているのではないか」(カンジョルスキー議員)との発言は、「トヨタの米国軽視」への議員らの強い懸念を映したものだった。豊田社長は「業容拡大の速度が速すぎて、人材の育成が追いつかなかった」と体制の不備を率直に認め、「苦情になる前の顧客の声が本社に伝わるような体制を必ず整える」と答えた。
◇欠陥疑惑否定
さらに意図せぬ急加速の原因として電子制御スロットルシステム(ETCS)の欠陥に関する質問が出ると「我々の社内での厳しい調査でも米当局の調査でも不具合は見つかっていない。設計上の問題はないと確信している」と述べ、否定した。
公聴会では、北米トヨタで見つかった「限定的リコールで1億ドル以上の経費が節約できた」と記した内部文書が見つかったことで、マイカ議員が「これまでに私が出合った最も恥知らずな文書の一つだ」と発言したり、「質問に答えていない」や「イエスかノーかで答えてほしい」と豊田社長が厳しく追及される一幕もあり、議会のトヨタ不信の根深さをうかがわせた。
◇追及姿勢緩む
今回のリコール問題が起きるまでは、米国では17万2000人もの雇用を維持し、地道に現地に溶け込む努力をしてきたトヨタに対する評価は高かった。公聴会後にタウンズ委員長が「豊田社長は、来る必要がないにもかかわらず、自ら進んで証言に来た。そのことは印象的だ」と述べるなど、これまでのトヨタの実績を背景に、トップ自らが説明をしたことを評価する声も出始めている。
しかし、今回の公聴会でトヨタ批判が沈静化に向かうかどうかは不透明だ。アイサ筆頭理事が「多くの約束をしてくれたことは評価する」と皮肉をこめてコメントしたように、米でのトヨタに対する懐疑的な見方が、今回の公聴会で完全に取り除かれたわけではないためだ。
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